第3話 スキャンダル勃発!? 烈馬、週刊誌と馬上で追いかけっこ!!
1
烈馬の“生討論突撃”はネットで賛否両論どころか、
もはやネット民の心を完全に討ち取ってしまった。
街頭演説には老若男女が殺到。
子どもたちは「馬に乗りたい!」と列をなし、
烈馬は調子に乗って全員を一列に乗せて引き馬パレードをやった。
2
そんな中――
選挙事務所に一通の封筒が届く。
「烈馬さんの“愛人疑惑”と“公職選挙法違反”のタレコミ……!?」
あやめは青ざめて封筒を握りしめた。
「……は!? なんで!?
愛人って私しか女の知り合いおらんでしょ!?(涙)
てか選挙法違反って何したの――!!?」
スタッフ「週刊誌が裏取りに動いてるみたいです……!」
あやめは頭を抱え、震えた。
「胃薬……胃薬を……」
3
その頃、烈馬は――
公園で子どもたちに剣術指南していた。
子どもA「烈馬せんせー、愛人ってなにー?」
烈馬「む? それは討つべきものじゃ!」
子どもたち「わー!!」
保護者「キャー烈馬さーん!」
記者(物陰)「あれが例の“愛人候補”か……! スクープだ!」
4
あやめが飛んできた。
「あーーー烈馬さーーーん!!
週刊誌が張ってます! 逃げて――!!」
烈馬「よし、討つ!」
あやめ「討つな逃げろ!!」
5
次の瞬間――
烈馬は黒風を呼び寄せ、
あやめを無理やり前に乗せて馬上に飛び乗った。
「黒風、突撃逃走じゃ!!」
ヒヒィィ――ン!!
6
公園に張り込んでいた記者たち数人が
慌ててバイクや車で追いかける!
カメラマン「速い……馬速い……!」
記者「バイクで馬に追いつけないってどういうことだよォォォ!!」
7
烈馬とあやめは都心を駆け抜ける。
コンビニの前を通過。
交差点をすり抜け。
信号待ち中のタクシーの間をスラローム。
「烈馬さんーー!! 赤信号ーー!!」
「赤き旗など、戦国では進軍の合図ぞ!!」
あやめ「ちがーーーう!!」
8
追う週刊誌カメラマンたちの頭上に、
交差点の防犯カメラがズラリ。
SNSではまたもやバズっていた。
#馬上スキャンダル
#追いかけっこ中
同時にマスコミ各社の速報テロップに流れる。
【速報】武将ジョッキー烈馬氏、スキャンダル取材から逃走中
9
結局、馬のほうがスタミナが勝り――
記者たちは途中で全滅。
烈馬は商店街の裏路地で黒風を止め、
誇らしげに胸を張った。
「ふっ……民の誤解など、いずれ討ち取ってみせよう!」
あやめは肩で息をしながら、
遠くを見つめて呟いた。
「……選挙終わったら胃を丸ごと新品に交換しよう……」