「ゆきと・・・」
不思議な事が起きたその夜、いつものように1人で夕食を取りゲームをし、ベットに倒れ込む。
《スリーピングシステムを開始しますか?》
いつものように機械がそう言ってくる。
yes、と押さない限りこのシステムは作動しない。
雪刀はそれを鼻で笑い毛布を投げつけそのまま目を瞑った。
スリーピングシステム、政府が各家に配備し使用するように義務付け数十年
このシステムのお陰で人類の睡眠不足は解消され多くの開発、天才児を排出していったという
だが、雪刀にしてみれば嘘臭い、その一言だ。
嫌悪しつつ眠りにつく
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水の音がする
それ以外は無音でまるで別の空間にいるみたいだ。
目を開けるとキラキラと其処は光に反射をしている。
その方向に手を伸ばすと誰かに手を掴まれた。
優しくだけど温かい、そんな手だ
「ゆきと・・・ユギドラスに来て」
手と同じように優しい声で俺の名を呼び手を離す誰か・・・
その離れる手に力いっぱい手を伸ばすが届かない
「あなたをまってる・・・だから、それまでよ」
「待て!!」
声と同時に身体を起き上がらせると其処は何の変哲もない自分の部屋だった
カーテンから零れる疑似太陽の日差しと外から聞こえる大人や子供の声
呆然とし手を見ると汗ばんでいた
「あれは・・・」
夢にしては現実過ぎて気持ちが悪い
だけど、声の少女は暖かった。
フト、横にある時計を見ると08:00と映し出されていた
「ヤバッ!」
起きる時間が過ぎて慌てて起き上がり下へ降りて行く。
リビングにはいつものように誰にいなく昨日脱ぎ散らかした制服が転がっていた。
それを素早く履き其処ら辺にあったコンビニのパンを掴み家を飛び出した
「遅刻だ!!」
家の門を出て学校方向へ走る
その背後に怪しい影がある事は雪刀は知らない
ただ無邪気に学校へと向かって行くのであった
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