クロス視点
やっとやっと!あの忌々しい女と婚約破棄する事が出来た!あの女、アメリアは俺にとっていつも邪魔な奴だった俺という婚約者が居ながら俺の方に功績を譲ることをせずいつも王太子である俺よりも目立っていた。
王城に居る文官達からもアメリアが王妃になってくれたらこの国は安泰などと言われていた
「やっとクロス様の婚約者を辞めさせる事が出来ましたね!」
この少女はフィリー・ヘルティア。ふわふわのピンクの髪にサファイヤのような色のくりくりとした目の可愛らしい容姿をした少女だ。
「私の事を元平民で子爵家の令嬢だからってクロス様に近付かないよう言われたり婚約者が居る男性の体に触ってはいけないと言ったり水を掛けられたり意地悪なことを言われたんですよ!」
あの女はよくもフィリーに向かってその様な事を言ったとは!
「安心してくれフィリーあの女は今頃何処かを彷徨っている所だ。もう二度と会わせる事は無い!
君は俺が守るよ」
そもそもあの女と婚約していたのが間違いだったあの女…アメリア・フォートナーに会ったのはまだ幼い頃だった。
国王である父がフォートナー公爵家に出した王命だったらしい。そのお陰で俺はあの可愛げのない賢いだけが自慢の奴と婚約させられてしまった。
事あるごとに王太子の俺よりも優秀な成績を取り続けていった。王妃教育でも、学園のテストでも周囲はアメリアを持ち上げた
そんな時に出会ったのは、子爵令嬢のフィリー・ヘルティア嬢だった。まだまだ学園に慣れず苦労をしていたフィリーは俺が王太子である事を知っても変わらず接してくれたそして貴族の令嬢には見ない笑顔で笑いかけてくれた。俺がフィリーにのめり込むのはすぐだった。だが愛しいフィリーを側室にする事は嫌だった、だからアメリアがフィリーに行っていた嫌がらせを卒業パーティーで明かし未来の王妃を害したとして国外追放した。
「これでフィリーと婚約が出来るぞ!」
「やった!これでクロス様と一緒になれるのねとっても嬉しい」
だがこの時は気付かなかったこの幸せが長くは続かない事を…
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