椛&にとりルート4
妖怪の山・にとり家前~
椛「はっ!!」
陽(月化)「ふっ!!」
にとり「…………危なっ!!」
陽鬼「あの二人…………って陽だけだけど、もう少し抑えてくれないかな………」
今、椛が盟友…………陽と修行しているけど………
陽の使っている刀………月光剣だったっけ?
凄く不思議な感じがするね
霊力を帯びているからなのかな?
それに今の状態の陽の剣術は多分、椛よりも上…………
っていうかさっきから斬撃の余波が飛んで来てしょうがないんだよね
この斬撃を見ていると、あの例の庭師を思い出すね
陽「これで………!」
椛「くっ…………まだです!!」因みに、今はスペルカードはなしでやってるよ
多分、この辺りが吹き飛ぶしね
にとり「それでも、抑えて欲しい…………けどぉ!!」
陽鬼「岩斬れた!?
こらー!!もうちょい抑えろー!!」
陽「やれるならやっている!!」
椛「す、すいませーん!!」
まさか、陽の斬撃が岩を斬るとは
危うく、彼岸の世話になるところだったよ
陽「ふっ!!」
椛「わわっ!!」
陽の攻撃を剣で防いでた椛も
だんだんと避ける様になってきた
そりゃそうか、なんせ岩を斬るんだもんね
陽「隙あり!!」
椛「あっ………!」
にとり「勝負あり、だね」
たった今、陽が椛の剣を刀の柄で上手くはじき
勝負が決まった
勝者は陽だ
で、次は―――
陽鬼「陽~次は私だよ~」
たった今走って行った陽鬼だ
既に、月魅との変身は解いてある
陽「あぁ」
陽鬼「いっくよ~」
陽「じゃあ
陽化[陽鬼降臨]」
月魅「では…………」
目を閉じた月魅からは青白く輝く光が溢れ
月魅を囲む
対する陽は
陽鬼が炎に一瞬で包まれたと思ったら
その炎がはじけて陽を包み込む
そして―――
陽「よっしゃぁ!!いくぜ!!」
角が生えた陽と
月魅「…………行きます!!」
物凄いナイスボディになった月魅がいた
あれはどうも、戦闘形態と言うらしい
けど、私にもあれぐらいの立派な大きさが欲しいよ…………
陽「おらぁ!!」
月魅「ふっ!」
とか思ってたら、戦いが始まってたよ
二人共今回は武器なしでやるらしい
まぁ確かに、弾幕ごっこじゃないから刀なんて殴られた瞬間折れちゃうよね
だから二人共素手なんだけど
けど月魅って以外と素手でも戦えるんだね
殆ど受け流して平手打ちだけど
ビンタじゃないよ平手打ち
椛「にとり~大丈夫?」
どうやら、椛が戻ってきたみたい
所々濡れて、服が若干透けちゃってるよ………いや~エロいね
にとり「はい、汗拭きなよ」
椛「ありがとう~
ちょっと借りるね」
そういって椛は近くの木の後ろに隠れる
月魅「はぁっ!!」
陽「ぐっ…………」
月魅「終わりです」
ありゃ、どうやら陽が一撃もらったみたいだね
そのせいで、月魅の手が陽の首筋に当てられてる
陽「ちっ……………」
舌打ちしながら変身を解く陽
悔しかったみたいだね
陽「あぁー!!強すぎるぞ月魅!!」
月魅「この場合、殴ってばっかりだったマスターが戦い慣れしてない
そう見えますよ」
陽「…………マジで?」
陽鬼「一応言っておくけど、陽化って腕力以外にも脚力とか、体の硬さも上がってるんだよ?」
陽「あぁ…………………そうだったのか
今度から気をつける」
反省したっぽいね
まぁ戦い方は殴るだけじゃあないもんね
椛「はぁ~すっきりした~」
どうやら、椛が体を拭き終えたみたい
服も予め持ってきた物を着直したみたい
椛「あれ、もう終わったの?」
にとり「陽が殴ってばっかりだっから
割と早く決着がついちゃって」
椛「あれ?意外だね」
にとり「何が?」
椛「月魅さんって素手だと弱いイメージあったんだけど」
にとり「意外と戦えるみたいだよ」
椛「へぇ………」
陽鬼「お腹すいたー」
月魅「朝食にしましょう」
あれ?もうそんな時間だったっけ?
あっ、今更だけど今までのは朝練みたいなもんでさ
この後ご飯を食べて、椛は仕事に行ってからまた特訓
をしていくんだよ
にとり家・台所~
という事で朝食の時間だよ
基本的に作ってるのは陽鬼以外だね
だって一回試しに作らせたら―――
陽鬼「簡単だよ!!釣ったばかりの魚に
酒バッシャーかけて蒸す!!」
―――酷いもんでしょ
因みに、蒸される前に
魚はこの後逃がしたよ
そして今日の当番は陽
昨日は私だったけど
陽の方が安心出来るんだよね
おいしいし
陽「待ってろ~すぐ出来るからな~」
何でか機嫌がいいのを丸出しにしながら作り始める陽
何かいい事あったのかな?
陽鬼「楽しみだな~」
月魅「ま、マスターの手料理…………」
椛「…………二人に聞きますが、陽さんに何か言いましたか?」
陽鬼「へっ?何で?」
椛「凄く………機嫌がいいみたいなので」
月魅「あっ、それは久しぶりに料理が出来るから嬉しいみたいです」
料理が出来る時は機嫌がよくなるのか…………何でだろう
椛「料理が出来ると嬉しくなるんですか
何か可愛い所あるんだね………ね、にとり」
ただ料理が出来るから………?
多分違うよね
それだったら、多分料理当番ずっと任せてるし
椛「にとり?にとり~聞いてる~?」
特別な意味があるからとか………?
だったらどういう意味なんだろう
好きな人に料理を振る舞えるから、かな?
多分そうだと思うね
その理屈だと辻褄が合うし
陽「出来たぞ~」
陽鬼「わーい!!」
月魅「陽鬼、暴れないで下さい!!」
じゃあその好きな人って?
陽鬼?
陽鬼「…………?何、にとり」
……………好きな人っていうよりかは
保護者だよね、あれ
じゃあ月魅?
月魅「何でしょうか?顔に何かついてますか?」
………う~ん
こっちも何か違う気がする
好きは好きだけど恋愛対象じゃなくて
ただ子供が好きな感じがする
じゃあ…………椛、かな
椛「どうしたの?にとり」
………ありえそうだね~
胸は大きいし
犬耳と尻尾は可愛いし
性格も素直だし
……………胸が、痛いなぁ
なんでだろ……………
にとり「はぁ……………」
陽「どうした、にとり?
嫌いな食べ物入ってたか?」
にとり「………ううん、ごめん
ちょっと考え事してた
なんともないから、心配しないで」
陽「?そうか」
後にでも、解るかな
この感覚…………
椛「では、そろそろ仕事に行ってきます」
陽「そうか?今日は手伝わなくて良かったんだっけ」
椛「はい、陽さんが来ると他の天狗がうるさいので」
陽「そうか、気をつけてな」
椛「はい!」
…………まただ、椛と陽が話してる姿を見ると
胸が痛くなる、苦しくなる
椛が部屋から出るまで私はずっと陽を見ていた
何でかは、解らないけど…………
陽「なぁにとり」
にとり「うん?何?」
陽「将棋やろうぜ」
にとり「へっ?将棋?」
陽「駄目か?」
にとり「別に良いけど………」
陽がいきなり話しかけてきたかと思えば、将棋をしてほしいらしい
修行はしなくて良いのかと思ったがよく見ると―――
陽鬼「お腹いっぱい………もう動けない」
月魅「寝ないで下さい!!
牛になりますよ!!」
陽鬼「角生えてるから一瞬だって…………
それにそれは迷信だよ…………」
月魅「確かに迷信ですが
あなたは鬼なのに牛と変わらないなんて言ったら駄目じゃないですか!!」
―――なんていう漫才を繰り広げていた
というか陽鬼が言い出しっぺだよね
その当の本人がさぼっちゃ駄目でしょ
にとり「じゃあ将棋板と駒をだすから
ちょっと待ってて」
陽「おう」
えっと………どこに仕舞ったっけな
私は将棋板と駒を探しながらふと、考えてた
何で、いきなり将棋なんだろう
確か陽って将棋滅茶苦茶弱かった筈だけどな………
暇つぶしにしても
多分すぐ終わるしね
前に来たときも一回したけど
ものの数分で私の圧勝だったし
本当に、何でなんだろう
にとり「…………あっ、あった」
考える内にタンスの奥に仕舞ってあった将棋板と駒を見つけた
…………うん、多少埃被ってるけど
まだ使えるね
にとり「あったよ~」
陽「おっ、じゃあやろうぜ」
にとり「うん」
将棋板を広げ
駒を並べる
並べ終わってから始める
陽「………なぁ」
陽が飛車を王の前まで持ってきながら
話しかける
にとり「何?」
それに対して私は
一番右端の歩を動かす
陽「何悩んでるんだ?」
私と同じ列の歩を動かしながら尋ねる
にとり「…………さぁね
陽が悩んでるって言うなら
私は悩んでるのかな
どうしたの?急に」
手を止めて言葉を濁しながら呟く
私には悩みという悩みはなかった筈………
けど今は陽が他の女の子と話していると胸が少し痛くなる
これが悩みっていうなら悩みなんだろう
けどこれは悩みなのかは解らない
だって、最近になって起き始めた事なんだもの
悩みかどうかなんて解るはずもない
だから肯定も否定もできない
陽「何か朝、椛と話してる最中にずっとこっち見てたからさ
何かあるかなって」
あぁ………流石にばれてるよね
あの時言わないでもらったのは助かったけどさ
にとり「何だか解んないけどさ
時々、あるものを見てると胸が痛くなるんだよね」
陽が他の女の子と話してるのが理由は言わない
多分、凄く落ち込むから
陽「…………何か見て胸が痛くなるんだったら
それを気にしなかったらいいと思うぞ」
にとり「できたら、苦労しないけどね………」
陽「だったら、前向きに考えてみたらどうだ?」
にとり「………前向きに?」
こんな感情
どう…………前向きに考えたらいいのかな
陽「いや、さ
多分、原因は俺だろう?
ここの所にとりずっと椛と話してる時こっち睨んでるからさ」
にとり「うっ……………」
そんな事までばれてたの…………
凄く恥ずかしい…………
にとり「い、いや、陽は悪くないよ
私が勝手に見てただけなんだからさ」
陽「いや、俺が悪い
だってにとりお前―――」
一旦言葉を区切ってから
陽は立ち上がり、私の肩を持つ
にとり「ちょ、近い近い近い近い近い!!」
陽の顔がだんだん近くに来る
私の心臓の鼓動が早く、大きくなり
顔はみるみるうちに赤くなっていってるのが解る
そして、目の前に来て―――
陽「構って欲しかったんだろ?」
恐らく、見当違いも甚だしいくらいの言葉を放った
にとり「…………………………………………………へっ?」
陽「だって、全然喋ってなかったしな
寂しかったんだろう?」
にとり「…………………プッ、あはははははは!!」
陽「に、にとり?」
何か、陽の言葉を聞いてると馬鹿らしく思えてきた
悩んでる自分が馬鹿みたいに
にとり「そうだね、寂しかったのかもね
ありがとう、陽」
陽「そ、そうか」
何もしてないのに解決したから、戸惑ってるね、陽は
にとり「じゃあ、続きやろうか」
陽に将棋の続きの催促を促す
陽「いいぜ、絶対勝ってやる」
その後、陽はボロ負けで私の圧勝
陽鬼も起きて修行再開
椛も仕事から帰ってきてご飯を食べる
さて、明日はいよいよ陽鬼の言ってた日だ………………
どうも、作者です
すいません遅くなって…………
これはあの"課題"という奴がいじめてきたんですよ
その後に"新作ゲーム"というのが慰めてくれたんですよ
だから遅れたんです
……………はい、すいませんでした
言い訳は駄目ですね
という事で、今回は謝辞だけです
感想、批判、質問等などありましたら
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