雛ルートHAPPYEND
この新スペカ…………これに賭けてみるしか、ない!
陽「陽月[双翼昇華]!」
一か八かでスペカを唱える
これがどういうスペカなのかは解らないが
けど、今はこれに賭けるしかなかった
陽「がぁぁぁぁぁ!?何…………だ、この………痛み、は!?」
突如として体中に激痛が迸る
まるで、体が内側から爆発する感覚だ
陽鬼「陽!?ぐっ…………」
月魅「マスター!?うっ………」
追うようにして頭を抱え出す二人
雛「陽!!」
雛が俺に駆け寄ってくる
しかし、意識が朦朧としていたため
雛の事に意識を向ける余裕がなかった
雛「………妖力と霊力が暴走してる?
このスペルカードを発動したから?
それなら―――」
雛はおもむろに俺の顔を両手で挟み前を向かせる
雛「私だって神なのよ
神力を分け与えて痛みを抑える事ぐらいは…………!!」
そうして、一気に顔を近づけ
俺の唇と雛の唇の距離が0になり合わさる
そこから神力を流し込む
陽「…………!」
段々と痛みが退いていくのと同時に、力が湧いてくる
陽鬼「っ痛…………あれ?痛みが………」
月魅「………………どうやら、いけそうですよ陽鬼」
陽鬼「みたいだね、月魅」
二人が顔を見合わせ力強く頷く
一方俺達は―――
雛「落ち着いた?」
陽「あ、あぁ
けど、わざわざキスしなくても………」
雛「しょうがないじゃない
ああでもしないと治らないんだから
…………もう、大丈夫よね?」
陽「ああ、大丈夫―――」
俺が立ち上がり、陽鬼達の方へ向き直すと
陽鬼達も頷き
そして、陽鬼は陽化になるときの様に赤い炎になり
月魅は、月化になるように青白い光になって
その二つが俺を包んだ
雛「綺麗…………」
赤ちゃんを再度抱き抱えながら
私は陽の姿に見惚れてしまっていた
髪は赤と銀が混ざった色をしており
背中には赤く燃える羽がついている
角がやっぱり生えていて
服装は何故か銀の下地に赤い線が入った陣羽織を羽織っていた
ライガ「…………そうくるたぁ、流石に予想外だな」
八蛇「どうする?」
ライガ「どれだけのもんかが解んねえし、何より『あれ』のせいでまた完全覚醒に近づいた筈だ………一旦帰るぞ」
八蛇「了解だ……………だが、置き土産はおかせてもらう」
そういって二人は草むらに飛び込んで姿を消したの
けど、黒髪の方は巨大な蛇を三匹残していたわ
陽・YG「……………」
けど、陽はその蛇達に見向きもせず
村人達に手を向けて光のオーラを被せたの
そしたら―――
A「あれ?俺達何でこんな所にいるんだ」
B「うわ!!妖怪だ!!に、逃げろ!!」
C「ここら辺はよく考えたら知ってる道じゃねぇか!!
は、早く帰るぞ!!」
陽・YG「…………」
陽を見て逃げたのか、蛇を見て逃げたのか
それは解らないけど、陽は村人達が目で見えなくなった時に蛇に向き直り―――
陽・YG「………神力で作られたとはいえ、死にたくないだろ?」
えっ!?妖力か何かで作られたと思ってたけど、まさか、神力だったなんて………!
蛇達「…………!」
少し怯みながらも蛇達は左右と前から襲いかかる
陽・YG「仕方ないな…………ふっ!」
勢い良く手足を振るって右側の蛇を殴り飛ばし
同時に左側の蛇を蹴り飛ばす
最後に真ん中の蛇はなんと頭突きで飛ばした
………陽鬼っていう鬼が入ってるから
力が強くなっているのかしら
そして、綺麗に一例並んだ蛇達に向かって―――
陽・YG「超月[ルナティックスラッシュ]」
―――スペル宣言
剣の横切りで出した斬撃に切り裂かれて蛇達は全て消えてしまった
………まさか、スペルカード一枚で終わるなんて
私でも三枚は使わないと倒せないくらいの神力を纏ってたのに………
陽「………時間切れ、か………うっ……………」
変身が解け、地面に倒れる陽
よく見たら、陽鬼や月魅まで倒れている
余程疲れたのであろう
私は微笑みながら陽達が起きるまで待つことにした………このままだと帰れないしね
椛「二人共!大丈夫ですか!?」
にとり「何があったの!?」
雛「にとり………椛………」
どうやら、その心配はなくなったみたいね………
この二人に手伝ってもらいましょ
厄神の祠・中~
陽「うっ………此処は………雛の家か?」
何だか頭の下が無性に柔らかく感じるんだが………
雛「あら?起きた?」
すると、上から雛の声がする
だが上を向いても雛の顔が見えない
だって目の前にあるのは大きくて赤い―――
陽「っ!?」
とそこまで考えた所で俺の今の状況に気づいた
雛の声が上からし
下が柔らかい
という事は今は恐らく膝枕をされている筈であって
という事は目の前にあるこの物体は
雛の胸なんじゃないかと
いや、違うなら違うでいい
むしろ、違っていてくれ
だが、俺のそんな希望も儚く―――
雛「どうしたの?」
ムニュン
陽「…………!?」
ああ、胸がでかい人が他人の顔に胸を乗せたら
その他人は窒息死するんだなぁ
というどうでもいい事と
柔らかい胸の感触を感じながら
再び意識を失っ―――
にとり「雛?何してるの?」
陽「っ!?」
雛「あっ、にとり
陽が目を覚ましたのよ」
にとりが声をかけた瞬間に何故か意識が急に覚醒して
何故か、冷や汗が止まらない
何故だ
にとり「はぁ…………雛、胸で陽窒息仕掛けてる」
雛「えっ…………あっ!!///」
急に視界がクリアになる
にとり「陽、大丈夫?」
陽「あ、あぁ」
今回は本当に危なかった
にとりが来なかったら多分無意識に雛に殺されていただろう
雛「ご、ごめんなさい
全く気づかなかったの」
陽「いや、別に気にしてないよ」
悪気がないのであの行動自体は気にはしてないが
実際には胸の感触とか雛の匂いとか
何か凄い良い匂いだった…………
陽「………///」
にとり「その顔はスッゴい気にしてるよね!?
スッゴい真っ赤だよ!?」
陽「いや、此処が暑いだけだ
決して胸の感触とか思い出してたとかじゃあないからな?」
雛「………///」
にとり「自分で墓穴を掘ったね
しかも今は夜だよ?
夏でもないのに暑い訳ないじゃん」
しまった
やってもうた
椛「にとりー?どうしたの何か騒がしいよ?………って陽さん起きていたんですか
晩御飯はお粥ですよ」
向こうから椛が顔を出してきた
どうやら晩御飯の支度をしていたみたいだな
正直、食欲がないからお粥は素直に嬉しい
そして、このタイミングも嬉しい
椛「後、雛さんにお客さんがきてますよ」
雛「………?誰かしら?」
俺も気になって見にいったら
そこにいたのは数人の人間………ってか、此処に襲いかかってきた里の人じゃないか
何故此処に?
雛「どうしたんですか?」
A「厄をとってもらいたいと言いますか………」
雛「厄………ですか?
ちょっと待って下さい……………っ!?
何この量!?」
雛があり得ないといった顔で驚いていた
陽「………そんなにやばいのか?」
恐る恐る、俺は聞いてみた
雛「処理できない訳じゃないけど……………もの凄く時間がかかっちゃうかもしれないわ
しかも、この人数全員が似たり寄ったりの厄の量みたいだから…………」
陽「俺も何か手伝えれば…………」
と何もできない悔しさに歯噛みしていると、ポケットから二枚のスペカが飛び出してきた
厄神[鍵山 雛]
拝厄[打ち出す厄は空へと消える]
この二枚の一枚をとっさに使う
陽「厄神[鍵山 雛]」
雛「陽?………きゃ!!」
雛の体が光った瞬間雛が可愛く叫ぶ
そして、雛のつけていたリボンとなり
俺の頭の上に乗る
雛「これで………厄を消せるの?」
陽「多分な
けど、俺はやり方すら解らないから
すまないけど、教えてくれ」
雛「いいわよ
すいません、皆さん
私達が中心になるように円に並んで下さい」
雛の指示により俺達をぐるっと囲む様に並ぶ人里の人達
雛「次は
陽、その場で回転してくれない?」
陽「どういう風に回ればいいんだ?」
雛「両腕を横に延ばして………そしたら、つま先立ちをして
後は腕の力だけで自分を回す様に
その際、顔はワンテンポ遅らせてね」
なるほど、要するにバレエの様にやれという事か
陽「じゃあ行くぞ…………」
そして、ゆっくりと俺は回りだす
そうやってしばらく回り続けていると
里人達から黒いもやの様な物が湧き出てきている
これが厄なんだろう
そしてリボンになった雛に触れて消えていく
………いや、よく見たら消えているのではなく、リボンに吸収されていってるのだ
その証拠に赤いリボンはだんだん端から黒く染まっていっている
更に回り続けていると、次第に厄は里人達から出なくなっている
そして完全に出なくなったとき
赤かったリボンは真っ黒に染まっていた
そして俺は回転を止め、雛に聞く
陽「で、この後はどうすればいいんだ?」
雛「いつもなら厄は貯め込んでるけど…………今貯まってるのは陽だから、この厄を吐き出して空中で霧散させる必要があるわ
けど、発散させたらまわりの人に移っちゃうし………どうしようかしら」
陽「…………もう一枚の方のスペカなら使えるかもしれない
物は試しだ」
そしてスペカを構えて宣言をする
陽「放出[打ち出す厄は空へと消える]」
すると頭についていたリボンがほどけ
右手に巻き付いていく
完全に巻きついた時
包帯を巻いてるかの様な手になった
雛「それで、どうやって発散させるつもり?」
陽「多分…………こう」
手を上に掲げ
皆が弾幕を打ち出すかの様に
貯まった厄を空に排出した
それはとても黒く、大きかった
その厄は段々と上に上がり、最早点にしか見えないくらいまで打ち上がると
一切音を出さずに爆発した
雛「はい、これで皆さんの厄は取り除かれましたよ」
A「ありがとうございます」
雛「いえいえ、それよりも、気をつけて帰って下さいね」
里人「「「はい!!」」」
こうして、とんでもない量の厄を処理した俺達は
里人達を帰した後
祠に戻る事にした
そん時に聞いたのだが
あの以上な厄の量は操られた時に何か特別な術をかけられていて
それの弊害だろうという推測を雛はした
そんな話をした後
他愛もない会話をしながら祠の前まで来たところで雛に止められた
陽「ふぁ~、眠いな………」
雛「晩御飯、作ってもらってるのだから
寝る前には食べましょう」
陽「………そうだな」
けど、眠いものは眠い
しかし、夜なのに良くあの人達来たよなって思う
雛「………ねぇ?陽」
陽「ん?」
雛「その…………あの…………///」
顔を赤くしてもじもじさせながら言葉を繋げる
雛「もし良かったら…………私と一緒にあの子を育ててほしいんだけど………」
陽「あぁ、別に構わないぞ」
雛「………えっ?いいの?」
陽「別に困る理由もないしな」
それに雛一人じゃできない事も出てくるだろうしな
雛「そ、そう………そんなに簡単に了承されると拍子抜けするわね」
…………?
最後に何か呟いたみたいだけど
よく聞き取れなかったな
陽鬼「おーい、二人ともー!」
っと陽鬼が呼んでるな
あの様子じゃ、俺達が帰ってこないから心配したんだろう
多分、月魅も起きてるだろうしな
陽「行こうぜ、雛」
雛「…………えぇ戻りましょう
…………それに言う機会はちゃんとあるわよね」
陽「………?何か言ったか?」
雛「ふふ、何も」
HAPPYEND~
どうも作者です
何か…………今までのHAPPYENDルートよりも量が目に見えて増えましたね………
おかげで、日がすぎるすぎる
まぁ、とりあえず今までのペース配分で頑張っていこうと思います
今上げたら、かえって中身が尽きて書けない気がしますしね
ではまた




