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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
114/200

114、何しに来たの?

 「そういえば、今日の晩飯どうするの?」


 スーパーにたどり着いた俺と陽葵は、とりあえずカゴにプリンを投入し、目的を達成していた。

 いや、ほんとにこれだけ。まぁ、プリンを買うだけだったらコンビニでもいいのだが、コンビニのプリンは高ぇ。スーパーだと三つで二百円いかないくらいなのに、コンビニは一個二百円近くするやつがある。でも、コンビニのプリンって高いけど美味いんだよなぁ…。

 という事で、目的のプリンを買ってミッションコンプリートしたから、マジで陽葵は何をしに来たんだ、と言う話になる。

 しかし、晩飯の材料を買いに来たと言うならば納得はできる。


 「んー…今日はお母さんたち帰ってくるから、お母さんが作るんじゃない?」

 

 「マジで何しに来たんだよ…」


 「いいじゃん!ついてきたかった年頃なの!」


 「小学生かよ」


 「お姉ちゃんです」


 高校生の俺に小学生の姉ができた件。

 …どこのラノベですか?というか字面が危ない。


 「もう、しょうがないなぁ…適当にどこか寄る?」


 「え、やだ。用がないなら帰るぞ」


 「なんなのあんた」


 なんなの、はこっちのセリフです。


 「別に無理してどこかに寄る必要ないだろ?」


 「えー」


 「何さ?」


 そう言うと、陽葵は何やら不貞腐れたような顔をする。


 「だって…今年、旭とあんまり出かけてなかったから…」


 「は?いやいや、遊びまわってただろ?」


 というか、何その理由。


 「夏祭りとかあっただろ?」


 「他には?」


 「他にはって…あれ?」


 言われて気づいた。

 よく考えると、夏祭り以外は今年、陽葵と出かけてないのか?

 平日も休日も顔を見てるから、あんまり考えてなかったな。


 「…いや、別に家でも遊んでるし、よくない?」


 「違うんですよ。なんか…こう、姉弟っぽい事と言いますか…」


 姉弟っぽい事ってなんだよ。

 公園で砂遊びでもするか?おん?


 「じゃあ、公園で砂遊びでもするのか?」


 「うーん…ありだね」


 「いや、冗談だから」


 まさか採用されるとは思わなかった。

 この歳で砂遊びはキツいだろ。


 「…じゃあ、何がしたいの?」


 「うーん…あ、ショッピングしようよ!」


 「今したじゃん」


 「これをショッピングと呼んで欲しくないんだけど」


 何が違うんだよ。

 ショッピングって買い物のことだろ?


 「年末と正月に向けての準備とかあるし…面白い家電とかあるかもしれないし!」


 「…まぁ、安売りとかしてるだろうしな」


 「ね!そうしよう!どうせ旭、家に帰っても暇でしょ?」


 「おい、勝手に暇人扱いするな」


 「『ゲームのイベントで忙しい』とか言ったら怒るよ?」


 「…」


 べ、別にそんな事ないですよ?ほ、他にもやる事あるかもしれないですし?

 だからそんな目で見ないで。


 「はぁ…わかったわかった。でも、そんなに金あるのか?」


 「ふっふっふっ…多少使いすぎても大丈夫だよ?」


 「お前…最高」


 こいつは今、我が家の生活費を使う事を宣言した。

 姉ちゃん…あんた漢だよ。女だけど。


 「でも、さすがに使いすぎはヤバいから抑えろよ。母さんが多分、めっちゃ怒るから」


 「はいはーい!」


 はしゃぎすぎだろ。

 どっちが姉とか弟とか、もはやわからんな。

年末の安売り、何があるかなぁ…。

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― 新着の感想 ―
[一言] 姉弟なのになんか夫婦めいた感がある…。
[良い点]  こんな姉欲しかった‥‥‥ [一言]  米も野菜も安売りだよ。  生産者涙目だけど(怒
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