表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
53/200

53、だめだった

 「花火綺麗だったね〜!」


 「うん…すごかった」


 「思ったより良かったわ!」


 花火大会は終わった。

 さっきまで盛り上がっていた喧騒は、静かな寂しい喧騒に変わっていた。

 今日という一日が終わろうとしているのだ。


 「なぁ、旭…」


 「ん?」


 後ろの方から声をかけられたから見てみると、そこには九十九がいた。

 相変わらずのイケメンだなぁ。

 …というか、なんか元気ない?


 「お前、伊織となんかあったのか?」


 そう聞くと九十九はその場で立ち止まった。

 幸い、俺たちが居たのは後ろの方のため、前のみんなからは気づかれていない。


 「九十九?」


 「…俺、だめだったわ」


 「は?」


 だめだった、とはおそらく伊織の事だろう。


 「なにお前、告白でもしたの?」


 「いや、さすがにしてないわ」


 「だよな、さすがにしないよな」


 まじビビったわ。


 「じゃあ、何がだめだったんだ?」


 「…あいつ、好きな人いるらしいんだ」


 「え?」


 あれ?伊織の好きな人って九十九じゃなかったのか?


 「だからもう、いいんだ」


 「いやいや、諦めるにはまだ早いんじゃないか?」


 まだ惚れ直す事だって十分あり得るわけだし。


 「もうちょっと続けても…」


 「旭」


 俺は言葉を遮られる。

 九十九は何かを決心したような顔をしていた。


 「いいんだ」


 「…そうか」


 まぁ、何か思うところがあるのだろう。

 とにかく、九十九がそう決めてしまった以上、俺から何か言うことなんてできない。


 「ねぇ!なにしてんのー?!」


 陽葵が手を振って俺たちを呼んでいた。

 他のみんなもこっちを見ていたから、俺たちは結構長く立ち止まってしまっていたのだろう。


 「なぁに、ちょっとした恋バナだよ」


 「は?!おま?!」


 堂々とそんな事を言える九十九に驚きを隠せない。

 何でそんなに堂々としてられるんだ?辛くないのか?


 「えっ?!誰の話?!」


 そんな九十九の戯言に一番反応したのは美波だった。あなた元気ねぇ。


 「さぁ、誰のでしょう?」


 そんでもって九十九君。何であんたそんなに楽しそうなん?

 え?もう気にしてないの?気にしてるの俺だけなの?俺は気になって仕方がねぇよ!

 そういえば結局、伊織の好きな人って誰なんだろうか。

 九十九じゃないんなら一体誰なんだろう。

 俺の知らない人なのか?

 うーむ…謎だ。

 知っても何の得にもならないものが、どうしても気になってしまう。人間よねぇ〜。

 まぁでも、好きな人の好きな人ってやっぱり気になってしまう。

 一体どんなやつなのか、伊織はどういうタイプが好きなのか。

 そういうことを気になってしまう俺はまだ、健全な心を持てているのだろう。

九十九ぉ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ