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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
87/200

87、ふざけようか

 「佐倉さん、ここどうやるんですか?」


 午後四時過ぎ頃。

 俺は小さな喫茶店で、コーヒーを片手にソシャゲのイベント周回をしていた。

 そんな中、目の前に座っている顔はかわいい年下は、サイドテールを鳴らしながらテーブルに置いてある教材を指差して話しかけてくる。

 

 「あ?…わからん」


 「使えませんね」


 「貴様」


 水無瀬一花。

 最近やたらと会う機会が多い、口の悪い中学三年生の女の子。

 なぜ、俺がこの子と喫茶店にいるのか。

 それは数分前の出来事のせいである。



 …数分前。


 高橋とはその後、適当にゲーセンなんかで時間を潰して、その場で解散となった。

 俺もそろそろ帰ってソシャゲのイベント周回でもしようかと思い、自販機で飲み物を買っていた時だった。


 「佐倉さん?」


 最近よく聞く声だなぁ、と思いながら声のした方を向くと、そこには思った通りの人物がいた。


 「うわぁ…水無瀬じゃん」


 「女の子に向かって『うわぁ…』は酷くないですか?」


 「お前疲れるもん」


 「まぁ!辛辣!」


 そういう割には全然気にしてなさそうだけどな。


 「てかなんでここにいるんだよ?」


 「なんでって…ただ帰り道を歩いてただけなんですけど…」


 「へぇー」


 たしかに、もう学校が終わる時間だし、遭遇するのもおかしくはないか。


 「佐倉さんは相変わらず暇そうですね。ぼっちですか?」


 「そういうお前もぼっちだろ」


 「やめてください、一緒にしないでください」


 「お前なんなの?」


 こいつと喋ってるとゴリゴリ体力が削られていく気がする。


 「んじゃ、また今度な」


 「あ、ちょっと待ってください」


 缶ジュースを持って家に帰ろうと思ったら引き止められてしまった。

 水無瀬はカバンから教科書のようなものを取り出して指を刺す。

 嫌な予感がする。


 「勉強、教えてくれませんか?」


 「え、やだよ」


 即答。文字通りの即答だった。

 なんで休みの日に知り合いの勉強を見てやらなきゃならないんだ。


 「ダメですか?」


 「俺は休日に勉強に関する事はしたくない」


 「教えられるほどの頭がないから無理だって事でいいですか?」


 「お前は何を聞いていたんだ」


 完全に馬鹿にしてるよな?

 というか解釈の仕方が酷すぎる。


 「いいじゃないですか〜。わからないところがあったらでいいので、ちょっとだけ付き合ってくださいよ〜」


 「えぇ…」


 「一人じゃやる気が出ないんですよ」


 「普通逆じゃない?」


 というか、それなら友達を呼べよ。

 あっ…そういう事か…。


 「…なんですか…その、かわいそうな人を見る目は」


 「…お前、友達いないもんな…」


 「処しますよ?」


 処さないでください。


 「まぁ、このまま家に帰っても暇だからいいか…」


 「暇なんですね」


 「お前は俺を煽らないと気が済まないのか?」




 と、いうわけで現在に至る。

 勉強を教える、と言っても、俺はほとんど何もせずにスマホをポチポチしているだけなのだが…まぁ、こいつも真面目にやってるし、ちょっとくらいは俺も真面目に付き合ってやるか。


 「ちょっと教科書貸せ」


 「え、あ…はい」


 そう言いながら水無瀬は不思議そうに俺を見る。

 え、何?


 「どした?」


 「あ、いえ…結構真面目に取り合ってくれるんだって思って…」


 「んじゃ、ふざけようか」


 「やめてください」


 まぁ、中学生の問題なら、教科書見れば思い出せるだろう。


 「これをここに入れて、前の式をここに入れる」


 「おぉ!なるほど!」


 「らしい」


 「最後の一言で台無しですよ」


 いや、多分合ってるはず。

なんだかんだ気に入ってるキャラクターの一人です。

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