パチュリー&小悪魔ルート4
陽「はぁ………………………」
黒音「…………はかどらんみたいじゃな」
陽「あぁ…………………」
あれから数日
魔法を覚えようとしていた俺はまったく覚えきれてなかった
色んな属性の魔法を試してみたが、やはり電気以上に使える属性がなかった…………………………
だが、電気と同じ位に扱える属性ならあった
闇属性である
これはパチュリーに教えてもらった事だが、闇属性と聖属性の2つは本来の属性は他の属性と扱いが違うらしいので、普通ならこのどちらかの2つが扱えたなら、他は扱えないのが普通らしいが…………………何故か俺には扱えた
その理由をパチュリーに尋ねてみたらこう帰ってきた
パチュリー「あのスペルのせいで闇属性に少し耐性ができたんだと思うわ」
小悪魔「本来闇属性の魔法は闇にある程度耐えれる人物でしか扱える代物なんです
例を上げるとしたら
魔界人、私の様な悪魔、それにお嬢様達の様な吸血鬼等が分かり易いかもしれません」
と、小悪魔が付け足す様に説明してくれた
要するに、本来人間や普通の魔法使いには使えない筈の魔法があのスペルカードのせいで使える様になるほど体を変えられた、ということらしい
だが、そうであっても―――
陽「ちゃんと扱えるかは別なんだよなぁ…………………」
黒音「焦っていてもしょうがないじゃろ」
陽「確かにそうだけどさ………………」
黒音「一旦、頭を休めてみるといいのじゃ
ほれ、簡単な料理を作ってみたのじゃ」
そう言って黒音は目の前にオムレツを置いた
陽「お、美味そうだな………………………」
とりあえず、スプーンですくって口に運んでみる
黒音「………………どうじゃ?」
口に運び、ゆっくり咀嚼した後、黒音が少し心配した様な表情で聞いてくる
陽「…………………美味い、物凄く美味い」
黒音「……………!そうか、美味しいか!」
聞いた途端に顔を満面の笑みにして喜んでいる黒音
その反応が可愛かったので―――
陽「おぅ、美味いぞ〜」
黒音「主様!?何故頭を撫でるのじゃ!?」
陽「いや、俺が撫でたいだけだ………………よしよしっと」
黒音「な、撫でるのを止めるのじゃ!!」
余りにも反応が可愛かったので、調子に乗って更に撫で回していく(頭を)
すると頭に鈍器で殴られたかのような鈍痛が襲いかかる
陽「がふっ!?」
パチュリー「…………………何をしているのかしら?」
犯人はパチュリーだった
見てみたら手には辞書位の太さのある本を持っており、恐らくそれで殴ったのだろう
陽「黒音の頭を撫でてただけじゃないか…………………………そしてその辞書並に太い本で殴らないでくれ………………地味に痛いんだからさ」
パチュリー「…………………殴られる方が悪いのよ、………………………私にもしてくれたって…………………」
陽「ん?何か言ったか?」
パチュリー「な、何でもないわ」
黒音「…………………ふむ、主様…………ちと話が」
陽「ん?何だ?」
黒音「ここではなんじゃから、少し向こうに………………」
陽「………………?」
陽「で、話ってなんだ?」
パチュリー「単刀直入に言わせてもらうとするかの……………………パチュリーの頭を撫でてやるのじゃ」
陽「………………………ゑ?」
黒音「妾が撫でているところを見て頭を殴ったという事は、恐らく嫉妬したんじゃ…………………『何故自分は撫でずに他の女子を撫でるのか』とな」
陽「…………………えっ?まさか殴ったのはそんな事が理由だったのか?」
黒音「主様にはそんな事でも本人には大事な事なのじゃ」
陽「……………そうだよな
本人は至って真剣なんだよな…………………そうだな、とりあえず機嫌を治して貰うために撫でるか……………」
黒音「まぁ、感謝はした方が良いぞ、魔法を一番教えているのは彼女なのじゃから」
陽「そうだな…………………よく考えてみたらパチュリーが一番頑張ってたんだよな―――」
陽「なぁパチュリー」
パチュリー「あら?何の用かしら」
あちゃーやっぱり怒ってるな…………………
っていうか残ってた飯全部食われてる………………
陽「いや、さ、いつもお前に迷惑かけてたなぁーって思ってさ」
パチュリー「…………………と、突然何言い出すのよ」
と言いながらそっぽを向くパチュリー
……………不覚にも可愛いと思った
陽「だから…………ありがとう言いたくてな」
そう言いながら頭を撫でる俺
少しぼーっとしていたが不意に撫でられてるのに気がついたのか
パチュリー「な、何やってるのよ!?///」
陽「何って……………頭を撫でてるんだが?」
パチュリー「そんなの見たら分かるわよ!!」
陽「嫌か?」
パチュリー「えっ………………あ、い、嫌じゃない………………」
陽「なら撫でる」
パチュリー「………………///」
黒音「……………………っ(何故………………こんなに胸が締めつけられるのじゃろうか………………)」
パチュリーは顔を真っ赤にしながらうつむいており、俺は苦笑しながら撫でるのを続ける
そしてこの時は気づかなかったが、黒音が少し悲しそうな顔になりながら向こうから見ていた
ちゃんとした魔法を覚えるのは…………………まだ先になりそうだ
紅魔館・主の部屋~
レミリア「…………………貴方が訪ねるのは滅多にないけれど、歓迎するわよ、パチェ」
パチュリー「………………ちょっと相談があるのよ」
レミリア「相談?貴方が珍しいわね?」
私、レミリア・スカーレットは部屋でゆっくりしていたところだった………………突然、私の友人パチュリー・ノーレッジ…………彼女が訪ねてきたわ
唯でさえ私の部屋には咲夜以外人が来ないというのに…………パチェが来るなんて初めての事じゃないかしら?
それに、此処に来た理由が私に相談したい事があるらしい…………………普段は逆なのに…………彼女に何かあったのかしら?
パチュリー「えぇ、確かに珍しいわね……………………それで話っていうのは陽の事なのだけれど……………」
レミリア「陽?彼が何かしたのかしら?」
パチュリー「何かしたと言うか………………したと言ったらしたのだけれど、それとは関係ないと言うか…………………」
顔を赤く染めながら私の友人は珍しい事に歯切れ悪く喋っていた…………
それで一つだけ確信した事があった
レミリア「パチェ……………貴方に一つだけ言う事が解ったわ」
パチュリー「………………?何かしら?」
レミリア「貴方……………陽に惚れてるのよ」
パチュリー「………………え?」
キョトンとした顔でこちらを向くパチェ
仕方ないからため息を短く吐き出し、再び告げる
レミリア「だから……………貴方、陽に惚れてるのよ………………you love tukikazeyou」
パチュリー「何故英語にしたのかしら…………………」
貴方が理解しやすい様に言ったって言ったら反論をムキになって返されそうだから言わないでおこうかしら
パチュリー「それで?私が惚れてる?何を根拠にそんな事言うのかしら」
レミリア「……………貴方、陽の近くにいると自分に何が起こってるか客観的に見れるかしら?」
パチュリー「客観的に…………?
そのくらい出来るわ……………………まず、他の女と女といちゃついてると何故か腹が立ってるわ
それに触られた時とか少し動悸がするわね
後は………………」
レミリア「……………あー、もう良いわ
よく分かったから」
パチュリー「あら、もういいの?」
レミリア「貴方、その情報があって何で惚れてる事を否定するのかしら…………………」
パチュリー「否定も何も私は……………………」
レミリア「……………はぁ
他の女といちゃついてると腹が立つのは、貴方が嫉妬しているから!
触られた時に動悸がするのは貴方が陽に好意を抱いているから!
他に反論するなら聞いてやってもいいわよ!?」
つい声を荒げてしまったけど、流石に此処まで言えばパチェも理解するでしょ……………この魔女は
パチュリー「…………………わ、私は―――レミリア「ていっ!」痛っ!何するのよ!?」
何かグダグダ言いそうになっていたので即座にデコピンを食らわせる
パチュリー「…………………わ、私は―――レミリア「ていっ!」痛っ!何するのよ!?」
何かグダグダ言いそうになっていたので即座にデコピンを食らわせる
レミリア「グダグダ言ってる暇があるなら!さっさと!告りに!行け!!」
そう言いながら私はそのままパチェを部屋の外へ追いやった
パチュリー「ちょっと!!何を―――」
そしてそのドアを閉めた
レミリア「はぁ…………………………まったくパチェったら………………いつも理屈っぽいのよ………………」
まぁ、あれくらい理屈っぽくなければ私の友人はやっていけないわね
パチュリー「はぁ……………レミィったらいつも強引なのよ……………」
まぁ、あれくらい強引にしてくれないと紅魔館の主はやっていけないかしらね…………………
パチュリー「それにしても……………これからどうしようかしら………」
レミィは恐らく入れてくれないわね………………咲夜にしても仕事の邪魔はしたくないわ
やっぱり図書館かしら……………でも―――
パチュリー「あんな飛び出し方しちゃったら顔を合わせづらい………………」
あそこには今陽が居る筈だし……………怒ってるかしら……………怒ってるわよね……………当然よ、いきなりあんな飛び出し方しちゃったら折角褒めてくれてたのに逃げちゃった様なものだもの…………………………
けど、彼なら怒ってないかもしれない
もしかしたら笑って受け入れてくれるかもしれない
…………………………けど、もし、受け入れてもらえなかったら?
また、昔外にいた時と同じ様に受け入れてくれなかったら?
魔女狩りの事を本気で信じてる……………あの人達みたいに拒絶してきたら?
そんなマイナス思考が頭の中でぐるぐると回り出す
彼なら大丈夫だとは理解してる
けど一旦始まったものは止まらなくなる
私は無意識の内にその場に座り込み、自分の肩を抱いていた
自分では気がつかなかったが、かなり体が震えていて、顔も青ざめていた事だろう
『受け入れてくれない』その考えが自分にとっての真実になりかけたそのとき―――
陽「パチュリー!?」
パチュリー「……………えっ?陽?」
そこには陽がいた
図書館にいる筈の彼がどうして此処にいるのか、今の私の思考では考えつかない状態だった
けど、彼が視界に入った瞬間に目からは涙が溢れてきた
その涙は私でも何がなんだか解らなかった
パチュリー「えっ……………あれ?何で私泣いて………………」
陽「パチュリー………………」
私の名前を呼びながら彼は私を抱き寄せる
いつもなら赤面して直ぐに突き飛ばす様なものなのに私はそれを今回は受け入れていた
陽「落ち着け………………何で泣いてるのか知らないけれどここじゃあなんだし、一旦図書館に戻るぞ」
パチュリー「うん……………………解ったわ」
私は陽におんぶされたまま、図書館へと運ばれていったのであった
紅魔館・大図書館~
陽「…………泣きやんだか?」
パチュリー「…………えぇ、ありがとう」
俺はレミリアの部屋の前で泣いていたパチュリーをおぶって図書館まで連れ戻した
いきなり赤面して出ていったかと思えば…………何故かレミリアの部屋の前で泣いていた、というわけだ
レミリアの部屋の前で泣いていたとはいえ、レミリアが親友のパチュリーを泣かせる事は絶対に無いと俺は確信している
と言うことはパチュリー自身の問題なのだろうが………………あまりプライバシーに関わる事は聞きたくないのでどうしたもんかと少し困っている
パチュリー「聞きたい?泣いてた理由」
陽「えっ?…………いや、パチュリーが話したくないなら俺は聞かないつもりだが?」
パチュリー「良いわ…………前来た時には話せてなかったし、折角だから話しましょう」
そしてパチュリーは自分の過去を俺に話した……………
パチュリー「どう?こんなつまらない事にトラウマを持ってしまった魔女の末路よ」
陽「……………」
パチュリー「滑稽よね、普段は平然としてるのに、実はこんな事で簡単に心が折れてたのよ」
陽「……………」
パチュリー「だから別に何か異常があるとか、そんな心配はしなくていいわ」
そうやって自虐する彼女の頭に、俺は無言で手を置いた
パチュリー「………………えっ?」
陽「俺からしてみたら、お前も女の子だった
って事ぐらいしか解らなかったがな
……………………自分をそんなに虐めるな
そんなのは誰でも心に傷がつくし、自虐する必要はないんだ」
そのまま頭を撫でてやる俺
小悪魔「そうですよパチュリー様」
パチュリー「小悪魔………………」
小悪魔「陽さんは貴女のご友人です
お嬢様も、咲夜さんや、美鈴さん、妹様だって…………紅魔館の皆が貴女の味方です
もし、今の貴女を笑う者がいたら恐らく全員が怒ると思います」
パチュリー「………………」
小悪魔「だから、一度皆に話してみましょう、心が多少楽になるかもしれませんよ?」
パチュリー「………………けど―――」
ツキカゼ「滑稽だな、傷の舐め合いでもしているのか?」
陽「!?」
パチュリー「誰かしら?私達に気付かれずに此処に入るなんて……………一体何者なのかしら」
ツキカゼ「……………ふん、とりあえず手土産でも渡してやろう」
そう言っていきなり現れたあいつは手元から何かを取り出し2つ投げ捨てた
その2つは―――
陽「っ!?陽鬼!月魅!!大丈夫か!」
陽鬼と月魅だった
二人ともボロボロになっており、気絶していた
パチュリー「物音一つたてずにこの子達を倒したっていうの……………?そんな事出来るはずが……………」
ツキカゼ「これで貴様は彼女達の力を借りる事は出来なくなった…………さて、どうする?」
陽「………………」
まだ…………彼女、黒音がいる
力を合わせれば何とかいけるかもしれない……………さて、どうする?




