美鈴ルート3
陽「俺が………主?」
目を覚ました吸血鬼の少女、黒音
その子が俺の事を主と呼ぶ理由が解らない
黒音「そうじゃ、主様は妾を助けた
妾は死ぬ直前だったのでな
主様は命の恩人
恩人なのだから、何か恩を返さんといかん
そこで思いついたのじゃ
『僕になればよい』のじゃとな」
そんな簡単に僕とか言われるとは思いもよらなかったよ
パチュリーも唖然としてるしな
パチュリー「……普通、吸血鬼というのはプライドが高い筈よ
それがこんな簡単に僕になるなんて…………」
黒音「そなたも妾を助けてくれた事、感謝する」
パチュリー「……レミィより年下に見えるのに………大人ね…………」
黒音「?何を言っておる
妾は、こんなナイスボディー………なの……じゃか……ら…………………」
疑問符を浮かべ、胸に手を当てた瞬間に、顔が青ざめていくぺたぺたと自分の体を触っていく
そして、触り終わったのか
掌を握りしめて叫んだ
黒音「……何じゃこれはー!
な、何故こんな事になっておる!
主様よ!妾に何をしたのじゃ!?」
陽「何をしたも何も
黒音は元からそんな姿だったぞ?」
黒音「そ、そんな訳があるわけ………!」
黒音が反論しようとする直前にパチュリーが呟く
パチュリー「もしかしたら………闇がなくなっていたからかもしれないわね」
黒音「ど、どういう事じゃ?」
パチュリー「貴女は闇がすっからかんになるまで補給していなかった
そのせいで、本能的に体を小さくする事で最低限の闇を補給していたのではないかしら」
黒音「そ、そんな……………」
手を床に置き、四つん這いのようなポーズを取る黒音
彼女には悪いが、少し可愛く見えた
黒音「し、仕方ない
しばらくはこの姿で我慢するかの
闇なら吸血をしばらく続けてたら治るだろうしな」
陽「吸血鬼が血を吸ったら、そいつも吸血鬼になるんじゃないか?」
俺がこんな質問をしたら黒音とパチュリーに呆れ顔をされた
黒音「何を言っておる
そんな事をしたら、今頃全世界が吸血鬼になっておるわ
我等吸血鬼は同族から吸血できん
故に他の者から血を吸うのじゃ
大方、吸血鬼を恐れた人間が作った嘘じゃろうて」
陽「へぇ、そうだったのか」
意外な事実が発覚した
でもまぁ確かに、吸血鬼になるなら、他の奴も吸血していって鼠算式に増えて行くな
黒音「まぁ、仕方ないの
これから、少しずつ主様に分けてもらうだけじゃ」
陽「お、お手柔らかにな…………」
黒音「それは主様次第じゃ
暴れなければ、手荒な真似はせん」
パチュリー「………主を脅すのってどうなのかしら」
『うん、だったら止めてくれよ』
とか思ったけど、口には出せなかった
パチュリー「…………そういえば、美鈴の所に戻らなくていいの?」
陽「うっ…………」
パチュリーに言われて改めて考えてしまう
咲夜は無事に美鈴と話せただろうか
美鈴は機嫌を直してくれただろうか
そして―――
陽「陽鬼と月魅は機嫌を直したか………?」
あの二人を怒らせるのは正直かなり恐ろしい
パチュリー「?何があったかは知らないけれど、その子は連れて行ってよね」
陽「解ってるよ
行くぞ黒音」
黒音「………………了解じゃ」
陽「…………タダイマー…………」
部屋の前でドアをノック
けど、反応がないので静かにドアを開けて、小さな声で挨拶をする
月魅「………マスター?」
陽「っ!?」
後ろに月魅がいたようだ
最近こいつは気配を感じさせない気がするのは気のせいだろうか
月魅「マスター………何をしているのですか?」
陽「えと…………その…………」
どうしようか
まったく言葉が出てこない
謝れば良いのだろうが
どうやって謝るのかが解らない
月魅「…………もう怒ってませんよ」
すると月魅が察してくれたのか、軽く微笑みながら呟く
月魅「陽鬼も美鈴も私も流石にやりすぎたと反省しています」
陽「月魅…………」
黒音「…………妾を忘れておらんか?」
陽・月「「あっ………」」
しまった普通に忘れていた
少し拗ねた表情をしながら見てくる黒音
月魅「と、ところでマスター、彼女は?」
黒音「我が名は黒音
デイウォーカーの吸血鬼じゃ
主様に助けられて、此処におる
まぁ多少背は縮んだがの」
月魅「………主様?」
陽「何故睨む」
黒音「妾は他の吸血鬼とは違う
命の恩人である主様には感謝しておる
今でこそ、このような幼女の姿じゃが
例え幼女であっても己の欲望の捌け口にする変態はおるでの
主様はそれをせず、妾に優しく接しておる
故に主様じゃ」
ニコッと笑いかける黒音
例え大きくても多分変わらないんだろうなとか思ったり
月魅「………成る程、しかしマスターは私の物です」
黒音「なんと物とな
主様は幼女に虐げられるご趣味があるのか」
何か変な誤解が始まったぞ
陽「待て待て待て
何故そうなる」
黒音「そこの幼女が―――」
月魅「貴女も幼女ですよね」
黒音「…………んんっ!言うておったろ?『私の物です』とな」
陽「言葉の綾だろ………独占欲は強いからな、月魅って」
月魅「そ、そんな事は………」
反論しようとするが口をもごもごさせるだけで、何も言えなくなってしまう月魅
いつもの事を踏まえて、まともな反論出来たら凄いけどな
黒音「して、此処が主様の部屋か?」
陽「ん?あぁそうだが」
黒音「凄いのう………おなご三人に、男一人とは………主様も隅に置けんのう………」
陽「偶然、知らない間に決まったから、仕方なくいるだけだ
それに美鈴はともかく、陽鬼と月魅はなぁ…………」
月魅「私達が―――」
陽鬼「なんだって?」
陽「何でもないぞ」
知らない間に陽鬼がいたんだが
月魅の隣にいたんだが
何でこいつらそういうスキルが出来てきているんだ?
驚くのも出来なかったぞ
せめてリアクションぐらい取らしてほしい
陽鬼「それで、私達が何だって?」
陽「解った、俺が悪かったから
せめて話を聞いてくれ」
多分、同じ返事を繰り返す限り
ずっと同じ返事を返されていただろう
陽鬼「解ってくれたならいいよ
…………で、私達が何だって?」
………何だと?
俺にははなから逃げ道が無かったって訳か?そうなのか?
月魅「陽鬼
そろそろ許してあげましょう
マスターも反省した様ですし」
陽鬼「…………いや~流石にやりすぎたみたいだね
ごめんごめん」
陽「…………はっ?」
どうやら陽鬼は最初から許してくれたみたいだ
だが、俺をからかいたかったみたいで、許してないフリをしていたようだ
陽「お前……………まぁいいや
………美鈴中にいるか?」
月魅「もう寝てますよ」
陽「早くないか?」
陽鬼「陽、美鈴は門番だよ?」
美鈴「………そう言えばそうだな」
門番が夜更かししていたら駄目か
陽鬼「そろそろ私達も寝よう」
月魅「そうですね………眠たいです」
陽「じゃあ寝るか」
黒音「……………妾はどこで寝れば良いのじゃ?」
三「「「…………」」」
美鈴のベッドは………駄目だ、美鈴寝相悪いみたいだ
となると―――
陽「俺が床で寝るしかないか………」
陽鬼「それは駄目」
月魅「マスターはベッドで寝てください」
黒音「主を床で寝かすなど、言語道断じゃ」
満場一致で反対された
陽「う~ん………おっ、いい方法を思いついた」
陽鬼「zzzz」
黒音「zzzz」
陽・G「zzzz」
ってな感じで月化を使って何とかスペースを作った
正直かなり手狭である
だが、陽化や月陽を使えば角がじゃまになるのでこれしかなかった
こんな状況を冷静に分析していると、美鈴が声をかけてきた
美鈴「陽さん………起きてますか?」
陽・G「無論
どうした?」
美鈴「いえ、どうって言うほどでもないんですが…………」
陽・G「……?今一要領を得ない
すまないが、説明してくれないか?」
美鈴「えーっと…………どういったらいいんでしょう
すいません口下手で」
陽・G「いや、別に気にする事はない
恐らく寝れないという気持ちを紛らわす為に話を振ったのだろう?」
美鈴「えと………はい
まぁそんな感じです」
何やらたじろいでいるが…………気にすることもあるまい
美鈴「すいません
それでは、お休みなさい」
陽・G「あぁ、お休み」
さて、少し眠るか……………
朝・部屋~
美鈴「陽さん、起きて下さい」
陽「………んあ、美鈴………?」
朝、美鈴が起こしてくれた
起きて気づいたが、変身が解けているようだ
やっぱり長時間の使用は控えるべきだな………
美鈴「仕事ですよ
早くご飯を食べて行きましょう」
陽「………あぁ」
けど、結局は眠たい物は眠たいんだよな…………
陽「………陽鬼、月魅、黒音、起きろ…………」
三人仲良く川の字に並んで寝ている風景はかなり微笑ましい風景だろう
正直、今の俺にとってはかなり些細な事だから、叩き起こす
陽鬼「ん~………後五分………」
陽「お前は学生かよ…………」
月魅「駄目ですよマスター……ぁん!///」
陽「……どんな夢見てるんだよ………」
黒音「………zzzz」
陽「何で爆睡出来るんだ………」
しかも黒音物凄い寝相良いんだな
初めて知ったわ
月魅と陽鬼もかなり寝相の良い方だけど、黒音はポーズが少しも変わってない
月魅てさえ、少しは動くっていうのに
陽「………早く起きろよ~
飯抜きになるぞ~」
陽鬼「んぁ…………ふぁ…………」
飯の話をした途端起きやがった
陽「お前も起きろ」
月魅「あぅ………」
軽く小突いてやったら目を覚ました
さて、次は黒音だな………
陽「黒音………起き―――」
黒音「何じゃ主様よ?」
陽「………いきなり起きるなよ、びっくりするだろ…………」
さっきまで寝ていた奴がいきなり上半身だけ起こしてこっち見てたらそりゃビビるわ
黒音「妾はデイウォーカーの吸血鬼
吸血鬼じゃ、昼も夜も起きてられるのじゃ
だから、睡眠なんぞ目を瞑った休息同然なのじゃよ」
陽「………解ったような
解らないような……………」
駄目だ、朝はやっぱり頭の回転が悪い…………
黒音「簡単に言うとじゃ、妾は寝ようとすれば何時間でも寝られる上に、起きようと思えば何時間でも起きてられる体という事じゃ」
陽「……………そうか」
とりあえず、凄いという事だけは解った
陽「じゃあそろそろ行くか……………」
紅魔館・門~
飯も食い終わり、俺達が起床してから早一時間が経過していた
陽鬼「それにしても、ご飯美味しかったね~」
月魅「貴女は食べ過ぎです」
陽「サンドイッチの厚さが凄かったもんな……………」
美鈴「私も未だに驚いてますよ………」
なんせ、陽鬼は下から順に
パン→ベーコン→パン→目玉焼き→パン→キャベツ→パン→スクランブルエッグ→パン→トマト→パン→ハンバーグ→パン→ハム→パン
といった内容のサンドイッチだったからだ
あまりの長さに驚きを通り越して恐怖が出てきてもおかしくないくらいだった
実際咲夜も顔面蒼白になっていたぐらいだからだ
美鈴「さて、では此処で門番の仕事について説明します
門番の仕事は簡単です
ここにひたすら立って、不審者がいたら追い出す
客人なら通す
どちらか解らない場合はその場で咲夜さんを呼んだら来てくれます
といった具合です
何か質問はありますか?」
陽「………質問はないが…………実はお前って物凄い頑張ってたんだな」
美鈴「そ、それほどでもありませんよ~
誉めても何も出ませんよ~」
陽「いや、お前は凄いよ」
美鈴「も、もう…………///」
鬼・月・黒「「「………」」」
三人が物凄いジト目で睨んできてるのが怖いんだが………
俺まだ何もしてないぞ?
陽「何でそんなに不機嫌になってんだ」
陽鬼「………別に」
月魅「マスターは節操がないだけですものね」
黒音「こんな女誑しが妾の主と思うとの…………」
陽「うん、お前ら俺の事何か勘違いしてるよな?」
美鈴「……///」
美鈴が未だに真っ赤なのだが、それに構ってる暇はない
三人の勘違いを解かないとな…………………
この後、三人の誤解を解くのに一時間はかかった…………
何か…………全然美鈴関係ないですよね…………すいません
因みに、黒音は陽の事を主様と呼んでいます
時々、主様になります




