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クルマ娘キュートレーサー  作者: 印朱 凜
エピソード2
64/85

閉会式


 様々なドラマを生み出した交流試合は様々な思いを胸に、ついにフィナーレを迎える瞬間がやって来た。ラーメン・スタンプラリーは、幾多の紆余曲折を乗り越えた名車女子学園の劇的な勝利に終わったのである。

 

 ここからは豊田セリカGT-FOUR RCと昴インプレッサ22B-STiバージョン、それに三菱ランサーエボリューションⅥトミ・マキネンエディションの心に、いつまでも刻まれるであろうエピソード。


「オメデト~ゴザイマース! 君達~!」


 トロフィーが授与される時、どこに隠れていたのだろうか……来賓席から登場した見覚えあるスーツ姿の中年男性に、思わずセリカは二度見した。


「サ、サインツコーチ! どうしてここに!? もうスペインに帰られたのでは?」


 イケオジは、ばつが悪そうに笑った後、拍手しながら誇らしくコメントした。


「ウ~ン、セリカノ事ガ心配ニナッテ、Uターンシテ戻ッテキマシタ! ヤハリ、ヤッテクレマシタネ! 他ノコーチ達モ、私ト同ジナノデース」


 苦笑いのマクレーコーチを見たインプレッサは、何かを確信していたような表情で、別に驚きもしなかったようである。


「やっぱりでしたか。あのまま帰ってしまわれる方とは、とても思えませんでしたから……」


「フフッ! スバルニハ、カナイマセンネ~。全テ、オ見通シダッタ訳デスカ~」


 何とランエボは、マキネンコーチを見るなり走り寄って抱き付いた。力強いショックでむせるコーチ。まるで帰ってきた主人を見たワンコである。


「マキネンコーチ……! ひどすぎるぜ! オレの名付け親になった途端、姿をくらますなんてよ~」


「Good Byeヲ言ウノガ、トテモツラカッタノデス。今日ハ、アナタノ顔ヲ見ナガラ、コウ言エマス」


「何だよ~、はっきり言ってくれよ」


「ヨクヤッタ! Congratulation!」


 壇上から降りてきた大徳寺有恒学園長と同じく笑顔の豊田2000GT生徒会長は、ナレーターの松田コスモ・スポーツと共に、近年希を見る盛り上がりを見せた大会の勝者達へ、最大限の賛辞と拍手を贈り続けたのである。


「優勝おめでとう! セリカ、そしてインプレッサとランサーも! 今日はよく頑張りましたね!」




そんなお祝いムードの中を仏頂面で近寄ってくるチームがある。伊太利屋女学院のランチア・ストラトスHFを先頭にした037ラリー、デルタHFインテグラーレEvoⅡの面々だ。


「勝者には祝福を! これが我が校の……いえ、我々が大切にしている精神ですわ」


 両者の固い握手が交わされた瞬間、全方向からカメラのフラッシュが浴びせられ続けた。


「伊太利屋女学院の皆さん、ありがとうございます。今日は素晴らしい走りを見せて頂きました。本当に、あらゆる面で尊敬しています」


 セリカの本音を垣間見たストラトスは、ラリー037から手渡された赤い象のぬいぐるみ……肌身離さず大事にしていたエレファンティーノをうやうやしくセリカに向かって献上してきたのである。


「ストラトスさん……これは!」


「約束通り、こちらを差し上げます。もうひとつのトロフィーだと思って下さい。どうか可愛がって下さいね」


 震えるような悔しさと、涙の滲んだ目元をセリカは見逃さなかった。




 





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