27:お昼のお誘い
眼鏡なしで過ごした一日は……。
緊張の一日になった。
クラスメイトの女子は一様に「眼鏡がないと別人。すごく可愛くなった」と褒めてくれた。男子は特に何も言わないが、チラチラと視線を送ってくる。
普段そんな風に視線を集めることがないので、とにかく落ち着かない。
それでも。
もう眼鏡なしデビューをしてしまった。
卒業まではこの姿でやっていくしかない。
そんなこんなで昼休みになった。
いつも通り、メグとお昼ご飯を食べるつもりでいた。
するとなんだか廊下が騒がしい。
「ニーナ、昼ご飯、一緒に食べないか?」
ウィル!?
廊下が騒がしい原因、それはウィルだったのか。
驚きつつ、メグにウィルと一緒にお昼ご飯を食べないかと尋ねると……。
「う、嘘、む、無理、ごめん。イケメンと王子様耐性ないから無理。同席しても、銅像のように無言になると思う。わたしなんて、いてもいなくても同じような状態になる。だからわたしのことは気にせず、第三王子とお昼、行って。第三王子からのお誘いを断るなんてことは絶対にしないで」
そう言われてしまい、仕方なく私はメグをおいて、ウィルの元へ向かう。
よく見ると、ウィルから少し離れた場所に、ジェラルドと魔法騎士もいる。授業以外は護衛としてウィルのそばにいるようだ。
ジェラルドと魔法騎士にも、女生徒達は反応し、遠巻きに彼らを眺め、ため息をもらしている。
「ウィル、お昼はジェシカと一緒ではないの?」
「ジェシカは今日、学級委員同士のランチだ」
そういえば、そんなのがあると言っていた。
週に1回、各クラスの学級委員が集まり、お昼ご飯を食べながら情報交換すると。
「カフェテリアに行きますか?」
私が尋ねるとウィルは頷く。
「いろいろ話したいから、先に魔法騎士を一人向かわせ、個室を押さえてもらっている。悪いが昼食は適当に選んでおいたからそれを食べて欲しい」
これには驚いてしまう。もし私がランチの誘いを断っていたらどうしていたのだろう!?
あ、王族のお誘いを断るなんて、よっぽどの理由がないとしないよね。
しかし、話したいことって何だろう?
そう思っていたが、カフェテリアの個室に入り、その謎はすぐに解明する。
驚いた。
左右の壁にいろいろなものが貼り付けられている。
これは……ブルンデルクというか私達の住む街とその周辺の地図だ。そしてこれは……、とても流麗な文字。書かれているのは魔法の……呪文?
見たことも聞いたこともない魔法の呪文がずらりと並んでいる。
「失礼します」
声とともに魔法騎士が二人、部屋に入ってきたが……。
二人が両手に持つトレイには、カフェテリアで今日提供されている料理がズラリと並んでいる。
「ウィル、こんなに食べきれないわ」
「大丈夫。ニーナと僕が食べないものは、彼らが食べるから」
なるほど。
ジェラルドや魔法騎士が食べるということか。
「では食事をしながら、いろいろ調べたことを説明するよ」
ウィルはそう言うと、椅子に腰を下ろした。
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本日も2話公開です。お楽しみください(^^♪

























































