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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
86/200

86、牛丼

 「んで、ダメだったと」


 「そうだよダメだったよ文句あるのか?!」


 「何でキレてるのこの人…」


 文化祭の次の日は月曜日。

 世間では平日で普通に学校や会社はある日なのだが、俺たちは文化祭の振替休日ということで今日と明日が休みになった。やったぜ。

 そして、その一日目の昼。

 俺は高橋と牛丼屋に来ていた。


 「慰めやがれ」


 「何なのお前?だから奢ってやってるじゃん」


 「ありがとうございます」


 「ダメだこいつ…」


 ちょっと高橋君は今、情緒が不安定らしいです。

 まぁ、理由はわからないでもないが…。

 高橋は文化祭の日、俺が教室から追い出してから、葵さんに無事に会うことができたそうだ。

 そこで、高橋は告白をした。

 そして無事に振られた。

 そんな高橋に、俺は牛丼を奢ってやっている。

 感謝して欲しい。一口四十回くらい噛んで味わって食べて欲しい。


 「…まぁでも、意外とスッキリするもんだな」


 「何が?」


 「心?何かつっかえが取れたっていうか…そんな感じ」


 「へぇ」


 「だからありがとな、旭」


 そう言って俺と目を合わせて礼を言ってくる高橋。


 「え、やめてキモイ」


 「てめ」


 ちょっと鳥肌が立ってしまった。

 そもそも、俺は礼を言われるためにやったわけじゃないし、最後にそうするって決めたのは高橋だろ。礼を言われる筋合いなんてない。


 「…んで、そっちはどうだったんだ?」


 水をぐいっと飲んでそう聞いてくる高橋。


 「何が?」


 「文化祭だよ」


 「あぁ、午前は伊織と、午後は楓と回ったよ」


 「なんだ、佐藤たちとは回らなかったのか」


 「おん」


 というか、回らなくて正解だったわ。

 楓と回ってる時に見かけたのだが、何か先生に怒られてた。

 いや、マジで一緒じゃなくてよかったわ。


 「なんかなかったのか?」


 「お前は何を期待しているんだ」


 そういうとこだぞ。


 「文化祭だぞ?女子と回って何もないはずがない」


 「その考えがもうアウトだわ」


 「小さい事でもいいからさぁ…何かなかったの?」


 「暇かよ」


 「暇なんだよ」


 「何かねぇ…」


 そう言って文化祭を思い返す。


 「楓は意外と食べる」


 「それは意外」


 「だろ?」


 「他は?」


 「んー…伊織に告られたくらいかなぁ…」


 「へぇ」


 「へぇ、って…」


 聞いて来たくせに興味無くすなよ。

 俺結構すごい事言ったと思うんだけど。


 「…ん?告られた…?」


 「おん」


 「伊織に?」


 「イエス」


 「はぁぁぁ?!」


 「ちょ、うるさい迷惑だから」


 店の中だというのに弁えずに叫ぶ高橋。

 どうやらこいつの中ではタイムラグが発生していたらしい。

 というかうるさい。

 こいつは出禁になってしまえばいいと思う。


 「は…?付き合ったの?」


 「いや、付き合ってはいない」


 「…ん?」


 高橋は心底不思議そうな顔をしていた。


 「何で…いや、いいや。これ以上聞くと伊織に失礼だし」


 「変なところで律儀だよなぁお前」


 気遣いができるのか出来ないのか微妙なラインだな。


 「…楓もこれから大変だなぁ…」


 「は?何で楓?」


 「何でもねぇよ」


 そう言いながら俺に伝票を押し付けてくる高橋。

 マジで何なの?


 「ごちそうさま」


 「はいよ」


 だからなんでそういうとこだけ律儀なんだよ。

お前…何を考えているんだ…?

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[一言] 高橋…駄目だったのか…強く生きて
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