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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
179/200

179、お二人さん

 「それで?何してたんだよ」


 「いや…ほんと…すみませんでした出来心だったんです…」


 結局あの後、俺たちの尾行任務は数分と経たないうちに失敗に終わった。

 理由は思ったよりも早く高橋に気づかれてしまったからだ。

 高橋たちの目的はやはり、プリン味のアイスだったらしい。

 まぁ、陽葵がいるからそんな事だろうとは思っていたけど。

 ちなみになんで気づいたのか聞いてみたところ、「同じ高校の制服着てるやつがグラサンかけてこっち見てたから気になってしょうがなかったんだよ」らしい。俺のせいかい。


 「あの、ごめんね?」


 「いや、いいよ。どうせ旭に何か言われたんだろ?」


 「えっと…」


 高橋から目を逸らし、言いにくそうな顔をして俺をみる朝香。


 「あのな高橋。俺が問題の元凶みたいな言い方はやめろ」


 「うるさい元凶」


 「辛辣ぅ…」


 まぁ、これに関しては二人の時間を邪魔してしまった俺が圧倒的に悪いからなんとも言えないところだ。

 心の中で二人に申し訳なく思いながら陽葵の方を見てみると、陽葵は俺を睨んだり怒ったりしているわけではなく、なぜかほっとしたような、でも残念がっているようなそんな表情をしていた。


 「まぁ、邪魔して悪かったよ」


 「別に邪魔とまでは言ってないけど…」


 「俺と朝香はもう帰るからさ。ゆっくりしてくれ」


 「えっ」


 もう二人の邪魔をしないと宣言したところで、ここまで黙っていた陽葵が反応を示した。

 どしたよお姉ちゃんや。


 「陽葵?」


 「あ、いや、別に旭たちも一緒にいればいいんじゃないかなぁ〜って…」


 正気か貴様。


 「いや、俺らもう食べ終わったし…あとは…」


 帰るだけ、そう言おうとしたが、陽葵の殺気によってそれは叶わなかった。

 いや、なんで殺気なんだよ。邪魔した事がそんなに許せないなら後でいくらでも謝るから許してくれよ。

 というか、お前ら二人の空間に俺たちの二人が入るってのも中々カオスな状況な気がするんだけど。

 そう考えるとマジで帰りたくなってきた。

 俺はSOSの意味を含めて朝香に視線をやると、朝香も微妙な顔をして俺の方を見ていた。

 いや、そりゃそうなるわな。

 とりあえず俺は最後の希望として高橋に視線を送る事にする。


 「…まぁ、別にいいんじゃないか…?」


 「マジかお前」


 いや高橋君。おこなの?あなたもおこなの?だとしたらマジで謝るから勘弁してください。


 「俺らも食べ終わったら帰るだけだからさ。どうせなら一緒に帰ろうぜ」


 そう高橋が提案してきた。

 まぁ、それならいいかな。

 そう思い、朝香の反応を伺うと、こちらも同じ考えのようで、小さく頷いた。


 「…わかったわかった。わかったから早く注文してこい」


 「はいはい」


 そう言って高橋と陽葵はアイス屋の列に並びに行った。

 そんな高橋たちをみて、俺はふと思った。


 「…俺ももう一つ食べようかな…」


 「お腹壊すからやめておいた方がいいと思うけど…」


 いや、普通にうまかったんだよなぁ…。

 たいっへん申し訳ありません!遅くなってしまいました!

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