すべてのはじまり
妄想の産物ですがよろしかったらお付き合いください。
私は女なのに女の子にとてつもなくよくモテた。
友人が言うには、私の容姿は男性的な綺麗さで整っていて性格も男前らしい…
そんなわけで兎に角女の子にモテた私は男には全くと言っていいほどモテなかった!
だからだろう。
高1にしてこれに気付いた私は恋愛の対象を女の子にした。まあ、百合だな。
しかし、取り巻きの女の子はどうしても好きになれず、理想の女の子を探している間に高校生活が終わってしまったのだが…
「まさか卒業式の帰りに交通事故とはなぁ」
私は信号無視のトラックにひかれそうになっていた小さい女の子を助けようとして、身代わりにひかれてしまった。
そしてこの真っ暗な謎の空間にいるんだが、この状況はつまり…
「天国はなく死後の魂は無へ帰るのか」
「違うよ〜」
高めの男の子の声がしたので、声の方を見ると12歳くらいの金髪の男の子が立っていた。
「こんにちは〜、ボクは天界に勤めてる天使のディーンでーす!」
天使らしい少年はやけにテンション高く挨拶してくれた。名乗らせたら名乗り返さなくては失礼だよな。
「ご丁寧にどうも。宮地未海だ。」
「ミウ、随分男らしいね〜」
…そんな言葉で傷付くと思うなよ。可愛い彼女作るから別にいいんだ。いや、もう死んだからダメか?
あと…
「いきなり名前を呼び捨てはやめてくれ」
名前は親しい人以外呼んで欲しくないんだがこれは性格かな?
「悪いけど少ししか時間がないから、それは置いといてサクッと説明させてもらうよ!」
「…ああ、どうぞ」
「ミウはボク達天使が名前に様付けたくなっちゃうくらい高貴な魂なんだ。だから、君に幸せになってほしい一心でみんなで君に色々才能とかプレゼントしたら…
全部男向けのになっちゃったんだ。女の子としての生活はきつかったよね…ごめんね☆」
「反省してないだろー!!」
ディーンの胸ぐらをつかみ振り回す。
誰かに自分が変えられてたなんて気に食わない。
「うわぁー!ギブギブギブ!!
みんな申し訳なく思って上に掛け合ってきたから!」
「何を掛け合ってきたんだ。」
話せそうにないので振り回すのは止めて、足は地面に着けてやった。
「えっと、君をけっこうファンタジーな世界の大国の王族の男に転生することにしました!容姿や記憶の受け継ぎ、その他もろもろもプレゼント!」
「王族却下」
「えーーー」
「明らかに王族とか厄介だろ。」
「…王族じゃなきゃ、いいかな?」
「ああ、王族じゃなきゃ身分は何でもいいよ。スラムにいたとしても自分の力で這い上がる。男に二言はない。」
「まだ君は女の子だけどね…」
そんな言葉は無視。
気分はもう男だ!そこはよくぞ掛け合ってくれた天使達!!
前世では理想の女の子と巡り会うことが出来なかったが、新しい世界だったら巡り会える可能性がある。
私はハーレムなんて作らなくていいんだ。たった1人の理想の可愛い女の子を手にいれて、甘やかして愛でまくるんだ。
それに私が男になるということは…その子と恋人になるだけでなく、結婚とか…百合だと諦めていた子供作って、家庭を持つことができる!嬉し好きだろ!
「なんか考えてるとこ悪いけど、もう時間だよ。それじゃあ、良い人生を☆」
「おう、ありがと!」
お礼を言った瞬間、足下に白い穴が空き私は穴に落ちながら意識を失った。






