小悪魔&パチュリールート3
前回の勉強会があった次の日
俺はパチュリーに再び魔法を習うことになった
パチュリー曰く、『流石に勉強をちょっとでもしたんだから多少は出来ていないと困る』らしい
という訳で、図書館の広いから場所に移動し、再開
陽「………………っ」
パチュリー「あら…………雷にしたのね」
黒音「いや、そもそも何故最初に炎持ってきたんじゃ」
パチュリー「だって陽は妖力とはいえ炎使うじゃない」
陽鬼「いや………妖力と魔力は違うでしょ
それに炎というか太陽のそれに近いし」
パチュリー「一応よ、一応
っていうか、それを炎って言うんじゃない?」
陽鬼「………………あっ、確かに」
陽「お前らうるさいんだけど!?」
人が集中してる中で横でぺちゃくちゃ話されたら凄く迷惑なんだよな
俺の魔法の属性は後で俺に聞けばいいのに、今聞く必要あるのかなそれ
パチュリー「……………………?ごめんなさい、電気の音で全く聞き取れなかったわ」
陽「…………マジで?」
作動中の魔法を『解かずに』パチュリーに聞いてみる
パチュリー「えぇ、本当よ」
パチュリーはちゃんと返事を返してくれた
陽「お前聞こえてんじゃねぇか!」
パチュリー「…………?」
パチュリーはまた『何を言ってるのか聞こえない』という仕草を取っていた
陽「もう意味ねぇよ…………」
パチュリー「…………まぁ冗談はさておき、貴方昨日の今日でだいぶ上手くなったわね
属性の相性が良かったのかしら?」
陽「俺に聞かれてもな…………」
そう、俺はずっと喋りながら魔法を発動させていた
おかげで耳横でバチバチなりながらの会話だから割と聞きづらかったりする
黒音「それもあるじゃろうな
しかし………」
パチュリー「………直感タイプのそれも含まれてる訳だからこうなっているのね
まぁ、納得出来る話ではあるわ(それでもまだまだ魔法と呼べるレベルじゃないけれど)」
『貴方やっぱり素質があるのよ』
と付け加えてパチュリーは俺の近くまで来る
パチュリー「さて…………魔力を体の一部分から出せているから次はそれを放つ様にしなければならないのだけれど………ちょっと待ってなさい」
そう言うとパチュリーは小言で何かを呟く、すると天井に魔法陣が何枚も浮かび上がる
パチュリー「あそこに撃ちなさい、あれなら多少の事では壊れなくなってる筈だから」
陽「解った、やって見る」
という訳で電気と化した魔力の塊を天井の魔法陣に向けて放つ準備をする
陽「…………っ!」
撃ち出すイメージをした後、一気に魔力を放出する
しかし―――
陽「…………あれ?」
撃ち出した瞬間、空気中で霧散してしまった
パチュリー「……………暴発しなかっただけましだけど…………やっぱり遠距離の魔法は貴方苦手なのかしら
こういうのって失敗するときは大体暴発するのがセオリーなのだけど」
黒音「むぅ………………」
月魅「まぁ、マスターに怪我が無くて良かったです」
陽鬼「そうだね、失敗だけどさっきよりはマシになってるんだろうし」
陽「………?どうした黒音?」
何やら黒音が難しい顔で額に手を当てて考え事をしている様なので気になって訪ねてみた
黒音「………そうじゃ、主様
1回あれを使ってみたらどうじゃ?」
陽「あれ?」
黒音「ほら、あれじゃ
妾を復活させる為に使った―――」
黒音がそこまで言いかけた所で陽鬼と月魅が黒音の口を塞いだ
そして向こうに連れていってしまった
陽鬼「ちょっと!陽に一つ前の事象教えないでよ!」
黒音「だ、駄目だったのかの?」
月魅「今のマスターは美鈴とのことはすっかり忘れています
あまり記憶を掘り返させる様な事はしないで下さい」
黒音「す、すまんかった
しかし、あのスペルカードとやらがあれば…………主様の力になりそうな気がしての」
月魅「というと?」
黒音「予感じゃ…………………ただの、な」
陽鬼「魔法を使う者としての勘?」
黒音「そうとってもらっても構わんぞ」
月魅「しかし、あれは貴方を復活させるために闇を消費させましたが、まだ闇が大量に残ってる筈ですが?まさかそのまま使わせる気ですか?」
黒音「流石に何かを挟まないといけないのは解っておるんじゃがな、一度試して見るのもありかと思うのじゃ」
陽鬼「けど……………もし闇に飲み込まれたりしたらどうなるのさ
悪くなるってだけは勘弁だよ?」
黒音「………………一瞬じゃが、あの闇が流れたこんだ時に妾は、わかったのじゃ……………あれは負の感情と、正の感情が入り混じった混成の闇じゃとな」
月魅「混成の闇?」
陽鬼「闇って負の感情でしか出来ないんじゃなかったの?」
黒音「まぁ普通はそうなのじゃが……………負の感情の闇は説明はいらぬじゃろうが、正の感情の闇について説明せねばならんな」
陽鬼「正の感情の闇?」
黒音「うむ、そうじゃの………………お主ら、正の感情と言ったら何が思い浮かぶ?」
月魅「………………やはり喜びや楽しみ等ではないでしょうか」
黒音「そうじゃの、しかしそれが絶対の光ではない、と言って解るかの?」
月魅「……………なるほど、理解しました」
陽鬼「えっ?どういう事?」
月魅「では解り易く言いましょう………………快楽殺人者はどうして殺人などするのか解りますか?」
陽鬼「そりゃ自分が人を殺すのが楽しいからでしょ?」月魅「そうですね、『楽しい』から人殺しをするんですよね」
陽鬼「……………あ、そういう事か」
月魅「解りましたか?」
陽鬼「ばっちりね」
黒音「とまぁ少し話がずれたが、あのスペルカードにはそれが入っていたというわけじゃ」
陽鬼「なるほどね………………で、何で入ってたら良いのさ?」
黒音「……………普通の闇なら安定はしづらいのじゃが、正の感情の闇なら元が正の感情なだけに安定しやすいんじゃよ」
陽鬼「解ったからそんな目で見るの止めて」
黒音「まぁそういう理由なのじゃ」
月魅「なるほど…………まぁ、理由は解りました」
黒音「納得してくれて何よりじゃ、それでは主様の所に戻るのじゃ」
鬼・月「「了解」」
陽「話は終わったか?」
黒音「待たせてすまんかったの、もう大丈夫じゃ」
月魅「申し訳ありません、マスター」
陽鬼「ちょっとね~」
いきなりどこか行ったかと思ったらしばらく向こうで話をしていてそれが終わったのかは知らないけれど三人とも戻ってきた………………しかし、目の前で内緒の話をされると若干仲間外れにされた様な気がしてちょっと心が痛いな
陽「………………あっ、そう言えば黒音が言ってたのってこれの事か?」
俺はポケットからスペルを1枚取り出して黒音に見せる
黒音「おぉ、そうじゃそれのことじゃ」
陽「お前の復活に使った奴が使えるなんて何か偶然とは思えないなぁ」
陽鬼「っ!?もう一回緊急会議!」
月魅「黒音、ちょっとこっちへ」
黒音「なんじゃなんじゃ!?」
陽「えっ、ちょ、お前ら………………」
また取り残された俺であった
陽鬼「何で陽が黒音を復活させた事覚えているのさ!?」
月魅「私にも解りませんよ……………もしかして特異点としての力が戻ってきたのでは?」
陽鬼「だよねぇ……………けどさ、おかしくない?」
月魅「と言うと?」
陽鬼「戻ったんだったら多少なりとも美鈴との記憶が戻ってると思うんだ………………けど今はパチュリーと一緒にいるじゃん
だから記憶の噛み合わない所が出てくる筈なんだけど……………」
黒音「今はそれが感じられぬ、というわけじゃな」
陽鬼「うん、けど、黒音を復活させた所を覚えてもそれは起こる筈なんだけどねぇ……………」
月魅「……………………今は気にしないで起きましょう
それが起きた場合、随時対処していくことにしましょう」
陽鬼「………………そうだね」
黒音「では主様の所に戻るとするかの」
陽「………………おっ、戻ってきた」
これでもう一回ハブられるようなら多分俺は拗ねるぞ
陽「話し合いは終わったか?」
陽鬼「終わったよ~、無事に全部終了したから」
陽「それは良かった
で、黒音が言ってたこのスペルはどう使えばいいんだ?」
さっきから全然話が進んでないが…………ややっと進めるな
黒音「どう…………………使うんじゃろうな」
いざ使い方を聞いてみたら、目を逸らしながら苦笑いで答える黒音
黒音「いや、なんとなくそれが使える様な気がしての……………別に嘘を言った訳じゃないのじゃ」
陽「いや、嘘じゃないって事は解るんだが…………………使い方が解らないとなるとなぁ……………」
パチュリー「なら、一度使ってみるのも一つの手かもしれないわよ?」
陽「スペルを使うったってなぁ……………このスペルはまだ名前すら出てないぞ?
宣言しようにも肝心の宣言が出来ないじゃないか」
パチュリー「そうね……………………それが彼女を復活させた代物なら、それをもう一度彼女に使ってみるのも手じゃないかしら」
陽「使うったってなぁ……………………どうすればいいのかさっぱり何だけど?」
パチュリー「何よ、貴方どうやってこの子治したのよ?」
陽「そりゃお前…………………あれ?なんだっけ」
パチュリー「覚えてないの?」
陽「俺じゃないのは解ってるんだが…………」
小悪魔「パチュリー様じゃないんですか?」
陽鬼「あれ?小悪魔、いつからいたの?」
小悪魔「さっきからいましたよ……………咲夜さんにお茶をもらいに行ってました」
パチュリー「私じゃないわよ?」
陽「…………………?」
どうにも謎が残ってしまった
俺ではない事は解るが、パチュリーでもないとなると一体誰が黒音を復活させたのだろうか
黒音「ま、まぁその話はとりあえず置いておくのじゃ
とりあえず妾がそれを持ってみたら何かが変わるやもしれんぞ?」
陽「あ、あぁ………………解った」
何か話を逸らされた気がするが
まぁ気にしてもしょうがないか…………………………
とりあえず黒音に例の真っ黒なスペルカードもどきを手渡す
陽「どうだ?何か変わったか?」
黒音「むぅ…………………別段変わった部分は何も―――」
黒音が言葉をいい終える前に突然スペカもどきが鈍い光を発した
そしてその光が消えるとスペカもどきはその姿を変えてところどころ模様が見えるようになっていた
狂―――[黒―――血―――]
そしてその名前も少し解るようになっていた
黒音「………………変わったところはあったのじゃ」
陽「あぁ、あったな………………ありがとう、黒音」
俺は黒音にお礼のつもりで頭を撫でる
すると黒音は口をパクパクさせて顔を真っ赤にさせていた
黒音「ぬ、主様!?何をしておるのじゃ!?///」
陽「いや、お礼がわりに撫でてるんだけど」
黒音「おなごの頭をそう気安く撫でりゅものではないぞ!?///」
あ、噛んだ
月魅「マスター?」
陽鬼「陽?」
パチュリー「…………………………はぁ」
あれ?何で後ろからこうも殺気がひしひしと感じ取れるんだ?
小悪魔「…………………………陽さん」
そして小悪魔、頼むからそんな悲しげな声をあげないでくれ
何でか凄く心が痛むから
パチュリー「……………まぁ良いわ、とりあえず続きをしましょう」
と此処でまさかのパチュリーから助け舟が出た
思わず『ありがとうパチュリー、助かった』と言いたくなったが―――
パチュリー「とりあえず、この本達を完全に暗記したら魔法なんて出来るんじゃないかしら」
とパチュリーが指さしたのは隙間が無いほどぎっしり詰まった大量の本棚
陽「パチュリー…………流石に冗談だよな………………っていねぇ!」
振り向いてパチュリーに確認しようと思ったら俺以外の全員がそこからいなくなっていた
陽「まじかよ……………」
とりあえず、一番下から読んでいくか…………………
パチュリー「まったく…………………」
レミリア「貴方がそんなに怒るなんて珍しいわね、パチェ」
パチュリー「……………別に怒ってないわよ
ただ呆れてるだけ」
レミリア「それにしてはさっきから本の読書進行は全くと言っていいほど進んでないみたいだけど?」
パチュリー「……………………」
レミリア「睨んだ所で何も変わりはしないわ
何年つるんでると思ってるのよ?
貴女の事なんて粗方知り尽くしたわ
読む本の癖、紅茶の飲み方、スリーサイズ…………その他もろもろね」
パチュリー「そこまでいったらもうストーカーの領域ね」
レミリア「ストーカーだなんて酷いわ………………」
咲夜「紅茶を持ってまいりました」
レミリア「ありがと、咲夜………………それでどうだった?」
咲夜「熱心に本を読んでました
少しばかり手伝いもしてしまいました」
レミリア「あら?何の手伝いをしたのかしら?」
咲夜「本をとってあげたり、読み方の説明等をしばしば………………少し顔を近づけたらなかなか可愛い反応をしてましたわ」
パチュリー「っ!?」
レミリア「あらあら……………仲睦まじいわね…………………そうだと思わないパチェ…………………………パチェ?何処に行ったのかしら?」
咲夜「恐らく図書館かと」
レミリア「なるほど……………ところで咲夜」
咲夜「はい?」
レミリア「まさか本当にそんなことしてないわよね…………………?」
咲夜「……………うふふ、さて、どうでしょうか」
レミリア「………………………」
陽鬼「…………………」
月魅「…………………」
黒音「お主ら、そんな怖い顔で睨まんでくれ………………何かよう解らぬが、何となく妾が悪いって言うのは理解できたのじゃ………………」
小悪魔「あ、あの………………黒音さんには悪気はなかったんですからそこまでにしておきましょう…………………?(何が起こってるのかさっぱりだけど)」
陽鬼「…………………」
月魅「…………………」
黒音「………………もしやお主ら、主様に頭を撫でられたいのか?」
陽鬼「……………うん」
月魅「当たり前でしょう」
黒音「何故お主はそう堂々と胸を張っているのじゃ……………撫でて貰いたければ言えば良いだろう」
陽鬼「それが出来たら苦労しないよ…………………」
月魅「私は単に貴方が羨ましかったからなんですが」
黒音「……………とりあえず、主様に悪気は無いのだから早く戻らねば……………妾達が勝手にいなくなっては主様も心配するだろうて」
陽鬼「……………そうだよね、ちょっとムキになったみたい」
月魅「…………」
小悪魔「それでは、戻りましょうか」
陽「………………誰もいないなぁ」
俺、何かしたかなぁ…………………………
因みに、この後、皆戻ってきて謝られたのはまた別の話




