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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
82/200

82、読むもん

 「…えーと?」


 「君でしょ?楓をいじめてたのって」


 「え…あ、ち、違うよ?」


 「教科書隠したり、机の中荒らしたりしたんじゃないの?」


 「え…と…」


 紗英のさっきまでの余裕のある顔は見事に崩れて、視線を右往左往させていた。


 「あのね、私はその…そう!見てただけ!見てただけで何も…」


 「へぇ、見るだけ見て助けなかったんだ」


 「あ…えと…」


 いくらなんでも、その言い訳は無理があるだろ。


 「…そ、そもそも!この子が空気読まないで変な事言うからこうなったの!私たちは一緒に楽しんでただけなのに変なこと言うから!」


 「それは危険な行為を止めただけだろ?」


 「…それはわかってるよ!」


 わかってるんかい。


 「ちゃんと注意してやってたから!それなのに、この子が楽しい空気を壊したから!」


 うわ、めんどくさ。

 どうしても楓が悪いって事にしたいのか。


 「あ、わかった。君も空気読めない系の人かな?」


 何言ってんだこいつ。


 「あのなぁ…そもそも空気なんて読むもんじゃないだろ」


 ただの空気になんて書いてあるんだよ。

 チュートリアルでも書いてあるのか?

 上ボタンで前に進む、的な?


 「なっ…」


 「…っ?!」


 俺の言葉に紗英は動揺している。

 そりゃそうだ。

 だってこの子は空気を読んできたのだから。


 「空気読めないとか読めるとか、それってただ同調してるだけだろ?」


 「ち、ちが」


 「人の輪から外れるのが嫌なんだろ?怖いんだろ?あんたはそうだろうな。今まで空気を読んできたんだから。でも楓は違った。あんたらを思って注意したんだよ。多分、ハブられるってわかって注意したんだよ。その行動のどこにいじめる要素があるんだ?」


 「そ、それは…」


 また言い訳を考えているのか、紗英は楓を見たり俺を見たりと忙しそうだった。

 まぁ、考える暇なんてあげないけどね。


 「共通の敵を作りたかったんだろ?自分たちは悪くない。あいつが悪いんだって」


 「ちが…」


 「じゃあ、何?」


 「…」


 少し強めにいうと、紗英はとうとう黙ってしまった。

 数秒黙った後、紗英は大きく息を吐いて顔を上げた。


 「…もういいや…じゃあね…」


 「あれ?もう帰っちゃうんだ?」


 「っ!」


 キッと俺を睨みつけてくる紗英。

 おぉ、怖い怖い。


 「…ふんっ」


 それでも、紗英は言い返す言葉がないのか、そのまま去っていってしまった。


 「あらら、ごめんね楓。友達怒らせちゃったわ」


 「…」


 楓は口を開けたままポカンとしている。

 何これ面白いな。

 俺はクレープをちょっとだけちぎって楓の口の中に放り込んでやる。


 「っ?!」


 「え?もっと欲しいって?」


 「…んっ、い、言ってないよ?!」


 言ってないらしいです。


 「…あの、旭くん…どうしてあんなこと言ったの…?」


 「どうしてって…あむっ」


 クレープを一口食べて、ゆっくり飲み込む。


 「ムカついたから?」


 「…え?」


 「ムカついたから」


 「あ、うん」


 「友達の事を貶されたんだ。黙ってられるわけないだろ」


 「…そっ、か…」


 誰だってそうだろう。

 大切な人、友達、家族をバカにされたらムカつくだろ。

 俺は残りのクレープを一気に口に放り込む。


 「…ん、うっし!喉乾いた!タピオカジュースでも買いに行こうぜ!」


 「あ…え…と…」


 「どうした?タピオカ嫌い?」


 「う、ううん…そうじゃなくて…」


 楓は未だに混乱しているような感じだった。

 どったのさ。

 まぁ、気持ちはわからないでもないけどさ。

 俺は楓に向き直ってため息をついた。


 「…さっきも言ったけど、空気なんて読むもんじゃないぞ?言いたい事があるなら言ってくれていいから。別に空気読めないとか言わないし、それでハブったりもしないからさ。あ、でも譲れない意見がある時は俺も対抗するからな!その時は言い合おうぜ」


 「っ!」


 「それで、楓はどうしたい?」


 楓は俺の言葉を聞いて一度顔を下げた後、すぐにまた顔を上げて俺の目を見てきた。


 「わ、わたしもタピオカジュース飲みたい!」


 「よーし!行こうぜー!」


 「うん!」


 そう言って笑った楓の顔には、影なんて一つも見当たらなかった。

 文化祭巡り再開だ。

この前、読みにくいから空白を入れて欲しい、とのコメントをいただいたので、セリフと文の間に空白を入れてみました。

読みにくかったら言ってください。

これが良ければ全話修正します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 会話の間に空行は逆に見づらいのでは…
[一言] 全部…。改行の修正より執筆に労力をかけて頂いた方が余程有り難く思います。
[一言] むっちゃ読みやすくなりました!
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