メリー視点
お嬢様に出会って半日程で私の運命は大きく変わって行きました。お嬢様は言葉通り私を公爵家の屋敷に連れて行ってくれました
「あなたの名前は?」
「メリーです……」
私の母しか呼んで貰えなかった大切な今は亡き母が付けてくれた名前です。
「そう!とっても良い名前ね。私もメリーと呼んで良いかしら?」
「はい!あの……お名前は…」
幼い私でもかなりの地位を持っている貴族の出身の方だというのは分かりました。
「私の名前はアメリアよ、アメリア・フォートナー」
驚きました目の前の方が国でも王家に続いて力のある公爵家のご令嬢だったのですから
「アメリア、お帰りなさい!孤児院の訪問はどうだった?皆元気にしてたかしら?」
アメリアお嬢様をそう言って出迎えたのはミカエラお嬢様でした
「あら、アメリア後ろの女の子はどうしたの?孤児院の子どもでわないわよね」
「お姉様この子の名前はメリーで一人で歩いて居たから私が連れてきたの!この屋敷にしばらくメリーをおいて欲しいの」
正直な所私はアメリアお嬢様がそう言っても追い出されると思っていました。貴族方、特に高位の方達からしたら私の命なんて道端に落ちている石のような物ですから……
「良いわよ!お父様やお母様それと執事のエリアスの方には私の方から伝えておくわねアメリアはメリーちゃんを部屋に連れて行っておいてくれる?私も後で行くから」
(えぇ、良いのそんな軽い感じで……)
子どもながら抱いた感想がそれでした。それでも私はお嬢様方のお陰で屋敷に残っても良いと言われました。そして温かく綺麗な服と美味しいご飯お風呂まで入れて貰えました。
「メリーといったね。しばらくこの屋敷で一緒に暮らさないかい?もちろん君の生活は保障するよ」
この公爵家の当主クレイル様がそうおっしゃりました。
「良いんでしょうか……それに私何も出来ないのですが」
「構わないよメリー、君が居たらアメリアもミカエラも喜んでいるからね」
そうおっしゃったのはアメリアお嬢様とミカエラお嬢様のお兄さんのレイアス様でした
「私も嬉しいわ!もう一人娘が出来たみたいでメリーちゃんとっても可愛いし」
私の容姿はミルクティーのような淡い茶色の髪に珍しい緑色の目をしていました。
「皆さんがそうおっしゃるのでしたらしばらくお世話になります」
こうして私は公爵家のご家族の好意でお世話になることになりました。他の使用人の方達もとても優しく迎えて下さり直ぐに馴染む事が出来ました
そして私は拾って下さったお嬢様の専属のメイドとして働く栄誉を手に入れる事が出来ました。
お嬢様には幸せになって頂きたいと思っています
今も昔も。その思いに偽りはありません。
私は何があってもお嬢様に着いて行きますから
ね!
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