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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
76/200

76、離れたくなくなっちゃう

 「ふむ、悪くはなかったな」


 「何で上から目線なの…」


 先輩たちの喫茶店を楽しんだ俺たちは店を出て、探索を再開していた。


 「旭はどこか行きたいところ決まった?」


 「うーん…こうやって歩いてるだけでも中々楽しめてるんだが…」


 「ほんとに?」


 「うん」


 こういうイベントって雰囲気だけで楽しめるんだけど…これって俺が陰キャだから?


 「おやおやぁ〜?旭君じゃないですか〜?」


 「はい?」


 前の方から声がしたと思ったら、そこには綺麗な女の人がいた。


 「えっと…どこかでお会いしましたっけ?」


 「さすがに傷つくなぁ…これは流歌くんに言って怒ってもらうしかないね」


 「あぁ、葵さんか」


 「その通り!」


 まぁ、高橋を「流歌くん」って呼ぶ人が印象的だったから思い出せただけなんですけどね。

 あれ?そういえば何で葵さんがいるんだ?


 「てか何で葵さんがいるんですか?葵さんって午後から来るはずじゃ?」


 「あれ、もしかして流歌くんから聞いてた?」


 「まぁ…ちょっとですけどね」


 がっつり聞きました。


 「私が引っ越す事も聞いた?」


 「まぁ、はい」


 「ちょっとじゃなくない?」


 「気のせいですよ」


 そこにつっこんではいけない。


 「ねぇ旭…知り合い?」


 おっと、すっかり伊織の事を放置してしまっていた。


 「あぁ、ちょっと高橋経由で知り合いになったんだ」


 「へ、へぇ…」


 そう言うと伊織は、葵さんを不思議そうな目で見る。


 「あれ?もしかしてデート中?」


 「へっ?!いや、そんなんじゃ!」


 顔を赤くして、慌てふためく伊織。

 うーん、かわいい。


 「ふーん…まぁいいや、流歌くんは?」


 「高橋なら俺たちの教室にいますよ。あいつ仕事中なんで」


 「あ、そうなの?」


 「葵さんが午後から来るって話だから午前中に時間をずらしたんですけど…」


 「あ、あはは…」


 葵さんはバツが悪そうな顔をする。


 「私、今からおじいちゃんの家に出発する事になっちゃってさ…」


 「…え?」


 「?」


 伊織は話の内容がわからないためキョトンとしている。


 「え、いや、文化祭が終わってからじゃ…」


 「『準備が終わったなら早く来い』っておじいちゃんがうるさくてさぁ…だから最後に流歌くんに会いにきたんだけど…いないならしょうがないか」


 「いや、なら今すぐ教室に行きましょう!案内しますから!」


 これじゃあ高橋がかわいそうだ。


 「ううん、旭くんから伝えてくれないかな?」


 「え?」


 「会いにきたんだけど、会っちゃうと離れたくなくなっちゃいそうだからさ」


 そう言って葵さんは寂しそう笑った。


 「…それじゃ、またね」


 「あ…えと…わかり、ました…」


 葵さんは手を小さく振りながら歩いていってしまった。


 「旭…」


 俺が呆然としていると、伊織は心配そうに見てきた。


 「あぁ悪い、次行くところだけど…」


 「私たちのクラスでしょ?」


 「え、あぁ…」


 「私はよくわからないけど、高橋君に用事があるんでしょ?」


 「…うん」


 「じゃあ、行こう?」


 気を遣ってくれている伊織に申し訳なく思う。


 「悪いな」


 「別に、私も自分のクラスがどうなってるのか気になってたから」


 そう言って優しく笑う。

 俺は高橋がしようとしている事を知っている。

 するかはまだ決めていないと言っていたが、しないとは言っていなかった。

 葵さんの伝言を高橋が聞いたら…高橋は、どう思うんだろう。

旭は今どんな気持ちなのだろうか…。

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