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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
75/200

75、子供扱い

 やってきたのは3年生が経営している喫茶店。

 店員は皆、本格的なウェイターやウェイトレスが着てそうな服を着用して、内装も落ち着いた雰囲気にしている。


 「ここ、ほんとに教室か?」


 「壁とか変えるだけで全然雰囲気違うね…」


 これ壁紙か?剥がせるのか?やりすぎじゃね?

 俺たちが内装に気を取られていると、店員が近づいてきた。


 「いらっしゃいませ!二名様ですか?」


 「あ、はい、そうです」


 「それでは、こちらにどうぞ!」


 元気そうな店員さんに席を案内され、メニュー表を渡される。


 「注文が決まりましたらお知らせください!」


 そう言って店員さんは奥の方に行ってしまった。


 「俺らのクラスの出し物って何だっけ?」


 「現実逃避しないで」


 くそっ!これが三年生の力なのか?!


 「それに、私たちのクラスだって頑張ってるでしょ?」


 「まぁ…」


 でもこれを見てからだとなぁ…。


 「と、とりあえず何か頼もうよ!」


 「んじゃ、俺はホットケーキとアイスコーヒー」


 「私は…アイスコーヒーだけ、お願いしようかな?」


 「食べないの?」


 「まだ大丈夫かな」


 なるほど。


 「あれ?伊織ってコーヒー飲めるっけ?」


 俺の記憶が正しければ、伊織はブラックは飲めなかったはずだ。


 「ば、バカにしないで!子供じゃないんだからね!」


 「わ、わかったわかった、子供じゃない子供じゃない」


 「ふんっ」


 伊織はそっぽを向いてしまった。


 「ホットケーキちょっとあげようか?」


 「…もらう」


 そういうところが子供っぽいんだよなぁ…。


 「すみませーん」


 「はーい!」


 伊織は絶賛不機嫌中なのを無視して店員さんを呼ぶ。


 「お決まりでしょうか?」


 「はい、アイスコーヒー二つと……」





 「それでは、ごゆっくりどうぞ!」


 そう言って店員さんは奥の方に戻っていった。

 目の前にはアイスコーヒーと湯気を立てているホットケーキ、そしてアイスコーヒーをちゅるちゅるとストローで吸っている伊織。


 「…砂糖ってないの?」


 「ふっ…子供め…」


 「う、うるさいばか!」


 そう言って、またコーヒーを吸い始めた。


 「別にそんなに無理しなくてもいいだろ?」


 「…だって、私だけ子供っぽいのって、何か嫌だなって…」


 「いやいや、気にしなくて良いだろ」


 ホットケーキを一口サイズにしながらそう答える。


 「旭は大人っぽいのに私だけ子供っぽいのって、それって私が旭に釣り合ってない、みたいで嫌」


 伊織なりに、俺の事を考えてくれた結果なのだろう。

 幼馴染から友達という、よくわからない関係になった俺と伊織。

 そこから伊織は俺の事を異性として見ようとしてくれている。

 …まぁ、やってる事は告白の返事の保留なわけだが…。


 「別に気にしなくて良いだろ。そこがお前の良いところでかわいいところなんだから」


 そう言いながらフォークに刺さったホットケーキを、伊織の口元に差し出す。


 「…またそうやって子供扱いするんだもん…」


 「いらないの?」


 「はむっ」


 「えぇ…」


 無言でホットケーキを奪い取られてしまった。

 もう一度一口サイズに切って、俺も食べる。

 あ、これは美波の勝ちだわ。


 「どうせ昔から知ってる仲だし、気を張らなくても良いって」


 「そ、そう?」


 「おん、そうそう」


 「…適当になってない?」


 その問いには答えずに、ホットケーキをまた食べる。

 うん、うまい。

子供っぽいって…なんだ?

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― 新着の感想 ―
[一言]  子供っぽい(哲学)
[一言] 美波さんのホットケーキかなり強敵説。
[一言] 邪推だとすみません。 この描写だと、伊織が咥えたフォークを旭も使っているように見えるのですが、これって間接○○・・・・・・。 年頃の男がそれを気にしない時点で恋愛感情が無い! チャンスだぞ…
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