65:楽しい楽しい晩御飯
男性陣が温泉を終えると、いよいよ温泉の魅力第二弾、温泉で食を楽しむ!だ。
今日の夕食はゆで野菜、温泉卵、ゆで卵、昆布のおにぎり、ソーセージ、朝の残りの果物だ。
何気に苦労したのは……温泉卵のたれだ。
醤油は希少品だったが存在している。だから醤油を召喚し、次に昆布を召喚したのだが。何を召喚したのかと、みんな目を丸くしていた。ともかく昆布でだし汁を作り、醤油と水で、なんとか温泉卵のたれを完成させた。
希少品の醤油を、もう少し使いたい。
そう思った私は、昆布、だし汁、醤油で、昆布の佃煮を作った。そうなるとお米が欲しくなり……。お米は高級品だが、存在するので召喚し、鍋でお米を炊き、おにぎりを作った。
私が未知の料理を作り始めたので、みんな最初は驚いていたが。
クリスとジェシカが率先して手伝うことで、ウィルもおにぎりを握り始め、気づけばアンソニーとアミルも「熱い、熱い」と大騒ぎしながら、おにぎりを握った。
こうして完成したのが、今日の晩御飯だ。並べられた料理を見ると、温泉宿の朝食みたいで、我ながら驚いてしまう。でもみんな、自分達で握ったおにぎりを、食べたそうにしている。
ということで、晩御飯がスタートした。
まず、温泉卵を食べたみんなの感想。
「なんだこのトロっ、トロっは! それにこのソース。優しくてまろやかで、合う!」
アミルは夢中で温泉卵をおかわりしている。
「これは……初めて食べる味だ。卵は……半熟のゆで卵にも似ているようで、全然違う。美味しいな」
ウィルは笑顔で、二個目に手を伸ばす。
「これはまるで飲み物みたいですね。僕ももう一つ、もらってもいいでしょうか?」
アンソニーは、温泉卵の食感が、気に入っているようだ。
「ニーナ! こんな卵料理、初めていただいたわ。あっさりしていて、とても美味しい! 温泉でこんな卵料理を作れるなんて、驚きね」
ジェシカも笑顔で、二個目を食べている。
「とても美味しいよ、ニーナ。ソースもよく頑張って作ったね。昆布を召喚している時は、何を作るのかと思ったけど。あっさりして食べやすいし、いくつでも食べることができそうだよ」
クリスは、私のたれ作りの労まで、ねぎらってくれた。
さらに。
「この美味しいソースを生み出した、昆布を包んだこのライスも、絶対に美味しそうだね」
クリスのこの一言で、皆、温泉卵からおにぎりへと、手を伸ばす。そして一口、二口と頬張り、昆布の佃煮に到達すると。
「すごい! ライスにあう」「塩とライスと昆布。シンプルなのに奥が深い」
「このライスボール、大成功だね」「この塩加減が、ライスにピッタリね」
アミル、ウィル、アンソニー、ジェシカが次々におにぎりの美味しさを喜ぶ。
クリスは……。
「使い終わった食材の有効利用だね。食材を無駄にしない。このアイデアも、素晴らしいよ、ニーナ」
もうクリスのこの一言で、昆布の下処理にかかった労も報われる。まあ、少し魔法でズルをしたけれど。
「せっかく醤油もあるから、ゆで野菜には塩はもちろん、醤油もつけてみて」
私の言葉に皆、ゆで野菜を食べ始める。
シンプル過ぎる料理だが、おにぎりや温泉卵との相性もよく、みんな次々と野菜もたいらげていく。
こうして何一つ残すことなく、夕ご飯を食べきった。
みんなの顔を見る限り、とても満足そうだ。
私はおもむろに皆の顔を見渡し、尋ねてみる。
「みんな、温泉に入って見てどうでしたか?」
即答したのはアミルだ。
「最高だった。こんな大自然の中で、風呂に入れるなんて。本当に最高だと思う!」
アミルの案に同意する形で、ウィルも答える。
「ここに到達するまで、いろいろなことがあった。その労がすべて報われるぐらいの、最上級の贅沢だと思える」
するとアンソニーも、こう続ける。
「とても開放感があり、このメンバーで同時にお風呂に入れるのも……大変貴重な体験をできました」
クリスは温泉について研究している。それもあり、とても嬉しそうに、温泉について語った。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!
ライスボールも温泉卵も大人気!
続きはフライング更新で
『僕の心はニーナのもの。ずっとそばにいるよ』を
12時よりちょっと前に公開します~☆
そして続きをお待ちいただく間。
良かったら下記、新作はいかがでしょうか。
実は今朝からこっそり更新をしていて、既に6話以上公開されています。
『断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと
気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』
https://ncode.syosetu.com/n4301if/
あらすじ:
皇太子から断罪され
殺人未遂の容疑者(悪役令嬢)と
被害者(ヒロイン)になってから
前世の記憶を取り戻した二人。
つまりは乙女ゲームの世界に転生していたと
全てが終わった後に気づいたのだが。
え、本当に私がヒロインを殺そうとしたの?
え、あたしが悪役令嬢に殺されかけたの?
全てが詰んだ後の断罪終了後シリーズ第二弾
短期集中連載で今、開幕!
短期集中連載かつ筆者としては新たな試みの作品です。
そのため……めっちゃ心配なのです。
読者様は楽しんでくれるだろうかと……。
ほんの1ミリでも気になっていただけたら。
遊びに来てくださると泣いて喜びます。

























































