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クルマ娘キュートレーサー  作者: 印朱 凜
エピソード2
42/85

第ニチェックポイント

 

 ランチア・ラリー037からカウンター越しに食券を渡された店員は、スタンプカードに押印すると『お水はセルフサービスとなります』と伝えてきた。


「何だって? 独自のシステムなんだな」


「バールみたいにエスプレッソが出てきそうな雰囲気なのにね」


 ランチア・ストラトスがラリー037に水を汲んできて暫く経った時、第二チェックポイントであるラーメン屋に三菱ランサーエボリューションⅥも無事に到着した。

 緊張と焦りから多少声が大きくなっている最後の走者、豊田セリカGT-FOUR RCが彼女の肩を叩く。


「お疲れ、ランサー! コースアウトしたそうじゃない。それで足は大丈夫なの?」


「ああ、オレは鍛え方が違うんでな。この通りさ!」


 強気なランエボはランチアコンビの前で、クルリと一回転してみせた。


「おい! 服に付いた泥を、こっちに飛ばしてんじゃねーよ!」


「何だとコノヤロ-!」


「ちょっと、ちょっとお! スミマセンでしたー!」


 さすがにマナーの悪さを店員と伊太利屋女学院に詫びたセリカは、ランチア・ラリー037からかなり離れた席にランエボを座らせる。


「どうどう! ダメじゃない。ケンカなんかしちゃあ、一発で失格を喰らうわよ」


「アイツ、何だかムカつくんだよ-」


 牽制しながら余裕の笑顔を見せるランチア勢にも、だんだんイライラが増してきたようだ。


「おい、ストラトス。一体いつになったら『つけ麺』とやらが運ばれてくるんだ?」


「パスタの茹で時間より、かなり長いようね」


 そんな時、ついにカウンターの向こう側から、麺の入った丼が目の前に置かれた。


「な、何てシンプルなパスタなんだ! アーリオ・エ・オーリオみたいだ」


「急ぐのよ、ラリー037」


「おおっ!」


 早食いポイント加算に躍起となったランチア・ラリー037は、フォークで麺を巻き取ると急いで口に入れた。


「Ohi! 何だこりゃあああ? このパスタは全く味がしねえぞ! 茹でたままじゃないか! おい、ソースにからめるのを忘れてんじゃねえのか?」


 そう叫んで立ち上がった瞬間、カウンターにもう一つの丼が置かれたのだ。


「すみませ~ん。こちらが、つけ汁になります」


 ラリー037とストラトスは目を丸くした。魚介の香りを放つ濃厚スープにはメンマとチャーシューが沈んでいたが、料理としてはブラウン一色だ。


「こ、これは……」


「つまりパスタとソースが別々になっているっていう事? それは、え~と……何のため?」


 カルチャーショックに打ち震える手で、ラリー037はつけ汁の入った容器の中身を全て麺にかけようとした。


「ああ、お客さん! 麺をスープにつけながら食べるんですよ」


「Oddio! Mamma mia!」


 パスタと似て、異なる料理……ランチアの二人はカルチャーショックを受け、ちょっとした発想の豊かさに感心してしまうのだ。



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