48:クリスのおかげで元気満点
翌日の朝。
私はちゃんとテントの中で、ジェシカの隣できちんと眠っていた。そして鳥のさえずりで、目が覚めた。目覚めた瞬間の爽快感。最高の気分だった。
ぐっすりよく寝た。
今日も一日頑張るぞ!と気力がみなぎっている。
「ニーナ、一切の疲れを感じさせないほど元気ね。昨晩はよっぽどぐっすり眠ることができたのかしら?」
ジェシカにそんな風に言われるぐらい、元気満点だった。
これは間違いなく、クリスのズルのおかげだ。
気分もいいし、鼻歌まじりで着替えを行う。
白のブラウスにライトブルーのミモレ丈のスカートをはき、首にはクリスがくれたストール、ハーフアップした髪にはチェストツリーの花をあしらったカチューシャをつけた。
「まあ、ニーナ、そのカチューシャ! クリストファー様からのプレゼント?」
「そうなの。ジェシカのそのペンダントは、ウィリアム様からよね?」
ジェシカはオパールグリーンのブラウスに、ベージュのミモレ丈のスカート、そして首元には、チェストツリーモチーフのペンダントをつけていた。
「ええ、そうなの。昨日ね、ウィリアム様がプレゼントしてくださったの」
そう言って頬を桜色にして微笑むジェシカは……本当にお姫様みたいで可愛らしい。というか、ジェシカは本当にお姫様に……プリンセスになるかもしれないのだ!
「ジェシカ、ニーナ、おはよう。起きているかい? 朝食が用意できたよ」
アンソニーの声に返事をして、スノーボールとミルキーを連れ、ジェシカと二人、テントを出る。
昨晩、ジェシカと私で晩御飯を用意したので、今朝はアンソニーとアミルが、朝食を用意してくれることになっていた。二人とも料理に関しては、得意ではないハズだったが。サラミとスモークチーズのサンドイッチは、とても美味しかった。
食事を終えると、テントを片付け、早速出発だ。
昨日同様、適度な休憩をとりながら、進んでいく。
森の中の道なき道を進むのだが、アミルはあの羅針盤を使い、迷うことなく進むことができている。手つかずの森のはずだが、予想より歩きやすい。岩があったり、木の根が飛び出ていたりということもなかった。
草より苔が多く、まるで苔の絨毯を歩いているようだ。おかげで足の疲れもほとんどなく、水分補給のための小休憩を何度かとるだけで済んでいる。
苔の絨毯を進み続けると、左手に川が見えてきた。これからしばらくは、その川沿いに進んで行くことになる。川の流れる音、鳥のさえずりをBGMに進むと、疲れも吹き飛ぶ。順調に歩みを進め、お昼休憩になった。
「まあ、川があるわけだから、これは釣りだろう」
ウィルの提案にアミルは大喜びだ。
砂漠暮らしの長いアミルに釣りの経験などなく。
アミルにとっては、初めての釣り体験となる。
ウィルは釣りも想定し、道具を持ってきていたので、ウィルとアミルで釣りを始めた。ジェシカとアンソニーは森の中を散策し、食べられる木の実がないか探しに向かう。
クリスと私はスープを作ることにする。持参していたジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ベーコンを刻み、レンズ豆と共に鍋にいれ、たっぷり水を加え、火にかける。後は塩・胡椒で味付けをすれば、メリア魔法国でお馴染みの、具沢山スープの完成だ。
ウィルとアミルが釣り上げた魚は、もちろん塩焼きにする。ジェシカとアンソニーが摘んだブラックベリー、レッドカラント、ブルーベリー、ラズベリーは、そのまま食後のデザート代わりでいただくことにする。
昼食の後、片づけを終えると、30分間のフリータイムになった。アンソニーとアミルはギターの練習。ウィルとジェシカは川辺に座り、おしゃべりをしている。クリスと私は、森の奥の方へ散歩することにした。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!
次回、クリスと二人きりの森での散歩がスタート。
(*/▽\*)
皆様、甘々警報発動します。準備はいいですか!?
そして今日はサプライズの日。
ということで。
フライング更新あり!
つまり12時よりちょっと前に続きを公開☆
12時台の公開ももちろんあります!
お楽しみに~~~♪

























































