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東方月陽向  作者: 趙餡
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鈴仙&てゐルート3

また新しい夢を見た

走馬灯の様に色んな記憶が流れていくのをただ傍観するだけの夢

いや、それだけでは終わらなかった


陽「ここは…………」


そこはいろんなものがある世界

お茶碗やら皿やら銃とか刀などのいろんな物がそこらじゅうに散らばっていた

見た瞬間理解した、これは俺の創造する程度の能力の世界なのだと

ならばもう一つ、限界を無くす程度の能力の世界はどうなっているのだろうか

もしかしたら俺はその力の世界の扉を開けるんじゃないのか

そう考えると目の前に扉が現れる

そして開けようとする、が鍵がかかっていた

鍵穴がある、鍵を創ろうとする

不可能、鍵の形を知らない、創造は不可能

ならばその壁を壊せ、限界を壊せ

力を行使し、『存在しないものでさえも創りだしてしまえ』

俺にはそれが出来る筈

だから、鍵をーーー






輝夜「ちょっと、起きなさいよ」


陽「ん……………輝夜?どうしたんだ?」


朝、目を覚ますと輝夜が顔を覗き込んでいた


輝夜「どうしたんだ?じゃないわよ全く

もう朝よ?もうご飯の準備出来てるんだから」


陽「え………ちょっと待て今すぐ着替える!!」


輝夜「先に行っておくわねー」


陽「お、おう!!」


何で寝過ごしたんだ俺のバカ!!

早く着替えないと………!!






鈴仙「遅いわよ!!」


陽「ご、ごめん」


永琳「力はあっても体力がなかったのかしら?」


陽「力があるのかは知らん!」


てゐ「いたずらしても良かったんだけどね」


陽「すんな!」


あぁもう!!あしらうのがめんどくさい!!

いや悪かったの俺だけどさ!!


輝夜「まぁまぁ、別にいいじゃないこういう日もあるわよ」


永琳「………まぁ一日くらいならいいでしょう

それに今日はてゐの手伝いもさせたい所だし」


陽「てゐの?」


手伝いというのはあくまで上辺だけで、本当はてゐがいきすぎた事をしたらお仕置きをして欲しいという事だろう


永琳「ええ、

と言うのも薬の材料が足らなくて予備の分が作れてないのよ

だから今日は優曇華だけで昨日言ってたところとは別の区画に行ってもらう事にするわ」


陽「なるほどな」


永琳「薬の材料を取りに生かせるのは彼女達に任せてあるわ

まぁ夕方までには帰ってくるでしょうけど………昨日も働いたのによく頑張るわねあの子たち」


陽「働き者だろ?」


永琳「貴方と違ってね」


たった1日寝坊しただけで働いてこの扱いである

酷いものを感じる


陽「…………まぁいいや」


てゐ「と言うことは今日は私の手伝い?」


永琳「ということになるわね」


てゐ「ということは……………私の下ということ…………」


永琳のセリフを聞いたてゐが何やら嫌な笑みを浮かべていた

いや何を考えてるのかは一目瞭然なんだけどな

どうせこれにかこつけて俺をやりたい放題使いまわすとかそんなところだろう

まぁけど…………


永琳「あぁ、彼は監視役よ

貴方が変なことをすればすぐにお仕置きを与える役割を任せているわ」


その妄想は同じく永琳の言葉によって打ち砕かれた


てゐ「……………え?」


永琳「だから、貴方は彼の下につくようなものよ」


サーッと顔が青ざめていくのがわかる

下につくと思ってたのが上だった訳で

しかも永琳から直接「お仕置きをする役割を任せている」なんて言われているんだから当然だろう

俺だっててゐの立場なら何をされるかわかったものじゃないから余計に恐怖するだろう

あの永琳が許可したのだ

恐怖しないわけが無いだろう


永琳「私がその許可を出すのはどういう恐怖を生み出すのかしら?」


…………ここまでピンポイントに読めるものなのだろうか

ここまで来るとさとりの領域だぞ

実は永琳は蓬莱人じゃなくてさとりだったんじゃないのか


永琳「………まぁいいわ

まあそういう事だから覚悟しておいてね、てゐ」


てゐ「そ、そんな…………!!」


心底がっかりしているのが見て取れる

どれだけ俺を下に見ていたのだろうか


鈴仙「まぁ偶にはあんたにもそういう目を見た方がいいと思うわよ

いたずらばっかりして内でちゃんと働きなさい」


てゐ「なっ!?私はちゃんと働いてる!!」


輝夜「けれどいたずらの罠を仕掛ける余裕はあるのね」


てゐ「う……………」


永琳「そういう事よ、そんなことしている暇があったら仕事量増やしなさい」


てゐ「ぐぬぬ…………」


苦し紛れにこちらを睨むてゐ

しかし俺はその視線に気づかないふりをしながら永琳の話を聞いていた


永琳「それじゃあ今日は薬の在庫無いから優曇華は薬がなくなり次第帰ってきてね

てゐは庭で育ててる植物達の世話よ

陽はそれを見張っててね」


陽「分かった」


鈴仙「分かりました」


てゐ「な、納得がいかない!!何で私が見張られないといけないんですか!!」


永琳「てゐにおいてはすべての反論、文句、正論を却下するわ」


てゐ「なっ!?」


いかに自分がしてきたことが酷かったのかこれで身にしみるだろう

確かに仕事こそサボってないが、いたずらが出来る余裕があるなら仕事しろと言われるのも当然だ

まぁ俺も心を鬼にしてやるしかないか…………


てゐ「……………はぁ、分かりました、仕事しますよー…………」


諦めがついたのかやけに素直になるてゐ

………………何か企んでなきゃいないといいが…………






数十分後〜


てゐ「それじゃあさっさと仕事しよう……………」


やる気がなさそうに庭の手入れをし始めるてゐ

…………しかし


陽「ここの庭って色々あるんだな…………」


大きめの畑や、それを耕す為の農具、それに竹林と柵で区切ってる筈なのに永遠亭側、つまり柵の内側に竹が数本生えてある

他にも色々あるが、何故これだけのものがあるのだろうか


てゐ「そりゃ此処で色んな薬の材料を探しているからだと思うよ」


と、向こうに行っていたと思っていたてゐがこちらにいた


陽「薬の材料?それならわざわざ陽鬼達に取りに行かせなくてもよかったんじゃないか?」


てゐ「あー…………そう言えばこっち側しか見た事無かったんだっけ

ちょっと着いてきて」


そう行って手招きするてゐ

俺はそれに従い着いていく


てゐ「ここにある畑は一緒に耕したこともあったけど、向こうは広すぎるから手伝わせるわけにも行けなかったし、耕すにはちょっと方法が違うものもあるから触らせなかったけど……………」


永遠亭の後ろの柵から道なりに進んでいく

やけに整備されてる道だけど………こっちにまだ畑があるのか?


てゐ「ほら、ここ」


そう行って指を指す場所は開けてるようで日の光が見えていた

そして、よく見えないので近づいてみてみると


陽「っ……………こりゃ凄いな」


見事な畑が広がっていた

永遠亭の周りなんかとは比較にならないくらい大きい畑

そこでは人………いや、人間体の兎たちがせっせと摘んでいたり、植えたりをしている

よく見てみればそこには陽鬼達の姿も見える


てゐ「という訳、だから『材料の調達』って言ってたの

これだけ広いと普通の人にはどれが何かわからない

ましてや知識がなければ何も出来ないのさ

まぁその辺りは兎たちが知ってるけど……………まぁ、やるのはこっちの畑なわけ、わかった?」


陽「あ、あぁ

いやしかし……………大きいな」


永遠亭の近くにあったのはあくまでも食料用だったのか?

けどそう考えるとこの量も頷ける

晩飯の材料は人里に買いに行けば問題ないわけだしな


てゐ「まぁ正直大きすぎるとは思うけど…………これくらいしないと足りなくなることもあるからねー

実際今足りてないから仕事量を増やして薬を作ってるんだけど………作れるのは永遠亭には1人しかいないからそれも限界があるしね」


『あらゆる薬を作る程度の能力』それが永琳の能力である

文字通り材料さえあればどんな薬でも作り出すことが出来る

さらに聞いた話だが、あらゆる薬毒が効かないらしい

それに関しては輝夜から昔聞いた話なので本当のことは分からないんだがまぁ仮にそれが本当だとすると……風邪も引かないんじゃなかろうか

病気すら発症しないというのは羨ましい気がするな

………まぁ、疲れないというわけではないし病気にならなくても過労で倒れでもしたら大変だしな


てゐ「けど困ったもんだよ

お金は安いし、払われなかったらいつまでも待つだなんてどうかしてるとしか思えないね」


陽「けど今までそんな人いなかったって聞くぞ?

実際永琳の仕事って患者を見る事と薬を作ることだしな」


てゐ「まぁそうなんだけどね…………人が良すぎるのも考えものっていうか……………」


陽「別段お金で困ってるわけじゃないだろ?

貧乏生活してるわけじゃ無さそうだし」


てゐ「分かってないねー…………」


陽「何がだよ」


てゐ「お金って言うのはいっぱいあっても困らないものなのさ

それで困ってる奴がいたら、それは超が3つ付くほどのお金持ちなんじゃないかな」


要するに、金儲けしたいだけだなとは言わない

てゐはこういうものだと俺は認識してる


陽「まぁ…………とりあえず早く仕事しようか

俺もある程度手伝うさ、てゐがサボることにならない程度に」


てゐ「ちぇ、覚えてたか」


話を変えて自分の仕事サボる気満々だったなこいつ

……………まぁ頼まれた事があれだけど頼まれた事はちゃんとしないとな


陽「ほらほら、今の話はサボったことにしてやらないからさっさと行こうぜ」


てゐ「それ『今の話をサボった事にされたくなかったら働け』って事だよね……………って言っても私の仕事は薬の材料がちゃんとあるか兎たちに聞くことだし………」


と言いながら近くにあった台に手を伸ばし、乗ってあった紙束を手に取る


てゐ「さて、それじゃあお仕事するとしましょうか」


と言うとそのまま歩き始めた

そして、一匹の兎に話しかける


てゐ「量はどう?」


兎「結構多いですよ

予想してたより成長が良くて全部収穫したら倍くらいになると思います」


てゐ「んじゃいつも通り残ったのを埋めてね

それでも余るくらいならそれも上乗せしていいよ」


兎「はーい」


てゐ「これはノルマ達成っと…………」


紙に書いてある欄の一つに〇を書く

そして、すぐに別のところに行き別の兎に話しかける


てゐ「そっちはどう?ノルマ分ある?」


兎「バッチリでーす」


てゐ「これもOK…………っと」


そしてまた別の欄に〇を書く

そこで一つ気になったので聞くことにした


陽「それって薬の材料の欄だろ?全部で何種類くらいあるんだ?」


てゐ「ここの畑の分しかないから…………10種類くらいかな?」


つまりあと8個欄を○すればいいわけか


陽「意外と少ないんだな」


てゐ「何言ってるのさ

混ぜる薬のパターンや数の違いがあるし、それに薬によっては特殊な混ぜ方とか、順番もあるんだよ?ここの分だけで何種類の薬が出来上がることやら」


陽「な、なるほど」


それだけ言うとてゐは陽鬼達がいるところの兎に話しかける


てゐ「手伝いは役に立ってる?」


兎「バッチリですよ、この薬草って力込めないと抜けないんですけど流石鬼ですね、すぽすぽ抜けてますもん」


陽「役に立ててるみたいでよかった

陽鬼達も仕事の手伝いをして偉いぞ〜」


陽鬼「よ、陽///!?」


陽鬼達のことを褒められるとまるで自分の事のように嬉しくなってしまい、ついつい撫でてしまった

恥ずかしいのか赤面しているけど、帰ったらハグでもしてやろうか


月魅「マスター、私も撫でてください」


陽鬼を撫でていると月魅が頭を差し出すように持ってきた

その横には呆れたかのような目をした黒音がいた


黒音「お主…………何故かとても必死に見えるのじゃ」


陽「当然お前達もよくやったぞ」


二人も褒めてやり、頭を撫でる


黒音「ぬ、主様///!?妾は別に撫でなくとも良いのじゃ///!!」


これが俗に言うツンデレだろうか

撫でられているのを嬉しそうにしているのにその言葉は説得力が無いだろう


陽「その言葉は顔がにやけてると全く意味が無いぞー」


黒音「に、にやけてないのじゃー///!!」


てゐ「…………いちゃつくのはいいけどさっさと終わらせて報告するよ」


陽「ん、分かった」


この後も同じ様に兎たちの報告を聞いてそれを書類にまとめ、永琳に提出

その際に


永琳「珍しくイタズラしなかったのね

いつもこうならいいのだけれど」


と愚痴を受け取って顔をしかめたてゐであった

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