???
陽「…………ここ?」
紫「えぇ、そうよ
人間ってこんなに免疫が低いものなの?それとも貴方が特別低いだけ?」
陽「………風邪を引いた橙の世話を延々とやってたらそりゃあそうなるよ
あの娘は治ってよかったけどまだ症状としては軽いし…」
永遠亭
彼がそこに来たのは風邪をひいた時だった
つまりは薬をもらおうと来たわけだが正直かなり風邪としては症状がまだいい方で立って歩けるし軽い運動ならこなせるくらいだ
だがそれでも、八雲紫に案内されて無理やりここまで来たわけだ
陽「………それにしても、さっきから妙に罠があるけどここって本当に人を迎え入れる気があるの?」
紫「ココのちび兎1匹がイタズラで仕込んでるらしいけど永琳ったら止める気ないから…………」
てゐ「ん………?うわ、やばっ……!!」
陽「………何か今子供みたいなのが建物の中に入っていったんだけど」
紫「………無視でいいわよ、後で永琳に言っておけばいいんだから………永琳、いるかしら?」
子供の兎を無視してそのまま建物の中に入り、おそらく歯医者の名前であるとお問われる名前を少し大きめの声で呼ぶ紫
永琳「いるわよー」
それが聞こえたのかすぐ側の部屋から聞こえてきて少しほっとしたような顔をしながら紫は彼を部屋へと運んでいく
永琳「珍しいわね………あなたが来るなん………!?」
紫「………私が人間の子供を引き連れてたらそんなにおかしい?」
永琳「何?栄養たっぷりに肥え太らせて後で美味しくいただきたいってこと?」
紫「いきなり失礼なこと言うのはやめて欲しいわ………ちゃんとただの診察よ
この子が風邪を引いたから………」
そう言って永琳………そう呼ばれた薬剤師である彼女は驚きながらも診察を続けていく
永琳「………別にこの程度なら安静にしてるだけで治るけど………まぁ一応調合しておくわね
にしても……妖怪の賢者が人間の子を………ねぇ………?」
ジト目になりながら永琳は紫を見つめる
紫「………何よ」
それにちょっと嫌気がさしているのか紫の方もジト目で返す
陽「………えっと、喧嘩は……ダメだと思う」
彼の言葉に紫が軽くため息をついてから渡された薬を受け取って彼の手を繋ぐ
紫「さっきの言葉は聞かなかったことにしてあげるから………もう帰るわ
代金、置いておくわよ」
永琳「え、えぇ…………」
普通なら言い争いになるようなところを彼の言葉一つで紫が引いた
永琳からしてみれば驚きしかないわけであり内心こう思ったのだ
『まるで母親のようだ』と
しかしそれだけではないのだろうとも永琳は考える
遥か長い時を生きている永琳にとって人の感情はある程度までは察せる事が出来る
しかし、完全にではない
血の繋がってない彼をどうして紫が引き取ろうとしたのか
人と妖怪、やはりそこに違いなんてなくせいぜい考え方や寿命の違いしか無いのではないか………
永琳「なんて………考えていても私も悟り妖怪じゃないし予想までしかできないもの
彼女が誰に惚れようがこのように愛そうが私には大して関係ないわね………」
と、そこまで考えてからそう宣言して考えを切り替えたのだった
宣言通りこれ以降の投稿は行いません
作品は一定期間は残しておきますがマルチ投稿でもない気がしますのでその事は説明欄に書かないようにします
これまで読んでくださった皆様ありがとうございました