64:ニーナは本当に、可愛らしいわね
「え、ニーナ、ここで服を全部脱ぐの!?」
「だって、温泉に入るのだから。この大自然なら、誰も見ていないわ。大丈夫。必要なものは魔法で揃えればいいし、さあ、入りましょう。泉の水遊びの数百倍、素敵だから」
ジェシカはそれでも迷っているようだったので。
私がお手本を示すべく、どんどん服を脱いでいく。
クリスの婚約者になってからは。
本当に、体型維持を気にするようになった。
おかげでマジパラのパッケージのニーナのスタイルを、キープできている。
つまり。
ぶっちゃけ、誰に見せても、恥ずかしくない体なのだ。
前世の私では、こうはいかない。
だが、マジパラのニーナなら問題なし!
しかも今、そばにいるのはジェシカだけ!!
下着まで脱いで、そのまま温泉へ一直線。
お湯で体を少し洗い流し、ゆっくり体を沈めると。
「ああああああ」
たまらない……!
「生き返る……」
ぽちゃんという音に振り返ると、ジェシカが温泉に入るところだったのだが……。思わず、その美しい体に目が釘付けになってしまう。
ジェシカはお姫様のように可愛らしい顔をしているのに、体は……あのユーリアみたいに色っぽい。胸も大きいし、腕で隠れている胸のつぶれ具合から、ふわふわ系のバストであると想像できる。腰はくびれ、脚はすらりと長い。なにより肌がもちもち。まるで絵画に描かれている女神様みたいだ。
同性同士とはいえ、ジェシカの裸を見る機会なんてなかった。テントで着替える時も、下着を着替える際は、お互いに背中を向けるようにしていたから。
「ニ、ニーナ、あまり見てはダメよ」
そう言って頬をバラ色に染めるジェシカは、とんでもなく可愛らしい!
この可愛らしい顔のジェシカ、ウィルに見せてあげたいなぁ。
私がそんなことを思っている間に、ジェシカは温泉に体を沈めていた。
「どう、ジェシカ?」
「想像以上に気持ちいいですわ。空が見えて、クロンシュ連山が見えて。沢山の木々や緑が見える中で、お風呂に入れるなんて……。それにこのお湯……いつものお風呂のお湯とは、なんだか違う感じがするわ。肌がなめらかに感じる……」
ジェシカは目を閉じ、本当に心地よさそうな顔をしていたが。
「今日のクリストファー様は、いつもとちょっと違っていましたわね」
「!!」
もしかしてジェシカも、クリスがバングルをつけていることに、気が付いていた!?
やっぱり、あれ、オシャレよね。
てっきりその件だと思い、私は口を開きかけたが。
「クリストファー様は、絶対にニーナを危険にさらすようなことは、しないと思うの。でも今日は違っていたわ。ビックリしましたもの。でも、今となっては……。もしかしたらクリストファー様は、古文書図書館でいろいろ調べているうちに、宝がなんであるか分かったのではないかしら? でもアミル様もウィリアム様も、そしてお兄様も、宝探しをとても楽しみにしていた。それが分かるから、クリストファー様は、文献で書かれていた宝について見ないようにされていた。でも文献を読むまでもなく、聡明なクリストファー様は、宝物は温泉だと分かってしまったのでは? だからアミル様があんなに警戒したのに、クリストファー様は、全然警戒しなかった。ニーナを連れ、アミル様のところへ行ったのではないかしら」
……!
ジェシカはバングルではなく、そんなことに気づいていたのね……!
でも言われてみると、まさにその通りに思える。
アミルの所へ行くクリスが、私に同行するか聞いた時、「おや!?」と私も思ったわけで……。
それに。
「ねぇ、ジェシカ、その通りだと思うわ。クリスはきっと、宝が何であるか分かっていたのよ。火山の記録が、古文書図書館の本に、記載されていたのかもしれないわ。それにみんなで宝がなんであるか予想した時、クリスは、持ち帰ることができる宝はないと思う、何かその場所で楽しめるようなものだと言っていたもの」
「そうね、ニーナ。クリストファー様は、本当にすごい方ね……」
うん。クリスは本当にすごいと思う。
「ねぇ、ニーナ。今日の額へのキス……。あんな風にクリストファー様は、ニーナに口づけをされるのね」
その瞬間、一気に頭に血が巡り、軽く眩暈を起こしそうになった。
慌ててお湯から出て、そばの岩に座る。
「ニーナ、大丈夫!?」
「だ、大丈夫よ」
そこでジェシカはクスリと笑う。
「ニーナは本当に、可愛らしいわね。クリストファー様が、あんな風にキスしてしまいたくなるのが、よく分かるわ」
そんな素敵なことをジェシカが言ってくれるので、ますます私は赤くなってしまう。
なんとか話題を変え、この後食べる温泉卵の素晴らしさを私が語り終えたところで、温泉から出ることにした。
大自然の中で温泉に入る……。開放感がありそう~!
続きは明日、11時台に『楽しい楽しい晩御飯』を公開します。
そして明日はプチサプライズ☆
明日の更新では、溺愛モードに加え、クリスの黒歴史が語られる!?
ドキドキ。
それでは引き続きよろしくお願いします~
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