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風にまかせて

作者: Soraきた

この場所には大きな日だまりができているよう

はしゃいだ声が通るのも

穏やかな時間がそうさせているのかな


このブランコを大人が乗ってもいいのか

分からないでいたから

一瞬、立ち止まって考えている僕の

その横をスッと通りすぎて

キミが飛び乗るように座る


何回か漕いでいるうちに

あっという間に

僕の身長のはるか上をいく


隣の子供は

それを見ながら

「もっと、もっと」と

おねだりをしてる


声が届いているのか

風の音に遮られているのか

キミに聞こえないでいたから

僕はジェスチャーを交えて

「少し、落ち着いて」と


気持ちよさそうに

足を伸ばしては曲げたりして

また、勢いをつける

最近は行けないでいた遊園地に来たかのように

キミは無邪気に

はしゃいでいる


そのうち少しずつ、勢いがなくなってきたら

僕は後ろに回り込んで

キミの背中を押してやって

勢いを取り戻すように

そのときの手に触れる、ぎこちなさを

なんとかバレないように


風は器用に追い風から

向かい風となって

僕の出番を誘う

キミの背中を押してあげれるように



次に譲るように

僕がキミに促す

いつの間にか

順番待ちをしてる子供たちに気づいたから


地に足が届いたら

短時間でブレーキをかける

たちまち、舞い上がる砂ぼこり


砂ぼこりって

なつかしいな

靴の先が白く砂をかぶって

直そうともしない

そんな子供の時を思い出す


今日はあたたかな日差しに囲まれる

ほっこりとした気持ちにさせてくれる

でも、たぶん

それは

となりにキミがいるから


風は落ち着きを見せて

ふたりの会話をじっと待っている





















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