とけた魔法、知らない愛と忘れたはずの恋 〜大好きな人にプロポーズされたけど、なんの覚えもないな〜
初めまして!!!晴星ヰンです!!!!!!
こちらはインターネットに公開する処女作となります!!
愛の作品です!!
カップラーメン待ってる間に読めます!!普段から読書してる人なら、バリカタのうちに読み終われます!
どうかお楽しみくださいませ!!
滲んだ視界に、知らない光景が見えている。目の前にいる人物は知っている。花束を抱えて跪き、こちらを見つめるのは世界で一番大好きな人だ。
彼とは小学校の時から高校までずっと同じ学校だった。彼は顔も良くて性格もいい。あらゆる人間にモテモテで、バレンタインなんかはもう大変な騒ぎだった。そのくせ一度も告白を受け入れないので、みんなヤケになって家まで押しかけていたこともある。それを心配したり、色男は大変だね、なんて揶揄ったりもした。今となっては信じられないが、高校まで自分の気持ちには気づきもしなかったので、単なる幼馴染として一緒にいたつもりだった。今ならわかる。名前がついていなかっただけで彼に抱いていた感情は恋だったのだと。
もう20年以上の付き合いになる最愛の人はぼやけて鮮明には見えないが、顔を真っ赤にしながら覚悟を決めた目でこちらを見つめている。震える声で、しかし力強く彼は言った。
「一生君を守ります。幸せにすると誓います。だから僕と、ーーーーー!」
…あれ。途中から声が遠ざかって何も聞こえなかったが、ポカポカした心の奥に、とても嬉しいという感情だけあった。私は、まるでそうすることが決まっていたかのように自分の手を、花束を持ち上げた彼の手に重ねた。触れた手は熱い。自然と、涙がしわひとつない頬を伝っていく。感情も状況も理解できず、大事な部分は何も思い出せない。
不思議に思っていると、私の体は勝手に返事をしようとしていた。何一つ理解ができないが、理由のわからない幸福感に満ち溢れている私には冷静になることすらできなかった。しかし、浮かび上がってきた言葉をいくら渡そうとしても口が動かない。視界のにじみはひどくなり、音は遠ざかり、そのまま世界が白くとじられてゆく。まだここにいたいのに、意識がどんどん希薄になっていく。
気がついた時には、騒音のなかにいた。そして徐々に、現実みのあるまぶしい光と共に街の風景が見える。
見えてきたのは___こちらに直進する大きなトラックだった。
一瞬、時が止まったように感じた。ハイビームを放つ鈍い銀の車体は、減速を知らずー直線に走ってくる。ゆれる車体を見るに何かしらの非常時態なのだろう、赤信号で停止する気配は微塵もない。信号の青は急かすように点滅を繰り返している。
全く状況の把握はできないが、今すぐ避けなければと反射で足を踏み出そうとする。…動かない。体が鉛のように重い。ふと足元を見ると、己は杖をついていた。よく見ると手はしわしわで、垂れるみつあみは白と銀が入り混じっている。さっきまでは艶のある黒髪だったはずなのに…老けている?
気づいたその瞬間、バケツをひっくり返したように記憶が湧き出てきた。親戚一同で還暦を祝ってくれたこと、定年退職をした日のこと、勤めていた会社が倒産し無職になったこと。私と思しき人の記憶をどんどん遡っていくうちに、見覚えのある風景に辿り着いた。あぁ、思い出した。どうしてこんなに大切なことを忘れてしまっていたんだろう。
ずいぶんと昔、私は私の好きな人にプロポーズしてもらったんだった。
皺が深く刻まれた目尻から涙がこぼれ落ちる。全てを思い出したが、もう間に合わない。この老体に走れるほどの力はない。正面にせまりくるトラックを恨むと同時に思った。いい人生だったな。冥土の土産に、ということなのか、ぼんやりと誰かが遠くから誰かの声が聞こえてくる。どうやら叫んでいるようだがもう遅い。誰かが心配してくれたならそれで十分だ。
全てを諦めて目をつぶった時、左側から強い衝撃を受けた。………左?
大きく右にふっとんだが何かにつつまれていてほぼ無傷に等しい。目を開けると、そこにいたのは世界で最も愛する、夫だった。見慣れた心配そうな顔でこちらを覗き込んでいる。私は思わず笑みを浮かべ、口に出した。
「もう、あなたって人は、いつも遅いんだから。」
全てを思い出した私に、夫は涙した。
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