魔物図鑑
3冊くらい選んで書こうと思っていたのに、1冊分しかできませんでした。
元々オレ達が子供の頃は、やっと白黒テレビが家庭に普及され始めたころで、田舎では放送局が国営放送と民放放送が2社くらいしかなかった。 ネットもゲームもない世界、自分の体一つで遊ぶ時代。 あの時代も当に異世界もの。
貧乏だったので、学校の図書室で本を借りることが多かった。 そのころからの癖で死ぬ前まで、結構な読書家だった。 この世界の環境は、まるであの頃に戻ったようだ。
書斎に潜り込み新しい本を探す。 前回のブッポウ表のお陰で意味が解らないけど、色々と読むことができるようになった。
そのなかでも次に選んだ本は、『 ブルーヘルム王国の魔物 』という挿絵が子供の怪獣図鑑のような一冊だ。 はじめは本当に怪獣図鑑だと思っていた。 けれど、マリーが実際に各地の結構身近に魔物は存在するので、魔物退治に貴族の騎士や、平民の兵士が派遣されたり、ギルドに所属する冒険者が、生活をするために討伐していると教えてくれた。
「冒険者がいるのですか? どうしたらなれますか?」
「えっ! アル様、どうされました? 」
つい食い気味にマリーに聞いてしまった。
「いや、これってファンタジーだったんだ。」
マリーに意味は通じていない。 魔物が存在する世界である ということが問題だ。
「魔王に姫様が誘拐されましたか?」
「えーと、アル様、本当にどうされました? 『 勇者ロートの冒険 』 を読まれました?」
あぁぁ、落ち着け オレ。 色即是空 色即是空 ・・・・。 取り敢えず、魔物と冒険者はいるらしい。 えぅって 魔王は、いないのね。 『 勇者ロートの冒険 』??? ぁ~、そんな本があるんだぁ。 次 探すか。
落ち着け オレ。 とにかく 『 魔物図鑑 』 だけど、一箇所気になるところがあって、マリーに聞くことにしたのだ。
魔物の特徴と生活環境。 それに弱点も書いてある。 ブッポウ表である程度分かるが、もしかしてここに書いてあるのは? 恐る恐る本命の疑問を質問する。
「マリー。 ここの箇所に書いてあるのは、大きさですか?」
「はい。 そうですよぉ。 あれ? どうしました。 結構かわいい大きさですよぉ。 中には、飛んでもな魔物もいるので、出会ったらすぐに逃げてくださいね。」
やはり、サイズが書いてあるんだ。 いやいや、大きさが問題ではなくて、いやいやいやいや、大きさが問題だ。
お察しいただけただろうか、アラビア数字が使われていない。 『 伍拾萬 』 のような漢数字みたいな感じの表記がしてある。
あれ? 同感してくれません?
アラビア数字が使われてなくて、漢数字で表記されていると、覚える文字数が跳ね上がるのです。 そして最悪なのが、計算です。 前世のオレは、産まれ時から 0~10 を使っていた。 算盤も☐本式で、東アジア式は、埒外。 小学校を卒業したら、電卓で、近年はPCの表計算ソフトで自動計算。
「マリーあのねぇ、大きさは数字が書いてあるのですか?」
「あぁ~、すいません。 そういう事ですか。 はい、これが数字です。」
「こんなアラビア数字を見たことありませんか?」
「何ですか? 不思議な模様ですねぇ。」
うん~ん。 これは、今度 マリーに数字とか単位とか、通貨といった系統を習っておく必要があるなぁ。 計算についても習おう。 学校を卒業したと聞いてるから、それくらいわかるよねぇ。 領司の貴族の家らしいので、次男といえども教育については、厳しいと思うけど? まぁいいや。 元々学習は好きだから・・・。 えっ! ホントだよ!
次回も異世界の本のはなしを・・・
次回もよろしくお願いします。