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クルマ娘キュートレーサー  作者: 印朱 凜
エピソード2
32/85

開会式は盛大に2


 ここぞとばかりに、ナレーターの松田コスモスポーツの声にも思わず力が入る。


「いよいよ格式ある伊太利屋女学院の入場です。先頭はこの人……ランチア伝統の青と黄のラインが入って渋い! ボルドーレッドのレーシングスーツで入場してきたのは、ランチア・デルタHFインテグラーレ・エヴォルツィオーネⅡです!」


 皆の注目を一身に浴びながら、新作のコレツィオーネ仕様のスーツを披露するランチア・デルタは、ランウェイを闊歩するモデルそのものであった。一瞬にして会場が静まり返る。

 だが、手を挙げる彼女の心中は、決して穏やかでなかった。


「ちっ! アウェーとはいえ、前座に人気を持ってかれたか……まあ、仕方ないかぁ」


 若干不満げなランチア・デルタに続き、自信満々の次女が入場する。


「これは何とも美しい! 紺と赤の有名なマルティーニのストライプが入った白いレーシングウエアで登場したのは、ランチア・ラリー037です!」


 ようやく緊迫感の伴う空気に慣れてきたのか、会場は拍手と歓声の渦に包み込まれる。


「フッ! 美しくて当然でしょう。フェラーリと同じピニンファリーナのデザインなんだから」


 満足げなランチア・ラリー037に続くのは、ランチアトリオのリーダーにして長女……典型的なブロンド美少女の登場に、会場は更に沸き立ったのだ。


「ついに成層圏から天使が舞い降りました。イタリア国旗と同じ赤白緑のアリタリアカラーのスーツを着こなすのは、代表のランチア・ストラトスです!」


「ご機嫌よう、学園の皆さん! ちなみにスーツのデザインは、ベルトーネ在籍のガンディーニですのよ!」


 絶妙に強調される胸の谷間と、短いスカートから伸びる白く長い美脚。早くもファンの心を鷲掴みにしたランチア・ストラトスは、黄色い声援に応えるかのように顔の横で短く手を振っている。

  

 しかし壇上では、すでに両陣営の睨み合いが勃発し、あからさまに火花を散らしていた。

 特に豊田セリカGT-FOUR RCが、白ベースに赤と緑のストライプといったイタリアのナショナルカラーのレーシングスーツを着ている事に、伊太利屋女学院チームは不満を持っているようだ。

 そんなピリピリムードなのに、私立名車女子学園チームの代表を任された豊田セリカは、ランチア・ストラトス自慢のレーシングスーツに入っている目立つロゴを一目見るなり、何の悪意もなく笑顔でこう言い放った。


「おや? なぜランチア・ストラトスさんのウェアに平和堂アルプラザのロゴが付いているんですか?」


「ち、違います! これはですね、イタリアの有名なアリタリア航空のロゴです!」


 豊田セリカは滋賀県民しか知らない大型スーパーのローカルネタで、ランチア・ストラスを意図せず煽ってしまったようである。

 

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