庭園
なんか自分の私室を見ただけなのにどっと疲れましたね……ルグセウス王国に来てから謎な事が多くて心労が掛かっている気がします…まあ、何処ぞの馬鹿王太子様の子守をするよりは断然ましと言えますね。
「お嬢様、特にご予定が無ければ庭園に行きませんか?それと美味しいお菓子とお茶でお茶会をしませんか?」
メリーは、どうやら私が疲れて居るのが分かって気分転換に庭園に誘ってくれているようです。
それに私は疲れた事がある後には必ず甘いお菓子を食べる癖というか習慣があります。余り食べ過ぎるといけませんけれどね。
「ありがとう、メリーそうね庭園に行きましょうか!」
メリーの提案は、とてもありがたい事ですし私が断る理由も無いですからね。
「本当ですか!では、私の方で先にお菓子とお茶を厨房から貰って来ますね!お嬢様はここのお部屋で少しお待ち下さいね!」
メリーは、とても私の事を見ていてくれていますからきっとお菓子とお茶は全て私の好みの物を厨房から貰ってくるでしょうね。けれど…
「メリー、悪いけれど私は先に庭園に行っても良いかしら?」
いつもは、メリーの事を待つのですが今日というよりはなるべく私室から出たいのです。
少し私室の事を考えないようにしたいのです。
だって…怖いじゃないですか。家族でも執事のセバスさえもそのような家具の手配をしていないのに前の屋敷に置いてあった家具が全部揃っているんですよ?だいぶ怖い事じゃないですか。
情けないかも知れないですが私は怖い事、特にお化けとかが怖いのです。
「分かりました!では、厨房に行ってから庭園に行きます」
メリーは、そう言うと私の部屋から出て行きました。庭園は歩いてすぐ近くにあります。
庭園は、凄いの一言でした。
珍しい青いバラや花の花弁が透明になっている魔法で育てられたユリなどとても貴重で数が少ない花ばかりが育ててありました。
ユリの方は、ルグセウス王国以外の他国スーザリア王国もそうですが王家の方達でもこぞって欲しがるレベルの物です。とてもではありませんが新参者の公爵家にあって良い物ではありません。
そんな綺麗で貴重な花の近くにお茶会に良い場所がありました。
置いてある白い椅子に座りました。
周囲には、国宝レベルの花が咲いてとても綺麗な光景です。
「お嬢様!お菓子とお茶をお持ちしましたよ」
メリーが戻ってきたようですね。
「あら、ありがとうメリー」
メリーが持ってきた物は、イチゴがたっぷり使ってある下の層がチーズケーキになっているタルトでした。お茶の方は、ルグセウス王国で主流となっている茶葉を使って入れている物でした。
「お嬢様、こちらもありますよ!」
メリーが見せてくれたものはとても珍しい形のお菓子でした。私でも見たことがありません
「このお菓子は、キャンディーなのですがキャンディーに熱を加えて形を作ったものだそうです!とっても綺麗ですよね!」
メリーの持っていたキャンディーはとっても綺麗なユリの花の形をしていました。
「ええ、とっても綺麗ね!でも…食べるのが勿体ない気がしてしまうわね」
人は、綺麗過ぎる物は食べるのを躊躇するのですね。
「確かに勿体ない気がしますけど…食べなければそれこそ勿体ないと思いますよ?」
「確かにそうね…ならメリー私と一緒に食べましょうよ!」
「ええっそんな駄目ですよ!そもそもお嬢様とお茶会を出来るだなんて特権を頂いているのにそんな事出来ませんよ!」
メリーの中の私は、一体どんな存在になっているのでしょうか?謎なのですが…
「良いじゃない!誰でもない私が言っているのだもの」
「いえいえ!そんな事出来ませんよ!」
しばらくお互いに譲らず最後は、私が粘って言質を取れました。
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