咲夜ルート2
陽「…………っつぅ…………俺に何が起きた?」
記憶が確かなら…………黒音が入ってきて…………咲夜も入ってきたんだけど、そん時俺半裸で………気づいたらベッドの上…………っていうか顔と頭が痛すぎる…………
殴られたのか?咲夜に?良く見たら………壁の一部が凹んでるけど………あれ俺の顔の様な気もするな…………咲夜は人間だったと思うんだが…………
陽「……………まぁいいや、とりあえず起きるか…………ん?」
体を動かそうとしたら何かが腕と足にひっついてるのが解った
痛めている顔に鞭を打って手足を見てみると、右の手足に陽鬼と黒音がひっついていて
左足には月魅がいた
陽「……………ん?」
おかしい、数が合わない、三人ともいるが、俺は左腕にも重みを感じる………左腕の重みの正体を確かめる為に、ゆっくりと顔を左腕に向ける
そこにいたのは―――
フラン「すー…………すー…………」
陽「何だフランか…………って何でだ!!」
え!?フラン!?何で此処にいんだってか何で寝てんだ!?
俺の知る限りじゃフランは俺の部屋にはいなかったよな!?あれか!?気絶してる間に来たのか!?だとしたら俺は何時間眠ってたんだ!?
咲夜「あら?起きたの?」
俺が困惑してる間に咲夜が何時のまにか部屋に入ってきてたようだ
陽「『起きたの?』じゃねーよ!!何でフランがここにいるんだ!?」
咲夜「簡単よ
貴方が気絶した後に妹様がタイミング良く此処に来て『私も、陽と一緒にいる!』と言って寝てしまったのよ」
本当に簡単だな!!
ちょっとびっくりしたぞ!!
陽「…………で、そのトレーに乗ってるものは?」
咲夜「お粥よ
卵と梅を入れてあるわ」
陽「また消化に優しいものを作るなお前は」
咲夜「怪我してるし、食べやすい方がいいでしょ?それより動ける?」
怪我したのはお前が殴ったからだ
とか言ったら負けなんだろうなと思いつつ、俺は片手には吸血鬼、もう片方には鬼という状態で腕が動くか確かめた
陽「…………がっちり決められてるな、全く動かない」
まさか、寝てる間に技をかけてくるとは思わなかったが…………ってかくそいてぇ
咲夜「しょうがないわね…………ほら、あーん」
俺の腕が動かない事が解った咲夜はスプーンでお粥を掬って、俺の口まで持っていく
陽「…………咲夜?」
咲夜「早く食べなさいよ、冷めちゃうでしょ?」
腕を俺の方にのばしながら応答する咲夜
このままでは咲夜に悪いし…………ちょい恥ずかしいが、我慢するか………
陽「あーん…………ん」
咲夜「どう?美味しい?」
陽「あぁ…………美味しいよ
ほんと咲夜って料理美味いよな」
咲夜「褒めても何も出ないわよ」
陽「へいへい……………ところで今は何時だ?」
咲夜「もう夜ね
貴方多分五時間以上は寝てたのではないのかしら」
陽「結構寝てんだなぁ…………こいつらも起きる気配無いみたいだし…………」
咲夜「そうね、もうちょっと早く起きれなかったのかしら?」
一体誰のせいだと…………まぁ怒る気力もないし別にいいか…………
陽「他の皆は?」
咲夜「パチュリー様と小悪魔はいつも通り図書館にいるわ
お嬢様はまだ起きてらっしゃるけど、もうすぐお休みになられるわ
美鈴はいつも通り門番の仕事よ」
陽「そうか…………結局寝るだけになったな…………」
咲夜「………まぁ私が殴ったのが原因なのは明白だし、明日はつきっきりで仕事教えてあげるわ」
陽「それは助かるな」
咲夜「とりあえず今日は寝なさい
明日起こしてあげるから」
陽「解った……」
咲夜「それじゃお休みなさい………」
それを最後に咲夜は部屋から出ていく
俺もやることがないので寝るとしよう…………
夢を見た
目の前には赤毛の鬼の女の子がいて
俺にちょこちょこついてまわってる夢
俺は尋ねた
『何でお前は俺についてくるんだ?
怪我は治ったんだから元の場所に帰ればいいのに』
女の子は言った
『私は貴方の傍にいる
私にはもう親も力も無くなった
そして死にかけた私を貴方は助けてくれた
私からすればそれは一生を使って返す義理がある
私は小さい頃にそれを教わった』
そのセリフの一部に疑問を持った俺はまた訪ねた
『小さい頃も何もお前は見つけた時から小さかったぞ?』
それに対し女の子は答える
『私は太陽と同じ様な炎を持っていたの
けど、今は力を失って体が縮んでいる
生きながらえる為に私は無意識下で貴方の力を―――』
「………なさい、…………よ………さい!」
陽「んー……………」
咲夜「起きなさい!!陽!!」
陽「…………咲夜?」
咲夜「いつまで寝てるつもり?もう朝よ!」
陽「あ、あぁ…………悪い…………」
何か不思議な夢を見た気がするけど…………気のせいか?
咲夜「まず貴方の仕事だけど…………妖精メイドの管理
陽鬼は地下室の荷物の整理を妖精メイド数人と共にやって頂戴
月魅はキッチンの整備を頼むわね」
咲夜がテキパキ仕事の分担を決めていく
黒音「妾はどうしたら良いのじゃ?」
咲夜「料理を頼むわね
メイドとしてのカンだけど貴方は料理出来そうな気がするのよ」
黒音「確かに嗜んではおったがの…………まぁ言われたからにはやるのみじゃ」
咲夜「何か質問はある?」
陽「妖精メイドの管理って具体的にどうしたらいいんだ?」
咲夜「館内を彷徨いてサボってたりトラブルを起こしてないか見て欲しいのよ」
陽「解った」
咲夜「それじゃよろしくね」
かくして、紅魔館の仕事第一日目が始まった―――
数時間後~
陽・鬼・月・黒「「「「…………………………」」」」
はっきり言おう
―――疲れた
黒音は咲夜と共に料理をしていたらしいが量が尋常ではなかったらしい
陽鬼は途中でへばった妖精メイドの分も運んだ為という
月魅はキッチンの整備をしていたのはいいが、かなり大型のモノだったらしく精神的に参ってる
そして俺は……………殆ど走っていた
なにせ紅魔館は馬鹿でかいのである
見て回るには時間が幾らあっても足りなかった
しかも行く先々でトラブルにあっていた………
妖精メイドが階段で落とした瓶が頭の上に当たったり、妖精メイドがコケて俺の足が妖精メイドの頭の下敷きになったり
フランに追いかけ回されたり…………あまりにも多いので割愛しよう
咲夜「何へばってるの?まだ休憩時間なだけよ?」
なぜ吸血鬼の黒音や鬼の陽鬼がへばっているのにこいつはシャキッとしているのだろうか
本当に人間か?
咲夜「私はれっきとした人間
こういうのは慣れよ」
慣れで何とかなるのなら楽だろうな…………いつもはこれ全部咲夜がやってるらしい…………能力併用したら確かに出来そうではあるが…………
咲夜「そうね、確かにいつもは能力使ってたからその分は楽になったのかしら?」
…………さっきから考えが読まれてるけど…………そんなに分かり易いか?俺は
鬼・月・黒・咲「「「「かなり分かり易いよ/です/のじゃ/わね」」」」
………………まさかの全員と来たか
陽「……………後休憩時間何分だ?」
咲夜「三十分だと思うわ」
陽「そうか……………後それだけなのか…………………」
咲夜「何心底がっかりしたような顔してるのよ」
陽「いや、まだ昼なんだよな……………って思って」
咲夜「そうね、確かに昼だわ……………あ、そうそうこの子やっぱり料理上手よ、ウチで雇いたいくらい」
陽「へぇ…………咲夜がそこまで言うなんて、相当なんだな」
黒音「主様に………褒められるのは素直に嬉しいのじゃぁ~……………」
ぐてーっとテーブルにもたれかかりながら会話をする俺達
咲夜「とりあえず、後23分だから夕食までには生き残りなさいよ」
陽「あぁ……………」
その時俺はこの時に………いや、この間の会話で感じた違和感に気づかなかった
咲夜が一度も時間確認をしなかった事に―――
咲夜「さぁ、夕食の時間よ」
陽「ふぅ…………いただきます」
今は皆が寝静まった様な時間
仕事の都合があり、陽鬼達と共に遅れた夕食を取っている
疲れきった体に濃い食べ物は入らないだろうという黒音と咲夜の配慮により、薄味のスープと簡単なサンドイッチを食べている
陽「ふぅ…………やっと終わったな…………」
咲夜「まだ一日目よ
これくらいで疲れてもらっては困るわね」
陽「けどなぁ…………これは流石にハードすぎやしないか?お前の体が心配になってきたよ」
咲夜「貴方に心配されるほど落ちぶれてはないわ」
陽「確かに長年従者やってたお前からしたら俺はまだ初日に始めたばかりの素人だけどさ…………」
咲夜「とりあえず早く寝なさい
明日も早いんだから」
陽「あぁ、解ったよ…………このスープを飲みきったらな…………」
咲夜「分かってるならいいわ
………………それと」
陽「ん?」
急に咲夜が真剣な顔になってこちらを見る
咲夜「最近ここを彷徨く男がいるみたいだけど、見かけたら絶対に私を呼びなさい」
と言いながら咲夜が鈴を手に取り俺の目の前に置く
陽「これは?」
咲夜「お嬢様も使ってる私を呼ぶ為の鈴よ
それを使ったら私が一目散に飛んでこれるようになるから
けど、絶対にそいつと会ったとき以外に使わないでよ
もし使ったら………………」
陽「……………どうなるんだ?」
顔を俯かせる咲夜に俺は恐る恐る尋ねる
咲夜「男としての尊厳を奪い取っ……………なんでもないわ」
…………絶対にやらないでおこう
俺は心に誓うのであった
咲夜「食べ終わったみたいだし、片付けるわね」
陽「あ、あぁ……………」
さっきまでの雰囲気とうって変わって何事もなかったかのように皿を片付けていく咲夜
その冷静ぶりが逆に恐ろしさを引き立てていた
咲夜「………何よその反応は」
陽「うぐっ………」
やはり読まれていた………というか流石にあんな反応したら誰でもわかるか…………
咲夜「安心しなさい、流石にそこまで酷い事はしないわよ…………………多分ね」
陽「おい最後何つった」
俺の耳がおかしくなっていなければ最後に多分と言った筈なんだが…………
咲夜「………ふふっ、本当にからかいがいがあるわね」
陽「……………はぁ」
どうやら弄ばれていたようだ…………まったく、何とかならないのか
咲夜「さて、あなたを弄るのもここ迄にして………後は私が全部やっておくから貴方達はもう寝なさい」
陽「んじゃ、お言葉に甘えて…………行くぞ、三人とも」
鬼・月・黒「「「了解/です/なのじゃ」」」
早く寝て明日に備えるとするか……………
紅魔館・主の部屋~
レミリア「…………咲夜、いるかしら?」
咲夜「此処に」
レミリア「今日は来なかったが…………あいつが来た時は……………分かっているな?」
咲夜「はい……………此処に手を出した事を後悔させる間もなく…………殺してみます」
レミリア「あいつは確かに強い……………気をつけていきなさい」
咲夜「……………はい」
次の日~
今日はちゃんと自分で起きれた俺は早速仕事に取り掛かることにした
妖精メイド「あわわわわわ!!」
陽「ほら、こんなデカイ花瓶一人で運ぼうとするなよ
こういう時は誰かに頼め、いいな?」
妖精メイド「は、はい!!」
ある時は一人では持てなさそうな物を持った妖精メイドを助けたり
妖精メイドA「そっちがぶつかってきたんでしょ!!」
妖精メイドB「あなたが先よ!!」
陽「こら、何喧嘩してるんだお前ら」
またある時は争いを沈めたり
フラン「陽!!見つけたよ!!遊ぼう!!」
陽「今仕事中………って弾幕飛ばすな!!話を聞け!!」
フラン「禁忌[レーヴァテイン]!!」
陽「それは洒落にならんぞ!?」
またある時はフランから逃げ回ったり………これ仕事と関係ないよな、多分
レミリア「陽、お茶」
陽「今仕事中だから………………何故カップを渡す」
レミリア「私は主よ?」
陽「職権乱用ってこの事か…………」
更にまたある時はレミリアのお茶の相手をしたり………
仕事っちゃあ仕事…………でいいのか?
とりあえずこうして毎日を過ごしていくのであった………………
次回、陽のスペルが増えます




