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運、これって一番大事ですよね!?  作者: フクツノタロウ
メインストーリーってなんですか?
22/51

鳩はこう言ったんです・・・ピーポー、ピーポーと・・・

「・・・と、いうわけでだ。勇者ドラゴン、お前はもう入隊したので、さっそく今から寮に入ってもらう。ついてこい。・・・ついてこなければ、誘拐する。」


「いやいや!!俺、いつのまにサインしたっていうんですか!?っていうか、最後のはもう脅迫ですよね!?」


そこでグリーン大佐は、狩人に顔をぐっと近づけ、拳銃をそっと腹にあてる。


「・・・いいか勇者ドラゴン。入隊した時点で、お前の意思は消え失せたんだ。・・・お前以外の者がお前は入隊したと認識した時点で、お前は入隊しているんだ。・・・すでに入隊しているお前は、新兵で、新兵であるお前が上官である私を、これ以上、しゃべらせれば、上官の私である手で、今この瞬間握られている拳銃によって、お前は入隊している瞬間で死ぬことになる・・・!」


「(な、なんだ・・・こ、このっ頭を乱される様な・・・ッ!!ダメだッ!これ以上、逆らうと・・・俺はッ、おかしくなる・・・!!ぼ、防衛しないと・・・!)は、はい・・・。」


狩人は、おとなしくついていくことに決めた。


グリーン大佐は拳銃をおさめた。


「よおぉぉぉし!!ウジ虫新兵!!原付でいくぞォォッ!!」


(・・・・・・果たしてこれでよかったのか・・・)


狩人とグリーン大佐は、移動する。


ーー特殊部隊イエローベレー寮前


「よし、これが我がイエローベレーの寮だ。どうだ!!立派だとは思わんかァァッ!?」


2階建ての4室ボロアパートだった。


「じ、時代は感じます・・・。」


「そうか!!新兵でもこの寮が、厳しい時代を生き抜いてきた立派な建物だとわかるんだな!!・・・あぁその調子だ新兵!!いい嗅覚だ!!」


「アンタも思わずフォローしちまってるじゃねーか!!無理すんじゃねぇ!!」


「・・・ん?・・・おい見ろ!!他の隊員もお前を歓迎してくれているようだ。」


そう言われ狩人は、アパートの方を見る。


「・・・へいへい、新入りこっちみろよ・・・!!」


と104号室の住人は、ドアを何度も開け閉めし


「・・・おいテメェは、何できたんだよ・・・!?」


と103号室の住人は、ドアノブを何度も回して


「・・・ピザアアアアアアアッ!!」


と102号室の住人は、閉じたドアを何度も叩いて


狩人を歓迎する。


「どうだ、特殊部隊にふさわしく、みんな個性豊かに、勇者ドラゴンお前を歓迎している。」


「いやいや!!これのどこが歓迎なんだよ!!どうみても刑務所じゃねーか!!・・・それと、ドア壊れる気配しか感じねーわ!!」


その時だった。


「あ、ドアがァッ!!」と104号室の住人が

「あ、ドアノブガァッ!!」と103号室の住人が

「あ、ピザアアアアァッ!!」と102号室の住人が


叫ぶ。


(ほら・・・いわんこっちゃない・・・)


そこでグリーン大佐は、思い出したかのようにしゃべり始める。


「ところで、入寮前にこんなことを言うのはあれだが・・・我が諜報部の報告によると、この寮は、”あれ”がでるようだ。」


「えっ!?・・・・・・もしかしてそのまさか幽霊・・・とかですか・・・?」


「・・・?・・・フッ、フッフッフッ・・・ハッハッハッハッ・・・」


真面目な表情だったグリーン大佐が、その狩人の質問を受けると、突如笑い出す。

すると、次の瞬間だった・・・。


「お前は幽霊ごときが怖いのかアアアアァァァッ!?それでも特殊部隊イエローベレーかアアアアァァッ貴様はアアアアァァッ!?」


(なんか豹変するアンタの方がこえーよ・・・)


「・・・・・・いいか、幽霊は家政婦と変わらん。・・・それよりももっと家の中で出くわしてしまったら恐ろしい存在がいるだろう。」


「(メッチャ、便利いいなぁ・・・)・・・え、えっ~と、でも幽霊より怖い存在っているんですか?」


ゴキだ」


「・・・・・・。」


「なんだ、そのしらけた顔はアアアァァッ!?勇者ドラゴン貴様は、ゴキが怖くないとでも言いたげだなアアアッ!?最新のバイオ兵器が怖くないのかアアアアッ!?・・・あぁ、思い出す・・・私も過去の作戦、Gー5(five)2(two)バリアード作戦では、一匹のために街を焦土にした苦い作戦がッ、あるッ。あの大統領の決断がなければ今頃・・・ッ!」


「(ハァ・・・ここは勇者らしく、ビシッと決めてやるか)・・・・・・はい!大佐!!」


狩人は、ハキハキとした一声と共に挙手をする。


「よし!!新兵!!」


グリーン大佐は、狩人を指名する。


「スゥゥゥゥ・・・」


狩人は息をすってから、ついに告げる。


「どこでもでるな」


ーー201号室の扉の前に来たグリーン大佐と狩人。


ガチャガチャ


「くぅッ、イエローベレー寮201号室の鍵がどれだかわからん・・・愛人100人分の鍵と一緒にまとめるべきではなかったかァッ・・・!!私としたことが・・・ァッ!!」


「どうやって維持してんだよッ!!一周するだけでも大変すぎだろ!!」


「・・・確かになァ・・・新兵、まさに貴様のツッコミ通りだ・・・。年々、愛人予算は増えていくばかりだ・・・まったく、何かを維持するということは容易ではない・・・。」


(いやいや、そもそも健全になれよ・・・)


ガチャガチャ、ガチッ!


「おぉ、開いた。オープン!!・・・さぁ、入れ新兵!!ここからは5分のロード時間が貴様を待つッ!!」


「あッ!は、はいッ!!・・・それでは、お、お邪魔しま~す。(や、やっぱり初めての場所は緊張するなぁ~!)


ーー室内。


「どうだ。この畳15000畳が続いていく部屋は?中々快適だと思わんか?」


「いやいや!!格闘ゲームに出てくる無限に続くステージみたいになってるじゃねぇか!!広すぎて住めねぇよ!!つーか声、メッチャ通るなァッ!!爽快だわ!!」


「そうか・・・そう言うのなら仕方ないな。家に呼ぶ友達すらいない勇者ドラゴンには不要だったな・・・この広さが虚しさの広さに変わってしまうのだな・・・・・・では四畳半に戻そう。圧縮!!」


(うるせぇ・・・)


室内が四畳半になった。

そして最後に、グリーン大佐が生活の注意事項を述べていく。


「よし、電気ガス水道・・・はすべて・・・」


「・・・。」


「通らないので自分でまかなうことだ。」


(まかなうっていうレベルじゃねぇ・・・どうすんだよ・・・)


「電気は、ここにある自転車で、発電!!ガスは己の体内から、生産!!水道は50km先の湖から、水を引いてくる、引用!!こんなのは、イエローベレーの隊員では常識だが、お前は新兵だから、こうして伝えておいてやろう。」


(もう・・・生きれたらいいや・・・)


「そして通信回線は、この鳩!!」


とグリーン大佐は、ポケットから鳩を取り出す。

その時だった。


「ポーポー、ポーポー」バタタタタ!!


偶然にも開いていた窓を通って、鳩は飛んでいってしまった。


「あっ!!ちょっ、ちょっと!!飛んでいきましたよ!!」


そこでグリーン大佐は、泣き始める。


「これでよかったのだ・・・グスッ、グスッ・・・ッ、グオォッ!!泣ける・・・ッ!!」


「何がよかったのか全然わかんねぇよ!!(つーか、急に泣き出すこの人、やっぱこえーな・・・)」


グリーン大佐は、泣き続ける。


「グスッ、グスッ・・・”全印が泣いた”・・・グスッ!!」


「なぜ、そこォッ!?」


「うえええええぇぇん!!・・・グスッ、ゥッ・・・ナマステ・・・」


「うん、もう次進めて下さって大丈夫ですので・・・どうかお願いします(なんで、俺は気使ってんだ・・・)」


それでもなお、グリーン大佐がピーピーと泣き続けているときだった。


「なんや、もう朝かいな・・・ホンマ、熟睡もクソもあらへんわ・・・ピーポーピーポーと近所の犬か猫かババアか知らんけど、ようわからんゴチャゴチャとした鳴き声聞こえるし~・・・お前は鳩かいな!?って突っ込みたいぐらいやわ。・・・いや、突っ込ませろや、ボケェ!!・・・・・・ハァ、ホンマァ~しばいたろか・・・水かけたろか・・・わしの熟睡を弁償せぇぇッ!!ちゅーねん・・・」


と部屋の押し入れから声がする。


(えっ・・・?)


それを聞いた狩人とグリーン大佐は、お互いに目を合わし、極度の緊張状態に入る。


スゥゥゥ・・・


そして2人は、恐る恐る押し入れに近づいて、ふすまに手を掛ける。


ガラァッ!!


「あぁん?なんや」


それは、落ち武者の生首だった。

なんてことだ生首と視線が合ってしまった。

これは最悪だ。


「・・・おたくら誰やねん」


「で、で、で・・・でたあああああああああああああ!!!」


グリーン大佐と狩人の悲鳴が、響き渡る・・・。

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