鈴仙&てゐルート2
夢を見た
銀髪の女の子が竹林で倒れていた
俺はその子に駆け寄り、意識の確認をした
気絶していたので竹林の医者に見てもらうことにした
その時は、黒髪の着物で着飾った少女と共に散歩していた
いつもなら因縁相手であろう人物の襲撃を受けるらしいが、俺がいる時は決まって襲うことは無かった
それを知ってか知らずか、俺が彼女の住んでいるところに来ている時はいつも連れていかれる
それが幸いしたのか、何事もなく運び終え、治療してもらった
だが、彼女は妖精の類いらしいが妖精より格上の存在『精霊』である事も医者である女性によって判明した
しかし、力が落ちたのか妖精クラスにまで落ちていたという
しばらくは立って歩けるかどうかもわからないというので拾ってきた俺が面倒を見ることになった
しばらくして目を覚ましたそんな彼女は、俺を見るなりこう言った
「私は月の精…………これから宜しくお願いします、『マスター』」
陽「ん………………」
目覚めればもう既に朝であった、しかし誰も起こしにこないということはまだ起きるのが早かったのだろうか
輝夜「あら、起きた?」
気づけば寝ている隣に椅子を使って座っている輝夜がいた
陽「…………いつの間に」
輝夜「貴方が起きるずっと前から♪」
見れば大抵の人間は老若男女問わず見惚れるであろう彼女の笑みはしかし俺には効かない
いや、綺麗だとは思うが…………何故か見惚れない
よく分からない
輝夜「相変わらず私に惚れようとはしないのね?」
陽「そんなことさせる気もサラサラないだろ?」
輝夜「まぁそうね、貴方は素敵な男性ではあるけど求婚されるのはもうコリゴリよ」
陽「輝夜の場合はすることも無いだろうな」
輝夜「そうね、私は旦那がいなくても充分今の生活を楽しんでるわ
それに無理難題を出すのもやるのも嫌だし」
陽「さてと………今起きてるのって輝夜だけか?」
永琳からは今日から仕事を手伝って欲しいと言われてたしな
輝夜「いいえ、永琳が起きてるわね
優曇華はまだ寝てるし………てゐも寝てるわね」
陽「そうか……けどもう眠気がないしなぁ」
輝夜「少し早いけど永琳に朝食でも頼んでみたら?」
陽「何かあればいいけどな……………」
輝夜「私もお腹減ったから食べたいわね」
陽「…………分けて欲しいのか?」
輝夜「えぇ」
あ、結構図々しいな
まぁ別に深刻な少なさでない限りは分けるつもりだけどさ
陽「…………まぁとりあえず行ってみるか」
輝夜「ふふ、いいわよ
行きましょう」
何が面白いのか軽く笑いながらついてくる輝夜
まぁ、単純に飯が楽しみってだけかもしれないけど
永遠亭・居間〜
陽「さてと……………お、結構あるな」
輝夜「卵があるじゃない
ご飯も作れるだろうし、これでちょっとしたものが作れるんじゃない?」
余ってるのは………卵、白米、海苔と味噌…………って完全に日本の朝ごはんの風景だな
まぁ卵は生卵だから卵焼きに調理しなくちゃならないし、白米は炊かないといけないな
でも…………結構余ってるしこれなら永琳、てゐ、鈴仙の3人に作れるな
無論、俺と輝夜を含めて合計5人分だけど
輝夜「あら?貴方が作るの?」
陽「簡単な料理なら作れるぞ」
輝夜「ふーん………なら何を作るのかしら?」
陽「卵焼きとご飯、味噌汁
そして海苔」
輝夜「普通ね」
陽「あった具材が普通なんだからしょうがないだろ」
卵とご飯で炒飯も出来ないこともないが………具材が足らなすぎる
卵とご飯だけで炒飯作ればそれはただの卵かけご飯を炒めたなにかだ
海苔をかけてもいいが…………他にある具材といえば豆腐とネギだもんなぁ…………
炒飯に味噌使って美味しいのかな………1人の時なら試してみても良かったけど今回は別だ
輝夜「まぁ………料理しない私が言ってもしょうがないわね
別に特定のものが食べたいというわけではないし」
陽「そういえばいつも誰が作ってるんだ?」
輝夜「永琳ね
たまに鈴仙が作るくらいよ」
陽「へぇ………とりあえず3人起こしてきてくれないか?」
輝夜「永琳ならもう起きてここに来ると思うけれど…………」
陽「なら優曇華達起こしてくるの任せるよ」
輝夜「姫使いが荒いわね」
別段嫌そうにせずに部屋から出る輝夜
そのあいだに作ろうとすると、入れ替わりなのか永琳が入ってくる
永琳「あら?貴方が作るの?」
俺が起きていたことには何も追求せずにいきなり料理の話に持っていく永琳
輝夜「輝夜にも同じ事言われたよ
そんなに作るイメージないのか?」
永琳「だって貴方って料理できなさそうなイメージ持っていたもの
まぁ私の勝手なイメージだけれど」
陽「まぁ簡単なのしかできないから上手に出来る、って訳では無いんだけどな」
永琳「それでいいわよ
私だってその残った材料だと凝ったものは作れないもの」
陽「ならよかった」
そんな会話をしながら着実に準備を進めていく
ご飯を洗いながら同時にお湯を沸かす
洗い終えたら釜戸に移して炊き始める
まだ沸かないのでその間に卵を割ってかき混ぜて卵焼きを作り始める
ってか釜戸多いな
火は俺がマッチ棒作ったからすぐについた
輝夜「起こしてきたわよー」
鈴仙「あれ?今日は陽が作ってるんだ」
てゐ「てか作れるの?」
目覚めがいいのか寝間着姿とはいえいつもと変わらない様な感じの鈴仙といかにも眠そうにあくびをするてゐが入ってきた
陽「待ってろ、ご飯炊けたらすぐに朝飯にしてやる」
永琳「あ、そうだ
昨日も言ったけど今日は陽が仕事の手伝いする事になったわよ」
鈴仙「あ、そうでしたね…………って何させるんですか?薬の説明とか長くて初めてやらせるには難しいんじゃ…………」
永琳「貴方の負担を減らすためにやるのよ
要するに予備の薬を大量に持たせる役割ね」
俺も話を軽く聞きながら料理を進めていく
聞き漏らしたところがあれば後で聞き直せばいいだろうし
鈴仙「…………それただの荷物持ちじゃ…………」
永琳「簡単に言うとそういう事ね」
……………集中しよう
全部後で聞けばいいや
永琳「陽ー、貴方は今日は荷物持ちよー」
永琳がそれを許してくれなかった
………まぁ後で聞いたとしても荷物持ちって言うだろうからしょうがないのかなこれは
陽「…………もっと言い方なかったのか?」
永琳「遠まわしに言ってもしょうがないでしょ?」
陽「まぁ…………そうだけどよ」
とりあえずお湯も沸いたので人数分の味噌汁を作り、ネギと豆腐を入れる
卵焼きも焼けたので均等に切り分ける
ご飯が炊けるにはもう少しかかりそうだ
とりあえず皿に盛り付けている間に炊けるだろう
てゐ「ごはんはー?」
眠そうにしているがとりあえず腹ペコなのか飯を急かしてくるてゐ
まぁ見た目だけとはいえ子供のワガママを見ているようで面白い
鈴仙「仕事までまだ時間あるし少しくらいなら遅れても構わないわよー」
そして別段遅れても構わないという鈴仙
せめて意見は統一してくれないだろうか
とか考えているとご飯が炊けたようである
最後に器に盛って朝ごはんの完成である
海苔は添えるように置いておく
陽「出来たぞー」
とりあえず持って行って置いていく
最後に俺の分を持ってきて俺も席につく
永琳「意外と綺麗に出来てるじゃない」
鈴仙「確かに」
てゐ「問題は味だけどね………」
輝夜「美味しければなんでもいいわ」
…………微妙に文句に近い何かを言われてる気がするけど……………気にしたら負けか
陽「さて…………いただきます」
数十分後・人里〜
鈴仙「まさか陽があんなに料理上手なんてね〜」
陽「あれくらいなら俺でも簡単に出来るぞ」
朝ごはんを食べ終わり、仕事の時間になったらしいので永琳にさっきの話にあった予備の薬を大量に貰って人里にやってきた
俺が作った朝ごはんは大変口にあったらしく永遠亭を出てから鈴仙はずっとこんな調子である
陽「というか本当さっきからそればっかりだな
そんなに俺が料理出来ちゃ駄目なのか?」
鈴仙「そうじゃないけど…………っと、まずここによるわね」
鈴仙が何かを思い出したかのようにある一軒の家に指を指す
陽「お得意さん?」
鈴仙「まぁそんなところね…………すいませーん、永遠亭のものですけど誰かいますかー?」
当然今の仕事から考えると一つしかないわけで
薬売りの仕事のお得意さんらしい
鈴仙が呼びかけると1人のお爺さんが出てきた
老父「おー、鈴仙ちゃん
待っとったよ」
鈴仙「はい、それではお邪魔します」
陽「お邪魔します」
鈴仙に続いて俺も入る
居間につくと鈴仙が持ってきてた箱を開ける
鈴仙「最近は調子どうですか?」
老父「全く問題ないよ
これは永琳先生のお薬のおかげだねぇ」
鈴仙「薬だけじゃありませんよ
お爺さんの気持ちもあります
病気や体の異常というのは気持ちも関わりがありますからね」
老父「まだ生きていたいからのう」
鈴仙「長生きしましょうね
それじゃあ長生きするために今日も問診しますよー」
そして、数回質問した後に薬を渡し、その家を出た
陽「そういえば鈴仙の仕事って初めて見た気がするな」
鈴仙「そう?まぁ私は基本一人でやってたしそうなるのかな?」
陽「よく一人でやるな」
鈴仙「まぁついこの間まではそこまで利用する人も少なかったし…………っと、次はここの家よ」
そんなに歩いてないのにもう次の家があったらしい
この調子だとすごく時間かかりそうだな…………
とりあえず鈴仙について行って家に入る
鈴仙「おばあさーん
お薬持ってきましたよー」
老婆「おや…………鈴仙ちゃんいらっしゃい」
鈴仙「いえいえ、では問診始めますね」
老婆「えぇ」
鈴仙は仕事熱心だなと思う
慣れて手際が良くなったとか前より物腰が柔らかくなったとか感じるところもある
いや、もしかしたらこれが鈴仙の素なのかもしれない
鈴仙「それじゃあいつものお薬渡しておきますね」
老婆「いつもありがとうね〜」
鈴仙「いえいえ、それじゃあまた来ますね」
老婆「またいらっしゃ〜い」
と考えていたら知らない間に問診は終わっていてもう薬を渡していた
よほど考えに耽っていたのだろうか
鈴仙「それじゃあ次の家に行くわよ」
陽「おう……………なぁ、一つ聞いていいか?」
鈴仙「何?」
陽「仕事楽しいか?」
鈴仙「楽しいわね、辛くは感じるけど………それ以上に人を助けられてるのかなって感じになるのよ」
陽「へぇ…………」
仕事熱心だな、とはまた違うのかもしれない
まぁ鈴仙の場合だと楽しくなかったらなかったで業務的にこなしてそうなイメージあるんだけどな
鈴仙「それがどうかしたの?」
陽「いや、聞いてみたかっただけだ」
鈴仙「そう、なら早く次の家に行くわよ
薬買う人は逃げないとはいえ時間は限られてるんだから」
陽「おう」
数時間後〜
陽「つ、疲れた…………」
朝っぱらの2件から始まり今は夕方
恐らくは50軒以上100軒未満の家を回ったことだろう
途中から数えるのやめたしな
鈴仙「いつもならもっときついわよ
だって薬の予備取りにいかないといけないもの」
陽「そっか………今日は俺が予備を大量に持ってたんだもんな」
よく考えるとその場で予備が有るか無いかで楽になれるかなれないかの区別ができるんだよな
鈴仙「けどまさか予備の方まで無くなるなんてね…………」
陽「まぁ担がないといけないくらいの袋にパンパンに入ってたからな
意外と軽かったけど」
鈴仙「うそ…………あれ結構重たかったわよ?」
陽「うーん…………男と女の違いじゃないか?
別段普通の人間じゃなくても力が強いとは限らないわけだし」
鈴仙「そういうものかしら……………」
陽「そういうもんだよきっと、早く帰ろうぜ」
鈴仙「……………そうね」
早く帰って明日の仕事の手伝いのためにも早く休まないといけないしな…………しかし今日は疲れたな…………もっと鍛えなくちゃダメだな




