美鈴ルート5
陽「くっ………!」
陽鬼「陽!逃げて!」
月魅「せめて、マスターだけでも………!」
ツキカゼ「………ふん、意外に呆気ないものだな」
今、俺の目の前にいる男、ツキカゼ
俺達はこいつに襲われていた
そして、あいつの味方として―――
幽香「…………」
風見幽香
彼女が手を貸すと言う事態になっていた
幽香の攻撃により、一緒に戦っていた美鈴はやられて気絶していた
俺は月陽を限界まで使っていたせいで体力が尽きて融けてしまっていた
陽鬼と月魅も同じように地面に膝をついている状態である
今動けるのは俺を主と呼び、慕う褐色の吸血鬼の少女、黒音しかいない
だが、ツキカゼは強い
それこそ、幽香と同等………いや、それ以上の実力を持っているかもしれない
黒音(今の妾の力ではこやつに叶う所か、時間稼ぎが出来るかどうかすらも難しいの
……………じゃが、やるしかないの)
陽「黒音………どけ」
黒音「………主様?」
陽「お前は…………唯一無事な奴だ
三人……を連れて………逃げろ………!」
黒音がそうしてくれれば少なくとも黒音、陽鬼、月魅、美鈴は無事な筈だ
こいつの狙いは俺らしいからな
黒音「な、何を言っておるのじゃ!?そんな事をすれば主様が死んでしまうぞ!?
こやつの狙いは主様と言う事は解っておるじゃろ!?」
………やっぱりそうなるよな
だったら、あんまり使いたくない手なんだけどな………
陽「だったら、頼まない……………命令だ」
黒音「め、命令?」
陽「そうだ、三人を連れて紅魔館に逃げろ
これは命令だ」
黒音「し、しかし―――」
陽「俺の事を主と認めたんだろ?
なら従え
もう一度言う
三人を連れて逃げろ
これは命令だ」
これだけ言ったら聞くだろ………
黒音「………嫌じゃ
その命令は聞けんぞ
主様」
陽「…………何だと?」
黒音「妾は主様を守らねばならぬのでな
妾が逃げるより、主様が逃げた方が色んな意味を含めて良いに決まっておる」
ツキカゼの前に立ち、俺を庇う様に立つ黒音
陽「だけど、今のお前じゃ―――」
黒音「じゃが、1分くらいなら時間稼ぎも出来るだろうて
1分もあれば逃げる時間も稼げるじゃろう?」
陽「だけど!それだとお前が死ぬぞ!」
黒音「主の為なら―――」
ツキカゼ「もう茶番はいいだろう…………そんなに死にたいなら後で全員仲良く後から殺してやる………」
しびれを切らしたのかツキカゼが剣を振り上げて…………黒音に振り下ろした
黒音「っ!」
陽「黒音!」
ツキカゼのその剣は黒音の体を2つに―――
黒音「…………むっ?」
ツキカゼ「何だと…………?」
陽「…………えっ?」
―――切り裂いてなかった
黒音の体に到達する前に黒音の体から出た黒いオーラによって防がれていた
黒音「これは……………」
同様していると不意に黒音の手元に二丁の銃が現れる
そして、その銃を両手に持って二丁拳銃にする
黒音「お主は……………こんな姿になった妾でもついてきてくれるのだな……………」
そして、再びツキカゼに向き直る
黒音「さて、ツキカゼと言ったな?
これから妾の本気を見せてやろう…………」
そして黒音に黒いオーラ…………いや、直感的に解った、あれは闇だ
その闇が黒音を囲むように包んでいく
黒音「妾は吸血鬼……………闇に生き、血を啜り、肉を喰らい、闇を取り込みながらも闇と共に生きていくもの―――」
黒音を包む闇はその流動する動きを鈍くしていく
そして一旦黒音の台詞が終わると同時に闇が弾け飛んだ
そこから現れたのは―――
黒音「貴様を闇に葬りさろう!」
―――成長して色々大きくなった黒音であった
陽「ってえぇぇぇぇぇ!?黒音!?黒音なのか!?」
黒音「ふむ……………………戻れたぞ主様!」
陽「ま、まさか本当に大人だったとは…………」
正直あんまり信じてなかった
本当に大人だったんだな………………
小さい時は白雪姫みたいなドレスだったのに
今では、まるで貴婦人が着るようなドレスに毛皮のマントのようなものを上から羽織ったような服装である
後ろからはとても立派な吸血鬼の羽が姿を見せていた
そして、胸もかなり大きい………って何言ってんだ俺!?
月魅「マスター?胸なら私が大きくなった方が大きいですよ?」
くそ!あいつは何でそんな事が解るんだ!
びびって思わず月魅の方見ちゃったぞ!
月魅「マスターの事なら何でも解ります」
お前実はさとりなんじゃないか?
とか思ったけど、ないよな……………多分
ツキカゼ「…………ふん、たかがでかくなったぐらいで調子にのるな
でかくなっただけで強くなれるのなら、今頃世界の猛者は皆大きいだろう」
黒音「はたして、それはどうじゃろうな?
試してみるかの?」
ツキカゼ「…………上等だ
ならば、お望み通りに………!」
その瞬間にツキカゼの姿が消える
そして一瞬にして黒音の背後に回り込み剣を振り上げる
黒音「因みに、この姿の妾には二匹の使い魔がおるのじゃよ
…………のう?『パンプ』『プキン』」
ガキン!
甲高い金属音が鳴り響く
ツキカゼの攻撃を受け止めたのは黒音………ではなく、黒音の顔より一回り程小さい二匹の生物だった
あれが今黒音の言った使い魔?
パンプ「姐さん、どうしたんですかい?
いきなり音信不通になりやしたが?」
黒音「何、ちょっと面倒な事が起きたのじゃが
助けてくれた人物がいたのでな、その人物を主人にしたという事なのじゃ」
パンプ「相変わらず何言ってんのか解りかねますね………………まぁそれが姐さんの良いところですがね」
プキン「うひゃひゃwwwwそこの人間が姐さんの主かい?wwww
まさか人間の坊主とはなぁwwww」
パンプ「プキン、今の敵はこの人間ですよ」
プキン「相変わらず済ましてやがんなぁwwww
まぁいいや、さっさとやろうぜ?」
……………あのパンプとかいう使い魔は冷静というか冷めてるというか…………
何かおとなしいな
けど、もう一匹の使い魔プキンはかなりのお調子者とみた
なんせずっと笑ってやがるからな
なんとなく人を小馬鹿にしたような笑い
けれど憎めないタイプの奴だな
…………………って何で俺は冷静に解説してんだ
黒音「パンプ、プキン…………変化」
パ・プ「「了解」」
黒音のそのかけ声で二匹の体から闇のオーラが発せられる
その闇は黒音の持っていた銃にまとわりつくと、徐々にその姿を変えていく
機械的な見た目からより悪魔らしさをまといより禍々しくなっていく
そして二匹がいた場所には既に何も残ってなくて
完全にその二匹の闇は銃に取り憑いた
黒音「………これが、あの二匹の本当の姿
黒銃[血鬼銃]じゃ」
ツキカゼ「所詮、使い魔如きが姿を変えた銃など!」
黒音「パンプはすばしっこい奴でな
銃の姿でもその性質は残ってるみたいじゃ
よって―――」
黒音は右手に持った銃をツキカゼに向けてトリガーを引く
すると、通常の銃じゃ有り得ない速度で弾が連射された
つまり、パンプの性質っていうのは弾の連射機能になっているわけか
黒音「そして、プキンは頭は弱いが力が見た目以上にあってな
それが銃になったらこうなる」
さっきのパンプの連射自体はツキカゼの剣で防がれたが、そのおかげで隙が出来ている
そして今度は左手に持った銃のトリガーを引く
すると、甲高い音が鳴り響く
ツキカゼはその弾を剣で防ぐが、勢いを殺しきれなかったのか少し後ろに遠ざかる
プキンは威力のデカい銃になっているのか………………
本当に二匹の性質がそのまま銃に反映されてるんだな
ツキカゼ「……………ふん、確かにその銃は強力だ…………だが―――」
ツキカゼは再び剣を構えて―――
『07[十六夜 咲夜]』
ツキカゼ(咲夜)「時ごと止めてしまえばいいだけの話だ」
その姿を咲夜に変えた
確かに、その姿になれば銃弾を時ごと止める事が可能だ
だが―――
咲夜「―――人の姿を真似するなんて良い度胸してるわね
時符[パーフェクトスクウェア]」
レミリア「私の従者は一人でいいわ、仮面の道化師は帰りなさい
神槍[スピア・ザ・グングニル]」
ツキカゼ(咲夜)「何っ!?ぐっ―――」
二人のスペルによりツキカゼの周りは粉塵に包まれる
咲夜「陽、大丈夫?」
陽「あぁ、だけど美鈴が………」
レミリア「美鈴なら大丈夫よ、ほら」
レミリアが視線を投げかけた場所には、ふらふらになりながらも立っている美鈴だった
美鈴「……………大丈夫、ですか?」
陽「あぁ、美鈴こそ大丈夫か?」
美鈴「ちょっと油断しただけです
陽さんが無事で…………本当に良かった」
陽「美鈴……………」
レミリア「はいはい、二人の世界を作るのはそこまでよ
…………まったく、妬けちゃうわね」
陽「ん?今何か言ったか?」
レミリア「何も言ってないわ」
…………何だ?ちょっとレミリアがふてくされてる気がするんだが………気のせいか?
ツキカゼ(咲夜)「くっ………」
咲夜「まったく…………恐ろしい程そっくりね」
陽「そっくりじゃなくて……………真似てるんだよ……お前の姿その物をな」
レミリア「あら、そんな事をしていいと思っているのかしらね?」
ツキカゼ(咲夜)「ふん、貴様の指図は―――」
『05[レミリア・スカーレット]』
またあの機械の声が聞こえたかと思えば―――
ツキカゼ(レミリア)「―――受ける気なんてまったくないぞ?永遠に幼き紅き月、レミリア・スカーレット」
レミリア「あら?貴方は私の姿まで真似するのかしら?」
咲夜「お嬢様を真似するとは…………万死に値するわよ…………」
レミリア「まぁ待ちなさい咲夜
私の姿を真似するなんて中々面白い事をするじゃない
一度、その力を見てみたいものね」
……………やっぱり幻想郷にはこういう奴が多いのかなぁ……………
レミリア「……………何を考えているのかは見当がつくわ
陽、後で少しお話よ」
陽「……………………………何で解ったんだ……………………………………………」
レミリア「私を見くびらない事ね」
ツキカゼ(レミリア)「……………このままだと邪魔が入ることに代わりはないか……………しょうがない、場所を変えるか」
陽「………何だと?」
謎の台詞を呟くと、ツキカゼはまたあの剣を構える
『10[八雲 紫]』
レミリア「!逃げなさい!陽!」
陽「えっ?」
陽鬼「陽!」
月魅「マスター!」
ツキカゼ(紫)「―――開け、スキマよ」
黒音「っ!」
陽「っ!しまっーーー」
美鈴「陽さん!」
俺が気付いた時には全てが遅かった
突然の浮遊感と共にさっきまでいた地面が自分の真上に存在していて
そして、落下している感覚もあることから察するに
ーーーこのままだと俺死ぬ!
と思っていたが、その落下している感覚が突然なくなった
陽「…………っとと…………………此処は?」
辺りは真っ暗だが…………妙に熱い
キョロキョロと見渡していると、赤く光る場所を見つけた
そこに向かって歩こうとして気付いた
地面が斜面であることに
暑さで汗だくになりながらも赤く光る場所に向かい歩いていく
そこに向かいながら直感的に確信していた
ーーーあそこにツキカゼがいると
だが、今の俺には陽鬼も月魅も黒音もいない
本当に一人だ
たった一人で勝てるのか…………?
そんな不安に駆られながら歩いていくーーー
ツキカゼ「ーーー来たか」
陽「あぁ…………此処はどこだ?」
ツキカゼ「外の世界のどこか………だ
火山なのは間違いないがな」
陽「……………はっ?外の世界だと?」
つい聞き返してしまったが考えてみれば俺の知る限り幻想郷に火山はなかった
ツキカゼ「だが、お前は今そんな事を気にしてる余裕はないがな……………そこの火口を見てみるがいい」
陽「………何だと?」
恐る恐る、俺は火口を覗く
そして、火口の下の方にある崖に気絶しているのかまったく動かない美鈴と、同じく、大きさが戻って動かない黒音だった
陽「なっ!」
ツキカゼ「偶然、あの二人が来ていたのでな
貴様を殺す前に、あいつらを痛め付けていたのだ
そして、使えるかもしれぬと思ってそこに投げ捨てたのだ」
陽「くそ!お前は!」
俺は逆上してツキカゼの方に振り返り、睨み付けた
ツキカゼ「いいのか?直にあいつらのいる場所も崩れるぞ?」
陽「っ!」
俺は迷った
二人を助けたい
だが、その為には火口に飛び降りないといけない
飛び降りるのは別に構わない
心配なのは、飛び降りている時にツキカゼが後ろから攻撃するかもしれない……………あの二人を囮にして俺を葬り去るかもしれない
だが、こいつに戦いを挑んだところで今の俺では勝ち目はないだろう
それが俺の行動を鈍らせていた
ツキカゼ「選ぶがいい…………仲間をとるか、その場の感情に任せて俺に挑むかをな」
陽「くっ…………!」
火口に飛び込む
→HappyEND
ツキカゼに攻撃をする
→BADEND
感想、評価よろしくお願いいたします




