37:伯爵令嬢としてのプライドです
こ、興奮した……!?
なんてことを聞くの、アミルは!
「していません!」
「嘘を言うな。ニーナの意志とは関係なく、催淫効果は作用したはずだ」
「知りません!」
口ではしていない、知らないと言っているが……。アミルに反応した時のことを思い出してしまい、顔が火照るのを感じる。
「まあ、いい。今日は疲れた。もう寝よう」
アミルが腕をはなしたので、腰を浮かせようとするが。
「ニーナ、このベッドで寝ろ。オレはお前の手から、その指輪がなくなるまで、手は出さない」
「!?」
「見ての通り、このベッドは広い。お互い両手を広げても……手は届かない、だろう?」
確かにそうなのだ。
このベッドの大きさは、半端ない。
だが。
そうだとしても。
アミルと同じベッドで寝ていた。
それをクリスが知ったら……。
「オレは約束を守る」
思わずアミルを見ると。
意志の強そうなルビー色の瞳が、まっすぐに私を見ている。
そこに嘘は……ない。
本当に、何もするつもりはない。
「アミルが手を出さない……それは信じるわ。でも……。同じベッドで寝ていたら、寝ていることを知った人は、何かあったと思うのでは?」
「……それはアイツのことを気にしているのか?」
アミルのルビー色の瞳に不機嫌さが浮かぶ。
ヤバい。
クリスに未練ありありとバレるのは、マズい。
計画に気づかれる可能性がある。
「彼とは関係ないわ。伯爵令嬢としてのプライドです」
「プライド、ね。……だがニーナ、お前は既にそんな姿をオレにさらしているんだ。ニーナの国では、そんな風に脚を誰かに見せたりしないのだろう?」
「!? それを知っていて、こんな服を……」
「悪気はない。脚を見せる文化ではない――それは知っている。でも、すまないな、ニーナ。知らないんだよ、ニーナの国の寝間着を」
沢山の文句の言葉が、頭に浮かんでいたが。
そう言われると……。
「では私が寝間着の絵をかけば、それを用意してもらえますか?」
「それは……ニーナの絵の腕次第かな」
むむむむむ。
絵心なんて……当然ない。
だが、やってみないと分からない。
「明日、羊皮紙と羽ペンを用意してください」
私の反応に驚いた顔をしたが。
アミルはクスリと笑い、そして欠伸をする。
「分かった。……じゃあ、いいだろう、寝よう、ニーナ」
全く持って、不本意であるが。
ここで反抗しても、クリスへの気持ちを疑われるだけだ。
だから。
おずおずとベッドにのり、右側の端っこで横になる。
私が端で横になったと知ったアミルが、クスッと笑うのが聞こえる。
ムカッとするが、その怒りを我慢して飲み込む。
するとアミルは。
「明かりを消すぞ、ニーナ」
「……はい」
返事をするのと同時に、ランプが一斉に消える。
小さくため息をつき、目を閉じた。
プチサプライズ!
12時台にもう1話公開しますね
(〃⌒ー⌒〃)
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応援、ありがとうございますo(⁎˃ᴗ˂⁎)o
【筆者のつぶやき】
ニーナと同じく。
絵心がないので小説を投稿していますが。
本当にこの作品、漫画化して欲しい!
(ということで賞に応募していますが)
制服姿のクリス、普段着のクリス、少年クリス。
銀狼と同化していた時のクリス。
ニーナとクリスのラブラブな様子も。
ウィルやジェラルドも。アンソニーやジェシカも。
絵が見たい! コミカライズされて欲しい~っ。
と願う筆者なのでした(*´꒳`*)

























































