第2話 マスコミ取材パニック! 烈馬、討論番組で生突撃!?
1
烈馬の“突撃選挙戦”は日本中の話題を独占した。
街頭演説は連日、大混乱。
SNSでは馬に乗った烈馬の写真がスタンプ化。
黒風グッズが即完売。
あやめの胃薬は市内のドラッグストアから姿を消した。
2
ついに全国ネットの政治討論番組からオファーが届く。
あやめは番組プロデューサーに泣きついた。
「あの、なるべく……生放送で馬に乗せないでください……絶対暴れますから……」
プロデューサーは笑った。
「いや〜、面白いからOKでしょ! 話題性バツグンだし!」
あやめ「そういう問題じゃないんだってばァァァ!!」
3
そして収録当日――
都内某テレビ局のスタジオに、
またしても烈馬は黒風にまたがって現れた。
観覧席からは拍手と歓声。
カメラマンは必死で黒風の鼻先を避けながら撮影する。
司会「さあ! いま話題の新人候補、武将ジョッキー烈馬さんの登場です!!」
烈馬「皆の者、討論討論また討論!! いざ、討ち取ったりィィィ!!」
あやめ(控室)「マジで討論相手を討ち取りかねないからやめて……」
4
討論相手は地元の重鎮議員、ベテラン保守派の天道総一郎。
司会「では、まずは若者政策について――」
天道「烈馬さんは若者の雇用をどうお考えですかな?」
烈馬は堂々と答えた。
「雇用とはすなわち“家臣団”ぞ!
拙者が大将となり、民を食わしてやる!
まずは馬の世話から始めるがよい!!」
天道「馬の世話……?」
観覧席「おおおおお〜〜!!」
司会(困惑)「えっと……具体的には……?」
烈馬「全国の失業者に馬を一頭ずつ与え、
自給自足の馬上生活を推進する!」
天道「何を言っているのか分からん!!」
5
司会はさらに突っ込む。
「財源はどうするおつもりですか?」
烈馬「足りぬ分は……拙者の討ち取り資金で賄う!」
天道「だからその“討ち取り資金”って何だァァァ!!」
6
討論はカオスを極め――
観覧席は拍手喝采。
視聴率はリアルタイムで爆上がり。
SNSでは
#烈馬生討論
#馬で国会へ
がトレンド1位と2位を独占した。
7
CM中――
控室のあやめはモニターを見ながら泣き崩れていた。
「……無理だ……誰か……誰かあの人を止めて……」
黒風(楽屋でスナック菓子を食べてる)
8
番組の締め、烈馬は高らかに叫んだ。
「日本政界――拙者が討ち取ってくれようぞォォォ!!
突撃の一票、任せいィィィィ!!」
観客「おおおおおお!!」
天道(白目)「話にならん……」