妹紅&慧音ルート4
慧音宅~
慧音「さて、今日はどうする?」
朝食を食べ終わった頃、慧音が俺達に尋ねる
実をいうと、今日は学校は休みらしい
という訳でいつもなら朝食を食べ終わるとすぐさま寺子屋に行くのだが、今日に限ってはやる事がないという状態なのだ
慧音はいつもなら本を読むらしいのだが、俺達がいるという事で何かしたいことはないかを訪ねている訳だ
陽「と言われてもなぁ……………買い物は黒音が全部済ませてるし
本を読もうにも………」
妹紅「私が柄じゃないし、慧音の持ってる本って何書いてるのかチンプンカンプンなんだよね」
慧音「そ、そうか?」
確かに、慧音の持ってる本は内容が堅いからなぁ……………俺にも何書いてるのかわからないんだよなぁ………
妹紅「そうだよ…………どこかに出かける、とかでもいいんじゃない?私たちならそこらの妖怪には負けないし」
慧音「ふむ…………偶には里の外に出るというのも悪くないかもな」
妹紅「でしょ?そうと決まれば早速行こうよ」
慧音「どこにだ?」
妹紅「………………陽達はどこに行きたい?」
目的地を決めていなかったようで俺達に話を振る妹紅
行きたい場所ね…………
陽鬼「私は陽について行くだけだよ」
月魅「同じく」
黒音「妾もじゃ」
どうやら3人は俺に付いてきてくれるようだ
ならどこに行こうか…………………
陽「……………ひまわり畑、かな
幽香の育ててる」
太陽の畑~
妹紅「という訳でやってきた訳なんだけど」
まさか俺の意見が一発で通るとは…………まぁ、ここは綺麗だし、見る分には幽香も許してくれるだろうな
人里に来る前も無断で入ったし
妹紅「しっかし…………相変わらず綺麗だね
どうやったらここまで綺麗なものを作れるのやら」
陽「そりゃあ丁寧に一本一本育て上げたんじゃないのか?」
妹紅「まぁ普通はそうなんだろうけど………………なんせあの風見悠香だからね………幻想郷の中でも屈指の実力を持ってる彼女がこれを育ててると考えると…………何かもの凄い育て方してる様にしか思えないんだよね」
妹紅の言いたいことも分かるけど…………花に関してはもの凄く優しいんだけどなぁ……………強いのは分かるけど
慧音「風見悠香も花を愛でる乙女という事さ
彼女だってすべてが嫌いって訳じゃないだろう
それならこんなに綺麗なものを育てようとは思わないさ」
妹紅「……………そういうものかな」
慧音「そういうものさ………しかし本当に見事なものだな、今はここまで咲く季節でもないだろうに」
陽「幽香が花の妖怪ってのもあるんだろうな
だから妖力が花に影響してるのかもしれない」
慧音「なるほどな」
向日葵を見ながら軽く話し合いをする俺達
妹紅「…………いないのかな?」
陽「……………だろうな、この場から動いてないとはいえ、全然気配を感じない辺りどこかに出かけてるのかもしれないな」
妹紅「まぁそれなら変に気を張らなくて済むからいいんだけどさ」
陽鬼「けどずっとここにいるのも無理だし移動しない?」
陽「そうだなぁ…………ならどこに行くべきか」
慧音「…………博麗神社とかどうだ?」
月魅「博麗神社、ですか?」
黒音「妾は行ったことがないから行ってみたいのじゃ」
陽「…………なら行くか」
次は博麗神社らしい
霊夢「で?何の用かしら」
慧音「いや、寺子屋が休みだから外出ついでに様子を見に来たんだ」
妹紅「慧音、別に霊夢は子供じゃないんだから…………」
霊夢「はぁ…………過保護なのも困りものね」
どうやら霊夢の様子を見に来ただけの様だ
確かに慧音は少々過保護かもしれない
まぁ、これも慧音なりの気遣いの仕方なんだろうけど
慧音「何を言うんだ、これもお前を心配しての事だぞ?」
霊夢「よくもまぁそこまで心配出来るわね………1週間に一回は来てるじゃないあんた…………」
週一は来すぎだろ
妹紅「慧音、そんな頻繁に行ってたの?」
慧音「確かに屈指の実力者の一人とはいえ、一人暮らしの人間というのは心配するだろう」
妹紅「そういえば今じゃすっかり忘れてたけど………私の家にも週一できてたな~慧音」
陽「まさか週一で一人暮らしで住んでる奴の家を回ってるのか……………?」
それはそれで恐ろしい事だが………
慧音「いや、単純に霊夢と妹紅が心配なだけだ
他の者の家には行ってないよ」
陽「週一で神社と妹紅の家通ってる時点でだいぶ凄いけどな」
最早通い妻に近いよな
なんて言葉は口にしたら頭突きが飛んできそうなので言わないでおこう
慧音「むぅ…………」
霊夢「ほら、元気な姿見せてあげたんだから早く帰りなさい
こっちはゆっくりするので忙しいのよ」
ゆっくりするのに忙しいというのはおかしいという事をツッコンだ方がいいのだろうか……………
慧音「そうか、まぁ何かあったら呼んでくれ
いつでも力になろう」
霊夢「その時は頼らせてもらうわ」
妹紅「それじゃあ次は…………ちょっと戻ってみようか」
小鈴「いらっしゃいませーって慧音さん達でしたか
今日も歴史の本でも買いに来たんですか?」
慧音「ついでだ
本命はただの気晴らしさ」
小鈴「あ、今日は寺子屋はお休みでしたね」
慧音「あぁ、だから色んなところを回ってるのさ」
和気藹々と二人が喋ってるのを軽く聞きながら何かないかと探す
といっても、外出身の俺じゃあ幻想郷の本はあんまり肌に合わなさそうだが…………何せ幻想郷自体が昔の時代の一部分をくり抜いて作られた世界だ
外の世界とは別の路線をたどった世界線だからな………正直昔の言葉なんて俺には読みづらいんだろうな
実際ほとんど読めないしな
妹紅「むっ………」
陽「妹紅どうした?」
突然妹紅がムッとした表情になる
妹紅「………いや、なんでもない」
そういいながら手に取っていた本を棚に戻す妹紅
今戻した本に何かあるのだろうか
そう思いながら俺は妹紅の戻した本を手に取る
陽「…………なるほど、そういう事か」
手にした本は有名な昔話の童謡だ
竹から出てきた姫がしばらく経ってから月に帰るという話だった
タイトルがタイトルだからな………まぁしかめっ面もするのはしょうがない………か?
陽「まぁ…………俺の読む話でもないか」
今手にとったその童謡は確かに外の世界の本だが、内容はタイトルを見ればほとんど言うことが出来るし、何よりこれは子供向けの本だから読みづらいのだ
平仮名が多く、簡単な漢字でさえルビを振っている様な本だ
流石にそれでは読みづらくてしょうがない
一応隣には元になった古文が偶然なのか理解してなのかは知らないが置いてある
しかし、古文の方だと解読しないといけなくなるが………生憎何がなんだか理解してないのだ
俺は頭のいい方じゃないからな、古文はダイレクトには読めん
陽「………はぁ」
それも手に取ることなく他の本はないかと探そうとする
陽鬼「陽?どうしたの?」
何かしようとしていたら本棚の影からひょこっと顔を出す陽鬼
陽「いや………別に大した事じゃない
俺って頭悪いなーってだけだ」
陽鬼「…………?」
首をかしげて何の事か分かってないような顔をしてる陽鬼
うん、お前はわからなくていいんだ
というか学校の成績とか嫌なもん思い出したな…………忘れよう、うん
と、1人嫌な思い出に浸っていると、誰かが俺の服を引っ張ってきた
黒音「主様主様」
どうやら黒音のようだ、その手には一冊の本を持っている
陽「どうした?」
黒音「この本が少し読めぬのじゃ
読みづらくてしょうがないのじゃ」
そう言った黒音の手には古そうな本が一冊握られていた
それを黒音から借りて中身をパラパラとめくってみる
陽「…………これは読みづらくてもしょうがない」
中身は漢文だった
しかも一文が長い、返り点とかそういうのも大量に配置されている
何でこれを読もうと思ったんだ黒音は
黒音「主様でも読めないのかの?」
陽「これは俺には読めないよ
俺の国の言葉じゃないからなぁ…………」
しみじみと俺は言う
自分で言ってるのに妙に哀愁が漂った事を感じ取ってしまったのは内緒だ
黒音「?」
陽鬼と同じように首をかしげる黒音
お前もそれでいいんだよ…………
というかさっきから俺の成績の思い出を集中的に狙われてる気がする
これ以上ここにいちゃ行けない気がするな………心が折れそうだ
月魅「マスター」
そんな時月魅が声をかけてきた
なんだろう、デジャヴの予感
月魅「この本を読んで欲しいのですが」
取り出したのは一冊の本
漢文でも無く古文でもない、俺でも読める様な小説だった
本の状態を見る限り比較的新しい物みたいだけど…………作りが外の本の小説っぽいな、流れてきたやつか?
ただ表紙がかかってないからタイトルまでしか確認できないのがあれだが…………とりあえずパラ読みしてみるか
そう思って俺は適当なページを開く
『男は女の唇に指を乗せ、そのまま首、肩と進んでいき着物に手をかける
「ダメだよ………誰かに見られちゃう」
女はそう答えるが男は構わず脱がしていく
女はそれによりすっかりーーー』
陽「って官脳小説じゃねぇかぁ!!」
勢いよく本を閉じる俺
まさかこんなのまで置いてあるとは………恐ろしいな………
陽「これは俺が返しておくから場所を教えてくれ………」
月魅「読んでください」
陽「いや、これは返すから」
月魅「読んでください」
陽「………いやだから」
月魅「読んでください」
こ、これは……………読んでくれるまで逃がさないつもりか?よく見たら目がすごい覚悟を決めた感じのそれだし
陽「……………慧音に読んでもらいなさい」
酷いとは思ったが慧音に読んでもらおうとすれば恐らくは慧音も俺の意図を理解してちゃんと説得してくれるだろう
もうこの方法しかないんだし……まぁ月魅には悪いがーーー
月魅「読んでください」
ーーー駄目だったよ、まさかここまで俺に読ませたがるとは
何だこれは、俺に対する嫌がらせかなにかなのだろうか
何か怒らせるような事したっけ………………
月魅「………………………」
陽「………………とりあえずいつか読んであげるから返してきなさい」
月魅「分かりました」
一応貸本屋だ、買う事は無いだろうがこうやって借りる事を前提にして返させれば…………まぁ何とかなるだろう………月魅には悪いがな…………
月魅「これお願いします」
小鈴「はーい…………ってえぇ///!?」
嘘だろ、今日から読ませる気なのか
流石にそれは予想外だぞ
今夜は月魅から逃げないといけないかな…………
小鈴も官脳小説なんて買う人なんて早々いなかったんだろう
顔が真っ赤になっている
小鈴「え、えーっと………に、2週間で返却をお願いします///」
月魅「分かりました」
慧音「お、目当てのものは見つかったみたいだな」
月魅「えぇ、まぁ」
一切表情を崩さず、月魅は慧音と喋っている
あんなの借りておいて表情を変えずにいられるなんて…………精神力がすごいのか俺がおかしいのか
妹紅「苦労してるね………」
今のを見てたのか気まずそうな顔をして言う妹紅
そんな事言うのなら手伝いが欲しかった
慧音宅〜
慧音「久しぶりにこういう事をするとやはり楽しいものだな」
妹紅「そうだね
まぁ行き場所に特に一貫性は無かったけどね」
陽「最終的に人里に戻ってるしな俺達」
妹紅「確かにね」
俺達は小鈴の貸本屋を後にして帰路に着く
帰ってからは俺と妹紅と慧音で他愛もない話をしている
陽鬼達は疲れきったのか帰ってくるなり寝てしまった
という訳で隣の部屋に寝かしてある
妹紅「けどさ、月魅が借りた本どうするつもりなの?読まなきゃいけないんでしょ?」
陽「…………それは言わないでくれ」
慧音「まぁ………あれには私も驚いたな………」
あの後どうやら月魅は慧音に自分の借りた本を見せたらしい
…………あれの話はまた後にしよう
後回しにしないとやってられない
月魅はたまに凄い行動力を発揮する時があるからなぁ………
慧音「さて、そろそろ晩御飯でも作るか」
妹紅「そうだね」
陽「なら俺は陽鬼達を起こしてくるよ」
慧音「あぁ」
さて……晩飯を食べたら風呂に入って寝るだけか
今日も…………疲れたなぁ…………




