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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
70/200

70、平常運転か

 「旭…さ、文化祭の日、誰かと回るの…?」


 放課後の実行委員の仕事中に伊織は聞いてきた。


 「いや、まだ決めてないな」


 「高橋君は?」


 「別の人と回るって言われて断られた」


 高橋との会話の後も、俺は一緒に回る人をまだ決めていなかった。いや、考えていなかったが正しいだろうか。

 あの後、装飾を作るのに夢中になって頭の中空っぽだったからな。ああいう系の作業って夢中になれるんだよな。

 伊織とは結局、実行委員の仕事で一緒になれるだろうし、一応約束だけでも付けとくか?


 「なぁ」


 「ねぇ…」


 「「…」」


 思いっきり被りましたね。

 こういう状況ってほんとに気まずくなるんだな。どこのラブコメだよ。


 「…どぞ?」


 「え、う、うん、あの、もし良かったらで良いんだけど…午前中、私と一緒に回らない?」


 「え」


 「だ、だめならいいんだけど!」


 「だめじゃないけど…」


 寧ろ誘ってくれて嬉しいんだが?


 「でも、俺でいいのか?伊織と回りたいってやつならいくらでもいると思うんだが」


 「そ、そんなにいないよ!…わ、私は…旭と回りたい…」


 かわいい。

 はぁ?かわいいんだが?

 もじもじして恥ずかしさを我慢して顔赤くしちゃって、もう…凶器よ?男みんな死ぬぜ?


 「お、おーけー午前ね。覚えとくわ」


 「うん!」


 そう言うと嬉しそうに返事をした。

 そんなに嬉しそうにしないでくれ。かわいすぎてニヤニヤしちゃう。

 まぁ、回るって言っても実行委員の仕事のついでって感じだから、あまり気にすることもないだろう。


 「…ねぇ旭」


 「ん?」


 「旭ってさ…楓ちゃんのこと、どう思ってるの…?」


 「楓?」


 いきなりどうしたんだろうか。


 「うーん…あんまり深く考えたことなかったけど…かわいくて、優しい子?癒し?」


 「癒し?」


 「何か見ててほっこりする」


 「…」


 かわいいし、やさしいし、料理もできて気遣いもできる。あれ?めちゃくちゃいい子じゃない?


 「あの子の彼氏はきっと幸せになるだろうな」


 「あ…うん…」


 「急にどうしたん?」


 「な、なんでもない!」


 「?」


 そう言って伊織はそっぽを向いてしまった。

 うーむ…わからん。

 話が終わってしまったから俺も仕事に戻るか。

 そう思い、目の前の書類に目を通そうとする。


 「…ん?」


 そこで自分に違和感を覚える。

 伊織と一緒にいるはずなのに、随分と冷静な自分がいる。

 前までは俺から話しかけに行って会話を楽しんでいたはずだ。

 なんだろう…この違和感。


 「うーむ…」


 「旭?」


 「へい」


 「どうしたの?さっきから唸ってるけど…」


 「ん、あぁ考え事してただけだから気にしないでくれ」


 「あ、うん」


 やっぱり何かおかしいような…気のせいか?

 前からこんなんだっけ?


 「あ、そういえば、さっき旭も何か言おうとしてなかった?」


 「え?あぁ、伊織と同じ事聞こうとしてただけだから大丈夫」


 「そうなんだ」


 ふふっ、と少し楽しそうに伊織は笑った。かわいい。

 やっぱり俺の心は平常運転か?

寒くなってきましたね。

この小説ではまだ夏です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 自らの意志で一度ならず二度も旭のヒロインの座を拒否したんだから好意が消滅したり好意が数十%下がってたとしても完全に自業自得 こっから振り向かせる可能性があるとすれば100%のデレと献身的な愛…
[一言] 完全に心離れてしまってるじゃないですか…
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