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狩に行きたいです(泣)

*ルーク視点

空気が冷たい、冷たすぎる。


サンリス国の国王である私、ルーティリアスは日々責務に追われている。

こないだ溜めに溜めた仕事が捌き終え、ちょっと狩にでも行きたいなーなんて思って宰相であるカイの所にやってきた。


しかし、なんだこの空気は…

カイの執務室に不穏な空気が漂っている。

弟子兼部下のアルが顔面蒼白で震えて仕事しているぞ、オイ。


「カ、カイ、何かあったのか?」


訊くしかないけどこんなイラついているんだか、怒っているんだか分からない、なんかオーラ出してるカイに話しかけたくない。


「ああ、陛下か。アル、お茶淹れてきてくれないか。」

「はい、喜んで!!!」


アル逃げたなーーーー!!!

満面の笑みで私を置いて行くな!


カイに促されて接客用のソファーに座るとカイも執務用のから移ってきたのだが…

会話がない、会話が。私から行くしかないよな。


「本当に何があったんだ?私事でも気休めにしかならんだろうが相談にのるぞ。」


この言葉を聞いてはぁーとカイがため息をつき、空気が和らいだ。私事なのか?

カイはサンリス国最強の男だ。よっぽどのことがあったのか?


「…人生って上手くいかないもんなんだなぁと思ってな」


「はぁ?」


今、ナントイッタ?

富も権力も力も美貌も手に入れているカイが人生を「上手くいかない」だと?

世の男達が泣くぞ!


「お前の人生ら充分上手くいっていると私は思うが…」


「どこがだ!俺の人生の目標である[可愛い嫁さん貰って幸せな家庭を築く]が達成出来ていないだぞ!これだけさえ叶えば良いとすら思っているのに!」


絶句した。そんな話聞いたことがない。

それに…


「どんなに告白されても誰とも付き合わないから、てっきりお前はゲイか不能かと思っていたんだが違うのか?」


「セイヤッ」


「うぐっ」


カイに肘打ちされた。手加減されているのは分かるがまさかの王に肘打ち。

しかも、けっこうじわじわくる痛さ。


「誰が言った?そんなこと」


まずい、相当怒っている。私が昔カイの下着を騎士に売っちゃったときぐらい怒っているぞ、コレは。


「い、いや、何でもない。うん。今のは忘れてくれ。それよりも初耳だぞ、お前にそんな願望があったなんて」


「そうか?随分開けっぴろだった気がするんだが。自宅のベットは夫婦用のに買い替え、花街に行っていろいろと…」


「待て!そんなこと効いてない!」


オイ、カイにこんな一面があるなんて長年知らなかったぞ…カイの妹のマリアンは知っているのか?随分と崇拝しているようだが。


「ああーー、なんか話したらスッキリしたわ。俺これからジークのとこ行ってこないといけないから、またな。アルがきたら言っといてくれ」


カイは言うやいなやいくつか書類を持つと執務室を出て行ってしまった。

珍しい黒髪が、なんとも美しい。


それよりも…

狩に行く許可貰うの忘れた!いつになったら狩に行けるんだ?


そしてアル!どこまで茶を淹れにいったんだァ!!!帰ってこいやァ!





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