昔の夢
楽しい食事会は終わり私は部屋にメリーと一緒に戻りました。
「メリーありがとう。もう後は入浴して寝るだけだから戻って良いわよ」
貴族の令嬢の中には入浴の方も使用人の人達に任せる方も居ますがフォートナー公爵家では、ある程度の事は自分で出来るようにと言う代々の教育方針があります。
「分かりましたお嬢様。それではお休みなさい!
また明日です!」
「ええ、メリーもお休みなさいまた明日!」
そう言ってメリーは自分の部屋に戻って行きました。私は部屋にある浴室で体を洗い明日に備える為に何時もより速く寝ることにしました。
「アメリア嬢、これをあなたに……受け取ってくれませんか?」
懐かしいですねこの夢は髪飾りを貰った時の事です。
「はい、喜んでありがとうございます……!」
あの時は、本当に嬉しかったですね。厳しい教師の方の一対一の授業をいつもこなしていて疲れていて、それに私に媚を売ってくる大人達にも嫌になっていた時でしたね。
「ありがとう、アメリア嬢受け取ってくれて嬉しいよ。貸して貰っても良いかな?」
彼はそう言って髪飾りを私に付けてくれました。
「うん、良く似合っているよ!とっても素敵だよ」
そう言って私に微笑んでくれました
「ありがとうございます……!」
あの時は、嬉しくて嬉しくて夜をよく眠れない程に心臓がドクドクしていました。
「■■■様ありがとうございます!一生大切にしますね!」
私は、彼の名前を呼んでいる……?でも私は彼の名前は知らないはずですが…一体どうして?それに彼の名前は雑音が混じったような感じで上手く聞こえない……。
彼は、一体何者なの?家族の皆はルグセウス王国の貴族の方だと言っていますが……
「■■■様、今日も来て下さったのですね!ありがとうございます。お兄様もとっても喜ぶと思います!」
お兄様とも知り合いだったの……?
「お嬢様…お嬢様…アメリアお嬢様!」
気が付くと朝になって居ました
「メリーおはよう、ごめんなさい寝坊してしまって」
「いえ、いつもより少し遅いぐらいですので構いませんよ!」
「朝の支度をしましょうか」
結局分かりませんね、彼名前も彼が貴族の方だったとしてもどの様な位の方なのかも。
そんな思いは、朝の支度をする事で自然と消えて行きました。