花の髪飾り
公爵家の屋敷には無事に到着出来ましたがもしかしたら王城の方から追っ手が来てしまうかもしれませんからまだ完全に安全とわ言えませんね。
「お兄様、王城から追っ手が来てしまう可能性がありますが警備の方は大丈夫でしょうか?」
私の前を歩いていたお兄様とお姉様が振り返り
「この屋敷に追っ手ごときに遅れを取る者は居ないから大丈夫だ。心配しなくていいぞ」
「そうよ!今は自分の心配をしなさい私は可愛い可愛いアメリアが心配なのよ!」
お姉様、シスコンがいささか過ぎる気がします。
「アメリアまず自室に戻って要る物を自分で選びなさい。一度メイド達とアマリアが整理しているが何か置いて来たと言っても安易に帰ってこれないからね」
「分かりました。お父様、お母様ありがとうございます」
私は、メリーと共に自室に向かいました。私の部屋は白と赤色を基調としたシックな内装をしていて落ち着いた雰囲気が気に入っています。
「お嬢様、荷物はこれでよろしいですか?」
私の気に入っているドレスやアクセサリーなどが入っていました
「流石はメリー私の好きな物は全て分かるのね」
「もちろんです!お嬢様の好きな物はこのメリーが全て知っていますよ。特にアクセサリーの中で気に入っていらっしゃるのは、ルビーで作られた花の髪飾りですよね!とっても綺麗でお嬢様にお似合いです!」
メリーが言っていることは正解だった。
「まあ、そんなに分かりやすかったかしら?私としては大切だけど誕生日に貰ったプレゼントだって大切にしているわよ」
「確かにドレスなどのプレゼントも大切にしていますがその髪飾りだけは特別だと思いますよ!確か他国の貴族の方からのプレゼントでしたよね。お嬢様は、その方を思われているのでは?」
「なっ!それは違うわただ…」
そうじゃないただ本当に…
「うれしかったの。髪飾りを貰った時は王太子の婚約者で皆私に気に入られようと必死だったけど
その方だけはただ純粋に私のことを見てくれたから…」
「とっても素敵な話ですね!その方の名前は知らないのですか?」
「分からないの調べたけれどお父様やお母様もご存じ無いと言っていたわ」
その方が始めから居ないと言われた方がしっくり来てしまう
「では、その方の見た目はどのようでしたか?」
「黒い髪に黄金のような目をしていたわ」
貰った髪飾りの花の葉のような輝く黄金だった。あの方に本当によく似た色で見るたびに思い出す
「あなたは何処にいるのでしょうか…」
そんな言葉はメリーの声に隠れて静かに消えていった。
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