美鈴ルートHappyEND
陽「……………美鈴!黒音!」
俺は迷い無く火口に飛び込んだ
やっぱり二人を置いておけない
だって、二人共俺の仲間なんだ………!
すると、飛び降りている最中に俺のポケットから突然二枚のスペルが飛び出してきた
門番[紅 美鈴]
拳術[龍波動滅風拳]
陽「っ……このスペルは………!」
そのスペルが姿を表した瞬間、俺の視界はとてつもない熱風と共に白く染め上げられたーーー
ツキカゼ「ーーー噴火したか」
火口に飛び込んだ奴を俺………ツキカゼは追撃も何もしなかった
したところで無意味と解っている行為に無駄な力を割いている力はない
そして、飛び込んだ直後に山は震いだし、火口から大量のマグマが溢れだした
これでは奴も生きてはいまい
軽く息をつき、踵を返して歩こうとした俺は足を止めた
だが、そこで気付いた
『マグマが全く飛んでこない』という事に
まさかと思い、振り替えって見ると
案の定、奴は生きていた
一匹の真っ赤な龍の頭の上に乗りながらーーー
陽「ギ、ギリギリだった…………が、何とか間に合った………!」
龍?「…………えーっと、陽さん、状況説明お願いします」
陽「今出てきたスペルを使ったらお前の体が龍になったのさ……………美鈴」
美鈴「は、はぁ…………しかし、私が龍になるとは」
しかし…………スペルを使うと、美鈴が龍になるのは驚きだったな
龍の種類は、東洋の龍…………これはまぁ予想通りだな
美鈴って中国人っぽいからな
美鈴「………それで、私は足止めをすればいいんですね?」
陽「あぁ、黒音を安全な場所に置いてくる間の時間だけ頼む」
美鈴「解りました……………それでは、紅魔館の門番、紅 美鈴…………龍の姿で参る!」
ツキカゼ(なるほど、噴火したかと思っていたが…………あの龍のオーラだったわけだ
通りで此方に流れてこない訳だ)
それにしても………龍になった美鈴のオーラがとてつもない温度を放ってるな
本当のマグマかと思う程の熱が伝わってくるな………さて、此処等でいいか
陽「待ってろ黒音…………すぐに終わらせてやるからな」
美鈴(………不思議です………龍の姿なんて初めてなのに………まるでずっとこの体だったかの様に動かせる……これならいける!)
ツキカゼ「………」
………かなり強いな
ついさっき体の形が変わったとは思えないくらいに上手く龍の体を動かせているこの強さでは、並みの妖怪やそれぐらいの実力者では太刀打ち出来ぬな
………だがあくまでも、『並みの』だ
美鈴「そこ!」
龍が俺の正面から向かって来るが……
ツキカゼ「ーーー俺には遠く及ばない」
一瞬で頭上に移動、そして、右腕で抑え、地面にめり込ませる
美鈴「ぐっ………」
ツキカゼ「幾らいつもの様に動かせるとは言っても、図体がでかくなった弊害は合ったみたいだな」
美鈴(こいつ………私の体が小回りが利かないのは解ってたのか……!)
ツキカゼ「少し苦戦したが………これで、終わりだな」
刃の切っ先を龍の頭上に向け、突く姿勢を取る
ツキカゼ「さらばだ…………!」
陽「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!」
陽「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!」
ツキカゼ「くっ!貴様!」
叫び声をあげながらダッシュ、そしてそのままジャンプし
ツキカゼの剣を蹴り飛ばす
陽「間に合った!」
ツキカゼ「くっ!」
陽「あの剣が無かったら、お前はスペルは唱えられないだろ!違うか!」
ツキカゼ「………確かに唱えられないが………素手でも貴様らは倒せる
現にその龍には一度もスペルは使ってないからな」
陽「だけど、今はお前を倒す!
で、幻想郷に帰るんだ!」
ツキカゼ「………帰る、か」
陽「いくぞ美鈴!拳術[龍波動滅風拳]」
美鈴「はい!陽さん!」
スペルを唱えると龍の姿となった美鈴の鱗から炎が吹き出す
美鈴「な、何か私の体が凄い事に!?全然熱くは無いですが!」
炎の吹き出す量は凄まじい程増えていく
そして美鈴が炎で見えなくなった瞬間に俺は走り出す
ツキカゼ「血迷ったか?」
陽「いいや!これで良いんだよ!」
助走を付けてジャンプ
そして、落下の勢いを利用して殴りかかる
ツキカゼはそのまま落ちてくる俺に向かって斬りかかろうとする
だがーーー
陽「こい!美鈴!」
ツキカゼ「何!?」
俺がその言葉を叫んだと同時に炎に包まれていた美鈴が炎に包まれている状態で一瞬にして移動する
そして、その炎から『炎の腕がツキカゼに殴りかかった』
ツキカゼ「なっ!?ぐっ!」
その腕の一撃をツキカゼは腕を交差させて防ぐ事でダメージを軽減したが、結局吹っ飛ばされてしまう
だが、このスペルはまだ終わりではない
炎の塊となった美鈴は最初に殴った腕を筆頭に次々と体が形成されていく
元々が図体がでかかった龍から吹き出した炎だ
当然、体が形成されれば大きくなるわけでーーー
美鈴「り、龍ときて今度は炎の巨人ですか………ってあれ?体が動かないんですが?」
陽「えっ?でもさっき殴ってただろ?」
美鈴「勝手に動いたというかなんというか…………」
陽「もしかして…………試してみるか」
ツキカゼ「…………お喋りはそこまでだ」
美鈴と話し合っているとツキカゼが立っていた
吹き飛ばされた時に拾ったのか、その手には剣が握られていた
ツキカゼ「さっきは油断したが…………今度はそうはいかん」
陽「そうかよ」
ツキカゼ「確かに、さっきの様な一撃をまともに食らえば致命的なダメージになるだろう
…………だが、はなからお前を狙えば問題ない
06[フランドール・スカーレット]」
陽「ちっ……フランか……だったら!」
俺は殴る体制を取る
美鈴「おっ?おぉ?」
それに釣られて美鈴も同じ様な体制になる
美鈴「まさかこのスペルって……!」
陽「そう、お前は俺と同じ動きしかできないんだ」
けど、狙った対象も同じだからデカイ分飛距離も伸びるという事を付け足しておく
ツキカゼ(フラン)「させるとでも思うか?
禁忌[フォーオブアカインド]」
陽「……………」
実はこのスペルを使った瞬間にこうやって美鈴が炎の巨人になることと
もう一つ、別の効果があることが解ったんだが………うまい具合なあいつが試してくれそうだ
ツキカゼ(フラン)A「時間稼ぎを頼むぞ」
ツキカゼ(フラン)B「了解した
禁忌[レーヴァテイン]」
ツキカゼ(フラン)C「いくぞ
QED[495年の波紋]」
ツキカゼ(フラン)D「そこの俺がやらなくとも、俺自身がやろう
禁忌[カゴメカゴメ]」
陽「流石にこれはヤバい!」
腕を振るう動きをし、美鈴を動かす
動かした美鈴の腕はとりあえずフランになったあいつの弾幕を消していくそして、そのまま分身体の一人に殴りかかる
ツキカゼ(フラン)B「はっ!」
だが、それはレーヴァテインを持ったツキカゼにレーヴァテインを盾代わりで防がれる
けど、防がれる事位は解っていた事
残っていた腕を使ってそのツキカゼを掴む
ツキカゼ(フラン)B「ぐっ!」
そしてそのまま地面に叩きつける様に投げる
ツキカゼ(フラン)B「ぐっ…………くそ―――」
やはり分身体なのか、そこで力尽きてしまいその分身体は消えてしまう
……………姿形がまんまフランだから、若干心苦しいが………偽物だから、多少はましか……
ツキカゼ(フラン)C・D「「禁忌[レーヴァテイン]」」
分身体の一人を倒した直後に、残った二人が左右に別れて左右からレーヴァテインを持ってこっちに飛んでくる
陽「ちっ………」
俺は左手を使って分身体を掴もうとするが、その前に指を斬られてしまい掴めなくなった
陽「………なら、このまま叩きつける!」
俺と美鈴の動きは連動してるとはいえ、痛みなんかの感覚まで連動してなくて助かった
おかげで痛みを気にせずに攻撃が出来る
斬られた手でそのまま分身体を反対側にいるもう一人の分身体にぶつける様にぶっ飛ばす
ツキカゼ(フラン)C・D「「ぐっ!」」
うまい具合に怯んでくれたから、斬られてない方の手で殴りつける
分身体を中心に見事なクレーターが出来上がった
そして、分身体も消え去ってしまう
陽「よし、後は本体だけだ!」
ツキカゼ(フラン)「…………中々早かったな
まぁ、所詮は分身体
本人より弱くなることは解っていたからな
……………だが、時間稼ぎ位には役にたったか」
そういうと、ツキカゼは右手を広げる
美鈴「っ!陽さん!物陰に隠れて下さい!無理ならこのまま攻撃を!」
突然美鈴が慌て出す
そして、俺は思い出した
フランがああやって手を広げるのは決まって『あれ』をやるときだ
―――きゅっとして、どかーん―――
フラン自身の能力を使った、手のひらに対象の目を出現させてそれを握り潰す事で対象を完全に破壊し尽くす技
対象方はどこかに隠れるか、本人にその行動をさせないかの二択だが、今回は両方やる前に反応するのが遅かった
ツキカゼはそのまま出現した目を握り潰して―――
美鈴「きゃっ!」
陽「えっ?」
破壊されたのは俺ではなく、炎の巨人となった美鈴の胸の辺りであった
しかし、その破壊は炎の巨人と化している美鈴には意味がないことだった
ツキカゼ(フラン)「…………ちっ、身代わりの力もあったか」
そう、これがもう1つの効果である
どう作動するか解らなかったが上手くいった様だ
効かないと解ったのか、ツキカゼはフランの姿を解除した
ツキカゼ「………今の状態では、互いに消耗するだけか………!」
ツキカゼは心底悔しそうな顔をする
ツキカゼ「覚えておけ、月風 陽……………といっても、今のお前では覚えられないかもしれんがな」
そのセリフだけを残すと、ツキカゼは空を飛び、消えてしまった……………あいつが言っていた『といっても』の後が聞き取れなかったが…………とりあえず、勝ったという事でいいんだろうか
はぁー、と大きい溜め息を付くと、いつの間にか元の姿に戻った美鈴が心配した顔つきでこんな事を言った
美鈴「あの………陽さん、私達ってどうやって帰ったらいいんですか?」
陽「あっ…………」
そうだった
戦いに集中しすぎて忘れてた
そういえば、此処は外の世界だったんだ
陽「…………ヤバいな」
とりあえず、隠していた黒音をおんぶしてから再び美鈴の元に戻る
美鈴「どうしましょう…………」
陽「レミリア達も心配してるだろうしな――――」
俺が喋っている最中に突然浮遊感が襲う
そして美鈴は何故かほぼ同時に抱きついてきた
そして、此処で何故か張り詰めていた俺の糸がプツンと切れたかの様に俺は回りが目ばかりの風景を目にしながら、俺は意識を失った
紅魔館・レミリアの自室~
レミリア「どこに飛ばされたのかしら…………」
咲夜「妖精メイドや、陽のお付きのあの二人が総動員して探していますが、依然として見つかっておりません」
陽と美鈴と拾ったあの吸血鬼がいなくなってもう3時間たった
紅魔館の主こと、私レミリア・スカーレットは、いなくなったその瞬間から捜索隊を結成、パチェにめぼしいところの絞り込みをお願いして、咲夜以外のメンバー全員にそこの捜索を命令した
しかし、やはり見つからないままであった
フラン「…………?」
先程からフランが首を傾げながら上を見ている
レミリア「お姉様、上から何かが来るわ」
レミリア「えっ―――」
私がその意味を聞く前に、天井に突如スキマが開いた
美鈴「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
―――捜索していたメンバー全員を排出して美鈴「あいたたた………………」
レミリア「………………美鈴?」
美鈴「あれ?お嬢様?って事は此処は………………」
咲夜「紅魔館よ
貴方達いきなり天井から降ってきたんだから」
レミリア(スキマ妖怪か…………流石に今回ばかりは感謝をしとおかないといけないかしら…………)
美鈴「て、天井から?ってそんな事より!陽さん気絶しちゃってます!」
咲夜「貴方が抱きついてるからじゃないかしら」
美鈴「えっ?……………………あっ、これは!ち、違います!」
咲夜「冗談よ
それと、何人か妖精メイドを呼び戻してるからそれに渡しておきなさい
それと、貴方も休息をとってね
疲れてるだろうし」
美鈴「は、はい……………」
紅魔館のある一室~
陽「うっ…………此処は………紅魔館みたいだな」
ふと目を覚ました
周りは酷く紅かったので一瞬で場所の特定は出来た
それにしても……………
陽「凄く動きづらい…………」
大した怪我はなかったが………今寝てるベッドが俺一人で寝ている訳じゃない事はよくわかった
何故なら―――
陽鬼「んっ……………」
月魅「行か、ないで………………下さい、マスター…………」
黒音「死なれると…………妾が困るのじゃ…………」
右手には陽鬼、左手には黒音、そして俺の上に乗っかってるのは月魅という状態だった
恐らく、看病してくれたのだろう
それは嬉しい、だが、こいつらは一応妖怪である
だから力は人間なんかより上な訳で―――
陽「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い腕痛いから………」
関節が逆に曲がりそうな位力が入ってるから物凄く痛い
そんなときに扉が開く音が聞こえた
美鈴「陽さん、具合は……どう…………です……………か?」
あぁ、違うんだ美鈴
これはそんな変な状況じゃなくて
だからそんな驚いたような顔をしないで―――
美鈴「…………」
俺が困っていると、突然美鈴がベッドに入ってきた
陽「ちょ!美鈴!?」
美鈴「三人だけずるいです、私も抱きつきます」
陽「…………はぁ」
そんな可愛く拗ねたような顔をされたら何も言えなくなってしまった
あぁ、ちくしょう……………不覚にも可愛いとか思っちゃったじゃないか…………!
美鈴「ぎゅー………………」
黒音の上から覆い被さるようにして美鈴は抱きついてきた
……………ま、たまにはこんな美鈴も可愛いからいいか――――
そして俺は眠りについた
数日後~
俺は正式に紅魔館の門番として働く事になった
レミリアからは美鈴と同じ仕事という事なのかかなり冷やかされ
咲夜からはいつものクールな表情で対応され
小悪魔には何かちょっと複雑な表情をされて謝ってしまって
パチュリーからは無視されて(ちょっと不機嫌になっていた)
フランにいたってはは自分も門番をすると言い出した(勿論丁重に断ったが)
陽「はぁ……………」
美鈴「どうしたんですか?」
陽「いや、改めてこの仕事って暇になりやすいと思ってな」
美鈴「私は………とても楽しいですよ」
陽「立っているだけなのにか?」
美鈴「昔は………確かに暇でしたね」
陽「ん?今は違うのか?」
美鈴「えぇ、だって―――」
―――陽さんとずっと一緒なんですもん―――
HappyEND
感想、評価よろしくお願いいたします




