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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
93/200

93、帰り道

 「おっ、これなんてどうだ?」


 俺が見つけたのは青色のマグカップ。

 なぜかはわからんが、あの人はこういうカップにコーヒー入れて本とか読んでそうな気がする。

 完全に偏見だった。


 「マグカップ…」


 「あくまで俺の意見だけど…」


 「ううん、いいと思う…!」


 楓もマグカップがいいと思ってくれたようだ。


 「会長って何色が好きかわかる?」


 「えと…緑だったと思うよ」


 「緑…おっ、ちょうどあるじゃん」


 商品棚から緑のマグカップを取って楓に渡す。


 「これで大丈夫?」


 「うん!わたし、お会計行ってくるね!」


 そう言って楓はレジの方に向かって行った。

 しかし緑か…意外だな。

 会長って、赤とか黄色とか派手な色が好きだと思ったんだけどな。

 偏見だけど。




 レジでの会計も終わり店を出ると、いい時間だったのか、空も暗くなり始めていた。

 楓はマグカップの入った袋を大事そうに抱えながら俺を見た。


 「ありがとね、旭くん」


 「どういたしまして〜」


 スマホを確認すると、今は十八時前で、結構いい時間だった。

 帰った頃には陽葵が飯を作り終えてソファーで溶けているだろう。


 「んじゃ、帰るか」


 「うん…」


 とりあえず、楓を家の近くまで送って行こう。

 楓を家まで送って行く間は、学校であった事、思ったこ事、大変だった事などを楓は話してくれた。

 楓の過去は決して明るいものではなかった。

 だから、楓が笑顔でそういう話をしてくれるようになった事に、俺は安堵していた。


 「…」


 「…」


 話も落ち着き、会話は少なくなってきた。

 それでも、この空間は嫌いじゃなかった。

 少しの人の声と、靴が地面を叩く音だけが耳に入ってくるこの空間を、俺は心地よく思っていた。

 そんな時だった。

 制服のシャツが後ろに引かれるような感覚がした。


 「…楓?」


 その原因は楓だった。

 言っていいのかわからない、そんな顔をした楓が俺の後ろで足を止めていた。


 「…もうちょっとだけ…いいかな…」


 「ん?何が?」


 「…もうちょっとだけ…い、一緒にいたい…」


 「んなっ?!」


 紅潮した顔、胸元に置かれているギュッと力の入った手、潤んだ瞳が下から俺の顔を覗き込んで来た。

 なにそれ、かわいすぎるんですがけど…。

 というか、一緒にいたい、ってどういう事?!

 え?!楓って俺の事…いや落ち着け。

 もう少し話がしたい、それだけの事だろう。

 危ないところだったぜ…。

 特殊な訓練を受けていなかったら、明日学校で後ろを振り返る事ができなくなるところだったぜ…。


 「…あの…やっぱりなんでも…」


 「…公園でも行ってみる…?」


 「え…?」


 「いや、嫌ならいいんだけど…」


 平静を装ってそう言った。

 今でもちょっとだけ心臓がバクバク言ってるし手にかいた汗も薄らと残っている。

 正直、平静を装えている自分にびっくりしていた。


 「…行きます…」


 「一応、家の人に連絡しておいた方が良いと思うよ」


 「う、うん」


 俺も陽葵に連絡しておくか。

マグカップっていろんな形があって面白いですよね。

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