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運、これって一番大事ですよね!?  作者: フクツノタロウ
メインストーリーってなんですか?
21/51

お客様の中で常識のある方はいらっしゃいませんかー?

バタン!


神は、あきれた表情で聖書を閉じた。


「・・・ハァ、仕方ないの。聞く気のないやつに、朗読してやっても意味ないわい。・・・まったく最近の勇者は、人の話を聞かないやつばかりじゃの。人の話に耳を傾けんから、次何してよいかわからなくなるんじゃ。そのわりには、主張だけは一人前を装おりおってからに。」


(妙に人生論的な説教だな・・・やめてくれぇ・・・)


「・・・まっ、朗読は聞かなくとも、勇者ドラゴンよ、。この聖書だけは持って行くがよい。・・・旅のお供として暇な時は、読むんじゃぞ。・・・さっそく、おぬしのアイテム欄、すなわち心の中に加えておいたぞい。」


狩人は、「聖女の嫁がこんなにかわいいわけがないよな?」を手に入れた。


(いらねぇよ・・・何勝手に、心の中に加えてんだよ・・・)


「ちなみにそのアイテムは、ワシの力でキーアイテム指定にしといたからノ。売ったり捨てたりすることはできんぞい。・・・棺の中まで持って行くがよい。」


「もはや呪いのアイテムじゃねぇか!!」


「・・・そうでもしないとおぬしの身に危険が及んでしまうからの。」


「え?」


そこから神は、語り部の顔になる。


「昔、昔・・・脳天気な勇者がおった・・・。」


(なんで急に怪談調なんだよ・・・)


「ある日、その勇者は神から聖書を授かったのじゃ。それはたいそう、元気な聖書じゃった・・・。」


(子どもか何かかよ・・・)


「ここから悲劇の始まりじゃ・・・。勇者は、本屋に行きよった・・・いらないアイテムを売却するために・・・そしてレジカウンターの前に立った時ッ!!」


ビクッ!!


急な大声に狩人はびびる。


「あろうことかッ!!間違えて聖書を売ってしまったッ!!・・・これを見ていた神は激昂した!!天空から大きな稲妻が勇者へ降ってくる!!ガラァァァン!!ゴォォォン!!・・・・・・それは一瞬じゃった。ピカッと光った後に残されたのは、勇者の骸がただただ、そこには立っていた・・・。」


「いやいやどうみても、この話アナタの経験談ですよねッ!?」


そこから神は怖い顔をする。


「・・この話には続きがあっての・・・その聖書の買い取り価格・・・なんと、1円じゃったのじゃ。(キャー)」


「・・・・・・。」


「後の話・・・聖書を1円で買い取ってしまった本屋は倒産し、今は存在しない・・・。というわけで、聖書はキーアイテムになったというわけじゃな!!オッホッホッ!!」


「つまり、神様・・・あなたが自分の聖書を売られたことに腹を立てたって事ですよね・・・。だから、強制的にキーアイテムに・・・」


「スキップ」


「へっ?」


「スキップじゃ。スキップ。ワシは他人の話なんぞ聞かんでも、会話ができる。だからお主の発言も、すべてスキップじゃ!!オールスキップでクリアーじゃッ!!ホッホッホッ!!」


「さっき言ってた事とまったく反対ですけど!?」


「やかましいわい。これもスキップじゃな。・・・まったく最近のノベルはキンキンするわい。ノベルのテキストなんぞ、オールスキップで読破するのが当たり前じゃノ。スキップ機能のおかげで年間2000冊読破も可能じゃ。神の活字(紙)離れじゃな!!オッホッオッオッ!!」


「一体、何を読んでんだよッ!!めくってるだけじゃねぇか!!・・・(ダメだ、いよいよ収集つかねぇ・・・)」


「オッホン!!では、そろそろ話題を変えるかノ。次に進めとカンペがでたわい。せわしないのぉ~。それとあのカンペは、タッチパネルじゃの。ここにも紙離れがァ!!」


(番組かよ・・・つーかもうそれはいいから・・・)


「あ~勇者ドラゴンよ。最近、鍛えとるか?というわけで、鍛えてこい!」


「へっ?」


狩人は、時空に飲み込まれた・・・。


ーー「えっ~とここは・・・」


狩人は目を開ける。

椅子に座っていた。


「やっと目が覚めたようだな!!ひよっこ新兵!!」


そう怒鳴り声で言ったのは、ベレー帽をかぶった軍人だった。


「俺はグリーン大佐だァ!!そして今、お前は特殊部隊イエローベレーの入隊契約書にサインしようとしているッ!!というわけでさっさとサインしろォォッ!!このウジ虫勘違い勇者がァァッ!!」」


グリーン大佐は、顔面を近づけて狩人に怒鳴った。


(また、この急な展開か・・・いよいよ俺も慣れてきたなー。サインサインとっ)


「・・・じゃねぇよ!!急になんでこんなことになってるんですかァッ!?」


「黙れえッ!!つべこべ言わずにサインしろォォォ!!さもなければ、貴様の陰毛を引き抜くぞォォ!?いいのかッ!?」


「(地味だが・・・痛てぇな・・・)じゃねぇ!!・・・そ、そんな俺は、特殊部隊なんかに入りませんからね!?おかしいでしょ!!急にワープさせられたらこんな事になって・・・」


「黙れええええええええ!!!!死にたいのかアアアアアアアアッ!?コラアアアアアアア!!!やる気あるのかアアアアッ!?やる気がなかったら今すぐ家に帰れええええええええ!!!アップルパイ作りでも手伝ってこイイイイイイ!!」


グリーン大佐は、狩人にメチャクチャ顔近づけて怒鳴る。


「(すげぇ量の唾が・・・)じゃ・・・俺にはやる気ないんで・・・帰りますね・・・ハハッ」


狩人は、椅子を引いて立ち上がる。


「すまなかった。まぁ、その、まずは座ろう。」


グリーン大佐は、狩人の肩を無理矢理押さえつけて座らせる。


「・・・・・・。」


「あぁ、その・・・私はグリーン大佐だ。私が大佐になれたのも、常に怒鳴っているおかげでな・・・。入隊当時から、私は同期の顔に唾を浴びせ怒鳴ってばかりだった。上官にも負けじと唾を浴びせ、怒鳴っていた。すると、いつにまにか私は、大佐まで上り詰めていた・・・。」


「へ、へぇ・・・(なんすか、コレ?)」


「私は数多くの戦場をくぐり抜けてきた・・・このバーチャルリアリティでな。」


グリーン大佐は、ヘッドセットを取り出す。


(遊んできただけじゃねぇか・・・)


「そこで多くの・・・仲間を、上官を失った・・・。当時、足手まといの私を守るために・・・。やはり持つべきは友だと・・・今となっては感じる日々だ。」


(随分と楽しそうですね・・・)


「この私の顔を見ろ・・・大きな傷があるだろう。・・・これはな、大佐として貫禄をつけるために貼ったシールなのだ。500円もした。」


(話が見えてこねぇ・・・)


「だから、勇者ドラゴン!!君も是非、この特殊部隊イエローベレーに入らないか!?イエローベレーは、365日24時間いつでも君を待っているぞ!」


「・・・全然話の流れの意味がわからねぇよ!!どうやったら、そこから入隊の話に繋がるんだよォッ!?話下手かよォッ!!(つーか暇してんなぁ・・・)」


「今入隊した君には、その場でXLサイズのコーヒー一杯をプレゼントだ!!」


「特殊部隊とどういう関連があるんだよ!!てか量多すぎるわ!!トイレ止まんねぇなッ!!」


「さらに入隊特典として、毎月、激うまレーション、迷彩セット一式が届くぞ!!これで君も特殊部隊だ!!」


「嫌がらせかよ!!染める気まんまんだな・・・」


「あぁ、思い出深いな・・・この激うまレーションで私の肉体はできている。・・・母の手料理よりうまい。断言しよう・・・。」


(やめたれ・・・悲しむぞ・・・)


「私が中学生の時だ。・・・」


なぜかグリーン大佐の回想が始まる。


ーー「うわッ!グリーンの弁当また、キャビアとA5和牛だぜ。ダッせぇ!!ハハハハッ!!」


教室にいる全員がグリーンを笑う。


「それに比べ、ブルーふじはすげぇよな。唐揚げとプチトマト、卵焼きに白米だぜ。いいよなぁ~。」


「おい!ブラックなかを見ろよ!!・・・のり弁だ!!」


「えっ?嘘嘘!!」「すげぇー!!」「やっぱ金持ちは違うなぁ~」「彼女にして!!」


教室にいる全員がブラック中を囲む。


「いや!!見ろ!!レッドの弁当!?・・・あいつの空箱だ!!弁当箱だけだ、すげええええええ!!」


教室がお祭り状態へと突入する!!

全員がフィーバー!!放送室から音楽が流れ、校内すべてがダンスフロアと化す!!


ーー「こんな地獄のような日々が毎日続いたのだ・・・」


「あれ、なんかいろいろおかしいぞっと・・・というより最後のは、もはや放棄されてるじゃねぇか!!・・・もっとツッコむと、なんで登場人物の名前が戦隊物ぽいんだよ!!・・・あと、ダンス何ッ!?」


「まだ、私の地獄の日々は終わらない・・・」


ーー便所メシをしにきたグリーン。


パカッ


「・・・また一皿一万円寿司の詰め合わせかよっ・・・グスッ、全部クソババァッのせいだ!!」


ジャアァァァ


グリーンは、寿司をすべて便器に流した。


ーー「まてまてまてえええええええ!!す、すべてがおかしい!!(あれ・・・俺がおかしいのか・・・?)」


「そしてある日のことだった。」


ーー便所


「・・・今日は、妙に重い・・・あれ、これは・・・?」


弁当箱の風呂敷を開けると、そこには一通の手紙が入っていた。

グリーンはそれを黙読していく。


グリーンへ


ごめんなさい。

わたしの作るお弁当のせいで・・・いえ、私のせいで、今まであなたがいじめられていること知らなかったの。

あなたが中学校のダンスフロアで、ただ棒立ちしているだけ・・・そんな苦しいことを毎日経験していたなんて・・・もう何て言ったらいいか・・・言葉を忘れてしまいます・・・(泣)

これからは、もし苦しかったら、会話が成り立たないかもしれないけど、ちゃんと言ってね(介護してね)

だけど、便所の隠しカメラをハッキングして覗いたけれど、お弁当捨てているわね。

それはダメよ。中身を捨てるなんて、なんてもったいないことをしているの。

そんな子に育てた覚えはないわ。

木っ端微塵に散りなさい。


グリーンママ(クソババァ)より


パカッ


ーー「その日の弁当箱の中身は時限爆弾だった。ちょうどお昼時にセットされていたのだ。・・・こりゃあ、軍法会議行きだなと、私は中学生ながら悟ったものだ。」


「・・・・・・。」


ーードカアアアアアアン!!


「なんでもかんでも爆発落ちにすんじゃねぇ!!」





















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