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プロローグ

自分とは一体何者なのか?人は誰しも生きてきて一度くらいは考えたことがあるだろう。

そして、自分は本当に自分の意志で生きているのだろうか?とも。


かつて古代の人々は、頭の中には小さな人が入っていて、外側にいる自分達を動かしているのだと考えていた。

それに対して現代に生きる僕たちは、人間は脳神経回路を走る電気信号によって自らの感情や行動を、自らの意思でコントロールしている事を知っている。


しかし、かつての人々の妄想じみた考えも、現代に生きる僕たちの知る事も、同時に説明している説があるのだ。

それを示したのが「脳の中の小人」という学説であり、別名「ペンフィールドの地図」とも言われる、

人間の脳の表面にある各感覚器官の分布を表した物である。

これはカナダの脳神経外科医ペンフィールドが発見したもので、その分布図を立体的に構築していくと、

実際の人の身体とは大きくかけ離れた小人の姿が浮かび上がってくるのだ。

頭が大きく、体は小さく貧弱。唇や舌が異様に大きくて、手の指も顔と同じくらいに大きくなっている。

その姿はまるで知性を感じさせない様に見える。

もしかすると、古代の人々が描いた頭の中に住まう小人もこんな風に気味の悪い姿をしていたのかも知れない。

そして、そんな小人のことをペンフィールド医師は「ホムンクルス」と呼んでいるのだ。


誰の頭の中にも潜む小人。


これは、人の意志とその無限の可能性が創りだすモノとの、誰にでも起こりうる、かも知れない物語なのだ。



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