29、読めない
「そういえばお前ら、これからどうするの?」
伊織からもらったおにぎりを食べ終え、落ち着いたところで陽葵たちに聞く。
「そろそろ期末テストだから勉強しよって話してたんだ」
「ほーん、まじめなことで」
「旭も勉強しなよ」
「気が向いたらな」
「あはは…」
別に俺は成績が悪いわけではない。悪いわけではないがいいわけでもない。俺的にはテストは赤点さえ無ければいいと思っているから勉強する時間があるならゲームをしていたい。
「んじゃ、ごゆっくり」
「どこいくねん」
リビングを出て自分の部屋に戻ろうとすると陽葵が俺の襟を掴んできた。
ぐぇってなるからやめて、ぐぇってなるから。
「どこって邪魔しないように部屋に戻ろうかと」
「旭もここで勉強すればいいじゃん」
それは伊織と俺と陽葵の三人で、ということだよな?
本当にどういうつもりなんだ?
陽葵の考えが読めない。
「いや、いいよ。邪魔しちゃ悪いし」
「邪魔?なんで?」
俺は陽葵を睨む。
しかし、陽葵は「何言ってんの?」みたいな顔で俺を見てくる。
わかっていない、訳ではないはずだ。わかった上でこいつは言っている。
俺は陽葵から視線を外し大きくため息をつく。
「お前が良くても伊織がどうかわからないだろ」
そう言って伊織の方をチラと見る。
すると伊織は少し困ったような顔で笑った。
「私は大丈夫だよ」
「だってさ」
「お、おう」
わからない。
伊織は俺といて気まずいと思わないのか?それとも俺が気にしすぎなだけなのか?
俺は陽葵の方を見てみる。
陽葵は「覚悟決めろや」みたいな顔で俺を見ている。
え?これ俺が悪いの?
「道具取ってくるから待ってて…」
俺はここで考えるのをやめた。
あっちが気にしていないならこっちも気にする必要はないだろう。
それに、今回はあくまで勉強をするだけだ。特に何か起こることもないだろう。
まぁ、ちょうど暇してたし、たまには勉強してテストに臨むのもいい事だろう。
そう思い俺は勉強道具を取りに部屋に向かった。




