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東方月陽向  作者: 趙餡
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さとり&こいしルート

さとり「そこの書類の処理を頼みますね

あ、それとそこのお皿は片付けて洗っておいてください」


陽「はいはい、任されましたよお嬢様」


俺は結局さとりとこいしの面倒を見ることに決めた、と言ってもさとりの方はもう既に大人らしい振る舞いはあるので放っておいてもいいし本人にもなるべく仕事の邪魔はしないでくれと言われているから特に問題は無いが問題はこいしの方である

フラフラ〜ってすぐどこかに何も言わずに出かけていってしまう、俺の役目はきっちりこいしがどこに聞き出すこと…………らしい、さとりもそれくらいでいいと言っている


陽「と言ってもなかなか疲れるな……………こいしはフラフラ出かけるのはこいし自身の能力のせいなんだけどその能力がこっちにも被害を出してしまっているから俺も気づかない時が多い」


人の無意識を操る、っていうよりこいしを中心としたある一定の範囲内のすべての生物の意識をこいしを認識しないようになっているらしいな

要するにこいしは能力を使いこなせていない、今までよくそんな危ない動き方してたんだよ…………

そしてまた知らない間にこいしどっかに行ってるし!!


こいし「あれ?陽何してるの?」


陽「お前を探しながらさとりの手伝いしてたんだよ!今度はどこいってたんだ?」


俺がどこに行ったか訪ねても何故かポカーンとしているこいし、なんか様子変だけど別に能力が発動しているって訳でもなさそうだけどどうしたんだ?


こいし「私別にどこにも行ってないよ?ずっと夜の背中に張り付いてたよ?セミみたいに」


陽「何でそんなことしてるんだよ!!ふと気がついたらくっついてたのか!?ほんとにいろんな意味で恐ろしい能力だなそれ!!」


何で俺背中に張り付かれていたのに気づかなかったんだ!重みで気付くだろう!!


こいし「まぁ無意識を操られたらどんな人でも私を認識できなくなるようになっちゃうしね

本当ならもっとこの能力を使いこなしたいんだけど使おうとしたらすぐに無意識になっちゃうから…………」


…………本人も頑張ろうとしてるんだからあんまり言うのも酷って奴だな

そりゃ無意識を操るなんて結構無理させてるだろうし…………うん、怒るのはやめておこう

俺の能力は所謂任意で発動できるけどこいしは元々さとり同じような能力なのにサードアイの目を閉じてしまってるから不安定な能力に目覚めてしまった

これを治せるのはかなり時間と労力を割くだろうしこいしの体が持つかもわからないもんな………


陽「……………まぁ、今度からなるべく気づけるようにしておけばいいだけの話か」


さとり「陽さん、手伝ってくれてありがとうございます

書類を一々ペット達に運ばせても良かったんですがちゃんとそういう仕事をこなせるのはお燐かお空くらいでして…………あとの子は基本的に四本足で動いているかそもそも手足じゃなくて触手しかない子もいますから中々上手く動けるわけでもないんですよね…………」


人型に変化出来るのは確かその2人だったんだよな

俺も確かに地霊殿で見た目が人といえばさとりとこいし、お燐とお空くらいだからな

それ以外は本当に妖怪っぽいのや動物のようなものばかりである


陽「にしても本当にここは動物とかいっぱいいるよな…………殆どが多分妖怪なんだろうけど」


さとり「人間を飼おうとは思いませんしね

そんなことをすれば博麗の巫女に怒られてしまいます」


その怒られるって言うのは多分1回弾幕ごっこをしてそのままパーフェクト負けしてしまう迄の流れを言ってるんだろうな

話を聞いていたんだとしても聞いてたのかわからない時あるし


陽「…………あ、まだ仕事あるなら手伝うけど」


さとり「大丈夫です、もう残ってませんから」


となると今凄く暇ってことになるのか?暇ってことになるんだろうな


陽「…………俺はこれからどうすれば?」


さとり「そうですね…………ちょっと早いですがご飯にしましょうか

仕事をしてたとはいえ私も少しお腹が空きました」


飯か…………居候させてもらってるしなにか俺が作ってやりたいんだけどどこに調理室があるのか俺よくわかってないんだよな

そう考えている俺に対してさとりは微笑みを浮かべて喋り始める


さとり「大丈夫ですよ、私達もちゃんと料理くらいはできるんですからこれくらいはさせてもらわないと

それにここに居候する条件としては仕事の手伝いなんですから料理は項目に入っていません、だからそういうことを考えなくてもいいですよ」


…………そう言えばさとりは心読めるんだよな

こうやって考え事してたけどやっぱり全部読まれてるんだよな…………なんか不思議な感じだな


さとり「そうですか?私がこういう妖怪だということは陽さんがよくわかっていることじゃないですか?」


陽「いや、まぁそうなんだけどさ…………」


心を読まれているせいで少しやりづらそうな雰囲気を出してしまったせいかしどろもどろな返事を返してしまう

俺は流石にそこまで思考が読まれても平然としていられるような人間じゃない

知っているとはいえ少しやりづらい


陽「……………はぁ、とりあえず部屋に行ってくる」


とりあえずこの部屋から逃げ出すとしよう、さとりには悪いが…………な


さとり「えぇ、こいしを任せましたよ」










陽「はぁ……………」


部屋に戻ってからは俺はため息をばっかりついている気がしてくる

部屋には俺以外に陽鬼、月魅、黒音、光…………要するにフルメンバーが揃っている

それぞれベッドで寝たり武器の手入れをしてたり本を読んでたり部屋の隅で座っていると完全にそれぞれのことをしている

光に至っては多分隅っこで寝てる、頭ふらついてるし


こいし「なんでさっきからそんなにため息ついてるの?何か悩み事でもあるの?」


陽「んー…………とりあえずいつから俺の部屋にいたのか教えてくれないか?全く気が付かなかったし内側から鍵かけたしお前部屋の合鍵持ってなかったよな?」


いきなり椅子に座ってる俺の隣にいてそして話しかけてくるこいし

別に泥棒とかは全く心配してないが鍵はかけておいて損は無い…………けど本当にこいしはいつからいたんだ


こいし「?私はじめからいたよ?

ずっと陽鬼の顔を弄ってた」


あぁさっきから陽鬼が寝苦しそうに唸ってたのはそれが理由か?そりゃ、寝てる最中に顔弄られたら寝苦しいだろうな

普通は起きるはずなんだけどな


陽「だいたい分かったがいたのなら声をかけるくらいしても良かったんじゃないな?流石にいきなり声をかけられるとびっくりする」


こいし「私ずっと陽の周りで色んなことしてたのにいきなり声をかけたも何も無いよ」


まぁ無意識で見えないから何されても気づかないのはしょうがない………………ん?ちょっと待て


陽「色んなことって何したんだお前」


こいし「……………それよりなんでお姉ちゃんのところにいないの?お姉ちゃんのお手伝いなんでしょ?」


あ、今露骨に話変えやがった

本当に何してたんだこいしは…………ちょっと怖くなってきたんだが


陽「おい待て露骨に話を変えるな

俺はお前が俺が気づいていない間に何をしたのか気になるだけだから聞いてるんだが言えないほどやばいことしたのか!?」


こいし「………お姉ちゃんの手伝いならここにいるよりお姉ちゃんのところいった方がいいんじゃないの?」


……………うん、こいつはもう誤魔化すことしかしないな

すごく気になるがこのまま話してても絶対にこいしは話そうとしないだろうな

しょうがないしこの話題は止めよう


陽「………まぁそうだな、けどさとりにしばらく休んでいていいって言われたからな

いつもペット達に任せていることを俺にやらせたら早かったんだと…………飛べない代わりに手足があるから手足がない奴らとか四速歩行で俺より小さいヤツとかに任せなくても良くなったから早くなったとか」


こいし「へー」


自分から聞いておいてその反応はどうなんだよ……気にしないけどさ

そうやってみていてふと気づいたことがあり、こいしの被ってる帽子を取る


こいし「あっ!ちょっとなんで帽子取るの!?」


陽「ほつれてんぞ、手直ししとくからしばらく待っとけ」


そう言って帽子のほつれている部分を指さしてこいしを納得させる

大人しく待ち始めたのを見届けると部屋に置いてあった棚を漁って裁縫道具を取り出す

そのまま黙って帽子のほつれを直していく

他は騒いでいるが別に気にもしないので縫っていく


こいし「…………ねぇ、ちょっといい?」


陽「どうしたー?他愛もない話なら聞けるけど」


しばらくしてからこいしが口を開く

帽子のほつれを完璧に直すまでは一度もやったことないから手探りでやっているため結構時間がかかっている


こいし「ずっと陽に言おうと思ってたんだけど…………変わったよね、本当に」


陽「変わった?どんな風に?」


人間変わった自覚が湧かないが湧かないもんだが他人から見たら凄い変わってる、なんて言うのがあるらしいな

そんな感じか?


こいし「初めてここに来た時……………本当につまらなさそうな顔してた

ううん、つまらない顔って言うか……………自分の知らない世界の楽しみ方が分からないから他人を避けてるって感じだった

何があなたをそこまで替えたの?」


陽「…………俺ってそんなんだっけ?初めてここに来た時少しくらい楽しかったような気がするけど」


そういう記憶があるからそうなってるはずなのに何故かこいしの言葉は俺の心に刺さったような感じがした


こいし「ううん……………もっと言うなら『どうして2度目の幻想郷で全く記憶がないはずなのにそんなに前向きになれたの?』」


こいしのさらなる言葉の追撃は確実に俺の心に刺さった

心臓が痛いほど鼓動を打っていて血が血管をすり切らせるほど素早く流れ始めて指が痙攣し始める


陽「…………何言ってるんだ?」


こいし「私が言えたことじゃないけど誤魔化さないで

貴方が今のような考え方は前の貴方からじゃ考えられない」


喉が乾く、俺は一体何をそんなに焦ってるんだ?

そんなに…………こんなことになるまでになるなんて普通じゃない


陽「誤魔化してなんか…………誤魔化してなんかない

俺はただ記憶の中から喋ってるだけで前に来た時にそんな考え方をしていると思わせるような行動をしてたのかって思っただけだ

……………帽子、出来たから」


こいし「わぷっ」


そういってほつれのあった帽子をこいしに深く被せる

こうしてこいしの視線を隠さないと気が動転するほどになりそうだったからだ


陽「んじゃ俺はちょっと散歩してくるから」


そう言って俺はそそくさと部屋を出た、深く被せたところでどうせ稼げる時間は数秒も稼げれば上等な方だ

だから俺は部屋から逃げた、じゃないとこいしの追求がまた来そうで怖かったからだ


こいし「あ!陽!!」


部屋の扉を閉じる寸前に聞こえてきた俺を呼ぶ声

陽鬼達は各々やりたいことをやっていたから多分今の声でこいしに注目が言った気がする


陽「………やっぱりさとり妖怪ってのはまだ苦手だよ」


心を読む読まないに限らず、な………………………

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