フフ・・・これで終わりだ。立ち読みの権利を発動ッ!!
狩人は作戦がまだ決まらない中、とりあえずコンビニへ寄ることにした。
(ずっとふらついてても仕方ねぇか・・・。とりあえず、物色しながらでも考えるか。何か浮かんでくるかもしれねぇしな・・・。)
自動ドアが開き、中に入る。
~♪~♪
(どこかで聞いたような入店音が・・・。それも8bit音源にしてうまくごまかしてやがる・・・。なるほどなぁ~・・・って感心するところじゃねぇ!ダメでしょ!)
その時。
「らしゃあああああいッ!!」
「!?」
狩人に接客挨拶したのはコンビニの店員らしきチャラ男だった。
「コンビニなのにラーメン店のような挨拶するんじゃねーよ!」
「すまんすまん。・・・フー、フー、ズズッーズーズ~!」
(いや、すでにラーメンをすすっていたとは・・・恐れ入った・・・。俺の負けだ。)
「これ自分のまかないスっ。じっと見ててもあげないスっよ。」
(別に欲しくて見てたんじゃないけどな・・・。まぁ、いいや。)
店員に強烈な洗礼を浴びた狩人は、次に雑誌コーナーへ行き、物色する。
(へーけっこうおもしろそうなのあるなー。ちょうど作戦を考えるのに、いい素材になりそうだ。
・・・この『魔法資格大全7月号』ちょっと見てみるか。)
狩人はその本を手に取り、めくっていく。
(『魔法名アーダル・・・この魔法を使うことで、あなたの血圧を下げることができます。お年寄りを中心に血圧値が気になる人にオススメです。実用性はもちろん、習得難易度もやさしいので初めての資格習得に向いているでしょう。』
魔法と聞いてそ、想像していたのとは違うが・・・非常に健康的でいいと思います。)
(『この資格を習得した方は、セットでトーニョウも習得するといいでしょう。
このトーニョウは血圧を上げることができるので、この2つの魔法が揃えば、自分の血圧値で乱高下を繰り返して遊ぶことができるでしょう。
また、シニア世代の間では、このトーニョウを使って、血圧値を限界まで上げて、相手と競い合うゲームが流行っているそうです。』・・・ただのチキンゲームじゃねーか!!流行らんでいい!)
(『中には、血圧値を500上げたという方や1000、10000と上げた方もいるそうです。
そして驚くべきことに、530000まで上げたという強者までもいるそうです。』
あの~・・・それってもう死んでませんかね・・・。)
(『資格を習得した方のインタビュー・・・この、アーダルとトーニョウを習得したおかげで私の人生は大きく変わりました。まず、53年間彼女がいなかったのですが習得した3分後にできました!さらに、金運までもアップし、何と宝くじに当たりました!そして、過去の自分では信じられないほど仕事ができるようになり、社長就任!さらに自身でも新規事業を立ち上げ、それが成功したおかげで今では、こんな大富豪のハーレムになってま~す!!』・・・・・・。)
ビリィ!!
狩人は、そのページを破り捨てた。
(あのページはきっと捨てページだったんだ。きっと、締め切りに焦ったあまり、ああするしかなかった。
そう、そうなんだよ、うん。今度はしっかり間に合わせような・・・?応援してるぜ。)
狩人は、別のページに目を移す。
(『魔法名スケロー・・・この魔法を使うことで、対象を透けさせることができます。そうまったく見えず、触れることもできなくなってしまうのです。その利用方法は、様々で大きい物から、自分にも。
無限大の可能性を持った魔法といえるでしょう。ちなみに本誌がスケロー資格習得者に、何を透けさせているのか。というアンケートをとったところ、圧倒的な票数で一位は、異性の通行人の衣服(下着含む)。でした。
ついでにユニークな意見も1つ紹介しますと、嫌いなやつの衣服(下着含む)。でした。その理由は、辱めを与えたいからで、特にデート中を狙うのがもっとも効果的とのことでした。
このように、夢のような魔法ではありますが、それを習得するのは、かなり難関な道でもあります。
目安の習得勉強時間は10万時間。これはトップクラスの難易度を誇り、一生をかけても受からない人がいるほどで・・・』)
そこまで読み終えると、狩人の中に電撃が走る。
「フッフッフッフッ・・・これだ!!この魔法を使えばクエストがクリアできるっ!」
作戦を思いついた瞬間だった。