表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第1話 選挙参謀あやめの胃が限界突破! 烈馬の突撃選挙戦、開幕!!

1

都心某所、選挙事務所ビルの一室。

張り詰めた空気の中――

烈馬は真顔で鎧の手入れをしていた。


選挙参謀――いや、ほぼ巻き込まれた一般人代表のあやめは、

山のような書類を抱え、机に突っ伏していた。


「烈馬さん……お願いですから……

せめて選挙ポスターだけでも鎧脱いで撮ってください……」


烈馬は堂々と答えた。


「愚問! 鎧を外せば拙者ではなくなる――!」


「じゃあ議員バッジと甲冑、どっちが本体なの!?」


2

烈馬の選挙スローガン――

「突撃あるのみ!」

以上。


シンプルすぎて、あやめの胃はもう限界だ。


「街頭演説の原稿……マニフェスト……有権者向けの政策集……全部白紙……」


烈馬はずっと筆で**「討つ」「討つ」「討つ」**とだけ半紙に書いていた。


「これが拙者の政策よ! 悪政を討つ! 不正を討つ! 酒税の値上げを討つ!!」


「討つしかねぇのかよォォォ!!」


3

そんな彼の選挙事務所には、すでに近所のマダムたちが集まり、

黒風の写真をスマホで撮りまくっていた。


「まぁ〜馬がいるのね! かわい〜〜〜!」


「烈馬さんも若いのに立派ねぇ〜! 武士って本当にいるのねぇ〜!」


烈馬はお茶を注ぎながら刀を腰に、満面の笑みで言った。


「拙者が当選した暁には、全国に馬を一人一頭配布する所存!!」


マダムたち「おおおおお〜〜〜!!」


あやめ「そんなマニフェスト、誰も通せるわけがないだろおおおお!!」


4

街頭演説初日――

選挙カーではなく、黒風に跨った烈馬が、

商店街を突撃パレードしていた。


商店街のおじいちゃんおばあちゃんが手を振る。

子どもたちが追いかける。

パトカーがそっと後ろをつけている。


烈馬の声が空に響く。


「皆の者!! 拙者が議場を討ち取り、民のために働いてみせる!!

突撃の一票、拙者に任せい!!」


あやめは拡声器を握りしめ、半泣きで走っていた。


「せめて法定速度は守ってえええええ――!!」


5

その頃、対立候補の選挙事務所では――

ベテラン政治家とその参謀が震えていた。


「なんだあの馬と鎧……支持率が……支持率が……!」


秘書「SNSで“#烈馬に一票”がトレンド一位です……!」


ベテラン「馬で国を動かせるわけが……わけが……!」


6

こうして烈馬の“突撃選挙戦”は、

日本の政界を巻き込みながら、街中を爆走し続けるのだった――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ